エイプリールフールネタに突っ込むのもあれなのですが、計算式が想定できたので共有
なんと「2531年には全員佐藤さん」というニュースがエイプリールフールに流れた。論文?プレゼン?の元ネタがみつからないが、ニュースサイトにのった記事からどういう計算ロジックなのか想像してみた。
前提
- 佐藤さんは全体の1.53%を占める
- 2022年から2023年の伸び率は1.0083であった
実装
人類の偉大なる発明の一つ「複利」でこの伸びを計算する。
satou_rate=1.53
satou_growth=1.0083
def satou(year):
return satou_rate * satou_growth ** (year-2022)
値の計算
2022年から2550年までの計算を行う。
import numpy as np
x = np.arange(2022, 2550)
y = satou(x)
グラフ化
import matplotlib.pyplot as plt
plt.plot(x, y)
plt.hlines(100, xmin=2022, xmax=2600, color="red", linestyles='dashed')
plt.hlines(50, xmin=2022, xmax=2600, color="red", linestyles='dashed')
plt.vlines(2446, 0, 100, color="red", linestyles='dashed')
plt.vlines(2531, 0, 100, color="red", linestyles='dashed')
plt.show()
出力
2446年が50%で、2531が100%になるグラフが作れた。
ついでに、2550年には120%になる、波動砲の充填率もびっくりな数字がつくれた。
夫婦別姓だとどうなるか?
夫婦別姓であっても、通常子供は1つの姓しかとらないから理論上は関係がない。しかし、ここでは別姓をとると、子供2人生まれ、それぞれ別の姓を取るという前提にたてば姓を残すことができる。
新計算式
夫婦同姓を望むのは39.3%。佐藤さんが増えるのは夫婦同姓のときだけだから(=2人の子供が全員佐藤さんになる場合だけだから)、増加率は
$$
1 + 0.0083 * 0.393 = 1.003262
$$
になる
夫婦別姓のときの計算
betusei_growth = 1 + (satou_growth-1)*0.393 # 別姓のときだけ佐藤さんは増える
def betusei_satou(year):
return satou_rate * betusei_growth ** (year-2022)
グラフ化
import numpy as np
x = np.arange(2022, 3350)
y = betusei_satou(x)
plt.plot(x, y)
plt.hlines(100, xmin=2022, xmax=3350, color="red", linestyles='dashed')
#plt.hlines(50, xmin=2022, xmax=2600, color="red", linestyles='dashed')
plt.vlines(2531, 0, 100, color="red", linestyles='dashed')
plt.vlines(3310, 0, 100, color="red", linestyles='dashed')
plt.show()
3310年に100%になるグラフが作れた
宿題
詐欺師の方へ
- 詐欺を行う場合は、数字を使うとうまくいくという事例としてよく学ぼう
データサイエンティストへ
- 一体、どこで道を踏み外したのかロジックがおかしいところを指摘してみよう
- 新しい姓がつくられないので次第に姓が減ること自体は明らかだが、具体的にいつ佐藤さんがいっぱいになるのか計算してみよう
- エイプリールフールとはいえ、適当に作ったデータが力を持ってしまうことについて倫理的面から同僚と議論してみよう
その他
既存研究
http://mzsmlab.blog.fc2.com/blog-entry-639.html
によれば、苗字というのはどうしてもへっていくものらしく、1874年にガルトン=ワトソン過程として数学的モデルが存在するらしい。これを応用して計算してみるのもいいだろう。
マジもんだったらしい
4月1日ものかとおもえば、3月20日のマジモンだったらしい。
離婚したケースなど、もうすこし詳細化してあるけれど考え方は想定どおり。うーむ。想定が当たったのがいいのか悪いのか。