はじめに
Amazon Connectとは、クラウド上にコールセンターを安価に構築できるサービスです。
普通にコールセンターを作ろうとするとPBXという高額な機械が必要ですが、Amazon Connectであれば初期費用ゼロで構築できます。
運用費は従量課金で安く (3,000ー4,000円/月) 利用できます。
固定電話不要で、ブラウザとマイクがあれば、電話として使えるのも特徴です。
また電話だけでなく、音声データを解析し、声紋認証や感情分析などができたり、CRM連携も標準で付いています。
本記事では、そんなAmazon Connectを実際に使うときに、知っておいた方が良い予備知識 (用語) を解説します。
対象読者
- はじめてAmazon Connectを触る方
- 用語の整理をしたい方
YouTube動画
文字だけでなく、動画での解説もしています。
興味のある方はこちらもみていただけると嬉しいです。
【YouTube動画】クラウド上にコールセンターを開設できるAmazon Connect入門!!
Amazon Connectの用語解説
Amazon Connectは以下のような構成で、電話の発信および着信ができます。
まず、用語について解説した後に発信・着信時の処理の流れをみていきます。
電話番号
Amazon Connectでは、インスタンスを作成すると、050番号、0120番号、080番号などを取得できます。
電話番号は枯渇しやすいので、取得できない場合はサポートに連絡する必要があります。
問い合わせフロー
問合せフローは電話番号を受信した時にどういう処理をするか設定できます。
デフォルトでいくつか使えるフローもありますし、自分で新しく作ることもできます。
設定はGUIででき、Lambdaを起動したり、音声データを録音したり、解析したりできます。
キュー
キューは発信や着信を一時的に保持するために使います。
ユーザーはどこかのキューに属し、キューに入った電話が割り振られて、ユーザーに着信します。
ルーティングプロファイル
ルーティングプロファイルはキューの優先順位を決めるために使います。
ユーザー (エージェント, オペレーター)
電話対応する人のことです。
ユーザーは1つのルーティングプロファイルしか持てないため、ルーディングプロファイルとユーザーの関係は1対nです。エージェントとも呼ばれます。
セキュリティプロファイル
セキュリティ上の権限のことで、ユーザーをadminやoperatorといったグループに分け、各グループに対して権限を設定できます。ユーザーとセキュリティプロファイルはn対1の関係になっています。
アウトバウンド
コールセンターは電話の受信だけでなく送信もでき、これをアウトバウンドといいます。
ルーティングプロファイルはデフォルトのアウトバウンドキューを1つ設定できます。
そのルーティングプロファイルに所属するユーザーが電話をかける場合は、その番号を使って発信します。
また、キューにもアウトバウンドの電話番号を1つ設定できます。
Amazon Connectの処理の流れ
発信時・着信時で処理の流れが異なるので、2つに分けて解説します。
発信時 (お客様 -> ユーザー(エージェント、オペレーター))
お客様が、ある電話番号に着信すると、電話番号に紐づいた問合せフローの処理が実行されます。
問合せフロー内でユーザーに割り当てるか、キューに割り当てるか設定できます。
ユーザーに割り当てた場合は、そのユーザーに電話がかかります。
キューに割り当てられた場合は、ルーティングプロファイルを元に優先順位付けされた後、ユーザーに電話がかかります。
また、ユーザーにはAgentやAdminなどのRoleがあり、それに対応する権限がセキュリティプロファイルで設定されています。
着信時 (ユーザー(エージェント、オペレーター) -> お客様)
ユーザー (エージェント, オペレーター) があるお客様に着信すると、ユーザーの属するキューからお客様に向けて着信されます。
この場合にも、間にコンタクトフローを挟み、Lambdaを実行したり、録音したりができます。
まとめ
今回は、Amazon Connectを設定する前に知らないと挫折する用語に関して説明しました。
少しでも用語が整理できればなと思います。