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Day 13

プロジェクト管理ツール比較:どのツール選んだらいいの?

Last updated at Posted at 2024-12-10

PPM/SPMとは

戦略的ポートフォリオ管理ツール(SPM)は、組織全体のプロジェクトや投資を包括的に管理・分析するためのソフトウェアです。主に経営層やポートフォリオマネージャーが使用し、複数のプロジェクトを組織の戦略目標と紐付けて評価します。
主な機能として、プロジェクトの戦略的優先順位付け、リソースの最適配分、投資対効果分析、リスクバランス評価があります。また、シナリオ分析や予測分析により、市場変化への対応力を高めます。
データの可視化機能により、経営層の意思決定を支援し、組織全体の価値最大化を実現します。中長期的な視点で複数プロジェクトを俯瞰し、戦略的な判断を可能にします。

一方で、プロジェクト管理ツール(PPM)は、個別プロジェクトの計画、実行、監視、完了までを効率的に管理するためのソフトウェアです。プロジェクトマネージャーやチームメンバーが日常的に使用し、プロジェクトの成功を支援します。
主な機能には、タスク管理、スケジュール管理、予算管理、リソース配分、進捗管理、文書管理があります。また、チームメンバー間のコミュニケーションや情報共有を促進する機能も備えています。
ガントチャートやかんばんボードなどの視覚的なツールにより、プロジェクトの状況を分かりやすく把握でき、効率的なプロジェクト運営を実現します。

共通点と相違点について

戦略的ポートフォリオ管理ツールとプロジェクト管理ツールには、いくつかの重要な共通点と相違点があります。
共通点としては、まず両者ともプロジェクトの成功を目指すマネジメントツールという基本的な性質があります。また、データの可視化機能、リソース管理機能、進捗管理機能を備えており、意思決定支援を行います。さらに、組織の目標達成に貢献し、効率的な業務運営を支援するという共通の目的があります。
一方、相違点は以下の点で顕著です:

管理スコープ:ポートフォリオ管理ツールは複数プロジェクトを包括的に管理するのに対し、プロジェクト管理ツールは個別プロジェクトの詳細管理を行います。
利用者層:ポートフォリオ管理ツールは主に経営層やポートフォリオマネージャーが使用し、プロジェクト管理ツールはプロジェクトマネージャーやチームメンバーが使用します。
時間軸:ポートフォリオ管理ツールは中長期的な戦略的視点を持つのに対し、プロジェクト管理ツールは比較的短期的な実行管理に焦点を当てます。
分析レベル:ポートフォリオ管理ツールは戦略的な投資判断や優先順位付けを重視し、プロジェクト管理ツールは実務的な進捗管理や課題管理を重視します。

これらのツールは、組織内で補完的に活用されることで最大の効果を発揮します。

どんな種類があるの?(プロジェクト管理ツールの分類)

PPM/SPMツールとプロジェクト管理ツールの主要なアプリケーションを、カテゴリー別に紹介します:
【PPM/SPM(ポートフォリオ管理)ツール】

1. エンタープライズ向け大規模ツール

  • Planview Enterprise One
  • ServiceNow Strategic Portfolio Management
  • Clarity PPM (旧CA PPM)
  • Oracle Primavera Portfolio Management

2. 中規模向けPPMツール

  • Microsoft Project Online
  • Sciforma
  • Planisware
  • Workfront

プロジェクト管理ツール

1. 大規模プロジェクト向け

  • Microsoft Project
  • Jira Software
  • Monday.com
  • Smartsheet

2. チーム向け協働ツール

  • Asana
  • Trello
  • ClickUp
  • Wrike

3. 統合開発環境との連携に強いツール

  • Azure DevOps
  • GitLab
  • GitHub Projects
  • Jira Software

何をもって選べばいいの?

数多いプロジェクト管理ツールですが、以下のような評価軸をもって重みづけし、総合的に判断することを推奨します。

1. 組織規模との適合性

  • 企業規模
  • ユーザー数
  • 同時アクセス数の上限
  • 管理プロジェクト数

2. コスト要因

  • 初期導入コスト
  • ライセンス費用
  • 保守・運用コスト
  • トレーニング費用

3. 機能面での適合性

  • 必要な機能の充足度
  • カスタマイズ性
  • 拡張性
  • 既存システムとの連携

4. 運用面での考慮点

  • ユーザーインターフェースの使いやすさ
  • 導入・運用サポート体制
  • セキュリティ対応
  • データ移行の容易さ
  • 多言語対応

5. 業界・業務特性

  • 業界特有の要件対応
  • 開発手法との親和性
  • 規制対応
  • レポーティング要件

これらの評価軸に重み付けを行い、総合的に判断することが推奨されます。

実例

実例として「国内売上1兆円のグローバル企業における導入検討」の場合、どのような選定基準があればよいか想定します。

前提条件

  • 売上規模:1兆円
  • グローバル展開
  • 複数の事業部門
  • 多数のプロジェクト同時進行
  • コンプライアンス要件が厳格

重み付け評価基準(100点満点)

1. 組織規模との適合性(25点)

  • グローバル展開対応(10点)
  • 大規模ユーザー管理(5点)
  • 複数事業部門の統合管理(5点)
  • 大規模データ処理能力(5点)

2. セキュリティとコンプライアンス(20点)

  • データセキュリティ基準(8点)
  • グローバル規制対応(7点)
  • 監査対応機能(5点)

3. システム連携性(20点)

  • ERPシステムとの連携(7点)
  • レガシーシステムとの統合(7点)
  • API連携の柔軟性(6点)

4. 機能面での適合性(15点)

  • ポートフォリオ分析機能(5点)
  • リソース最適化機能(5点)
  • レポーティング機能(5点)

5. 運用・保守(10点)

  • グローバルサポート体制(4点)
  • 多言語対応(3点)
  • アップデート頻度(3点)

6. コスト(10点)

  • 総保有コスト(5点)
  • ROI(3点)
  • スケーラビリティ(2点)

推奨ツール候補

1. ServiceNow Strategic Portfolio Management

  • グローバル展開実績が豊富
  • ITSMとの統合が強み
  • 堅牢なセキュリティ

2. Planview Enterprise One

  • エンタープライズ向け機能が充実
  • 戦略的ポートフォリオ管理に強み
  • 高度な分析機能

3. Clarity PPM

  • 大規模組織での実績多数
  • 拡張性が高い
  • コンプライアンス対応が充実

優位性のポイント

  • グローバル展開の実績
  • エンタープライズレベルのセキュリティ
  • 大規模データの処理能力
  • 複数システムとの統合実績
  • 24/7グローバルサポート

サービス検証

PPM/SPMツールの中でも気にすることの多いUIに関して複数ツールの主要画面を確認しました。

サービス Project画面 Dashboard画面
Wrike image.png image.png
Monday image.png image.png
Planview image.png image.png
Planisware image.png image.png
ServiceNow image.png image.png

どのサービスもきれいなUIをしていますね!
その中でもWrike、MondayはUIUXに力を入れて使いやすいと感じました。
一方で、Planview,Planisware,ServiceNowはエンタープライズ(大企業)向けのグローバルツールという印象を持ちます。

■まとめ
この記事では、プロジェクト管理・ポートフォリオ管理について定義、ツール、選び方、UIUXという観点で総合的に概観しました。ツール選定の際にはこちらを参考とされてくだされば幸いです。

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