MCP登場
ニュースの尽きない生成AI界隈ですが、11/26に発表されたClaude MCP(Model Context Protocol)が話題です。
As AI assistants gain mainstream adoption, the industry has invested heavily in model capabilities, achieving rapid advances in reasoning and quality. Yet even the most sophisticated models are constrained by their isolation from data—trapped behind information silos and legacy systems. Every new data source requires its own custom implementation, making truly connected systems difficult to scale.
(DeepL訳)
AIアシスタントが主流になるにつれ、業界はモデル機能に多額の投資を行い、推論と品質において急速な進歩を遂げてきた。 しかし、最も洗練されたモデルでさえ、情報サイロやレガシーシステムの背後にあるデータからの分離によって制約を受けている。 新しいデータソースはすべて、独自のカスタム実装を必要とし、真に接続されたシステムの拡張を困難にしている。
MCP addresses this challenge. It provides a universal, open standard for connecting AI systems with data sources, replacing fragmented integrations with a single protocol. The result is a simpler, more reliable way to give AI systems access to the data they need.
(DeepL訳)
MCPはこの課題に対処する。 AIシステムとデータソースを接続するための普遍的でオープンな標準を提供し、断片的な統合を単一のプロトコルに置き換える。 その結果、AIシステムが必要なデータにアクセスするための、よりシンプルで信頼性の高い方法が実現する。
なぜWebサービスだけではなくDestopアプリが必要だったのか。やっと意味がわかりました。そんなClaude DesktopからローカルPC上のリソース、DBの中身、様々な外部サービスへの接続できる仕組みということで、早速試してみました。(Windows)
簡単な動作確認
まずは公式のクイックスタートにあるローカルsqliteとFilesystemをやってみました。
本当はGoogleDriveをやってみたかったのですが、認証がうまくいかず一旦断念。
少しハマったポイントは以下でした。
- ローカルのPythonのバージョンが古かった(3.8とか・・・)
- Claude DestopがDeveloperモードではなかった
- パス表記が
\\
になっていなかった
このあたりの記事や動画を参考にさせていただくとスムーズかと思います。
正直まだまだエンジニア以外には結構ハードルが高いのが実情です。
このあたりは今後すぐ改善されるかとは思います。
実際いじってみるとこんな感じです。(例えばローカルDBに対しての操作)
言ったことだけをやってくれるのではなく、色々お節介も焼いてくれます。接続がタイムアウトしたときは色々と問題の原因を上げてくれたりします。
今後の展開
MCPは、AIとデータソースを安全かつ効率的に接続するためのオープンスタンダードであり、特に中小企業やスモールビジネスにとって大きなメリットをもたらすことは間違いなさそうです。以下のポイントがその主な要素です。
(いくつかの生成AI活用型検索サービスを一部活用してまとめてみました。)
業務効率化
MCPを利用することで、AIが企業内のさまざまなデータソース(Google Drive、Slack、GitHubなど)に直接アクセスし、情報をリアルタイムで取得・分析できます。これにより、従来のようにデータを手動で抽出して加工する手間が省け、業務プロセスが大幅に効率化されます。例えば、カスタマーサポートでは、AIが過去の問い合わせ履歴やFAQを瞬時に参照し、迅速かつ的確な対応が可能になります
コスト削減
MCPは事前構築されたサーバーを利用することで、新たなデータソースを接続する際の開発コストを大幅に削減します。特に中小企業では、高額なシステム開発費用が障壁となることが多いですが、MCPを導入することでこれらのコストを抑えつつ、高度なAI機能を活用できるようになります810。
セキュリティとプライバシーの向上
MCPはデータのアクセス制御を強化し、企業が機密情報を安全に扱える環境を提供します。データはローカルに保持され、必要な情報のみをAIに提供することでプライバシーが保護されます。この点は特に重要であり、多くの企業がAI導入に対して抱える不安を軽減します。
柔軟性と拡張性
MCPはオープンソースとして提供されているため、企業は自社のニーズに合わせてカスタマイズや拡張が可能です。また、新しいツールやデータソースへの対応も容易であり、ビジネス環境の変化に迅速に適応できます。
またMCPサーバをコンテナ化する方も登場しています。設定の利便性を上げたり環境も汚さずに済むということでこちらも注目です。
多方面にこの規格を活用する様々なアイデアが登場することは間違いありません。
継続的にウォッチしていければと思います。