はじめに
この記事は、 ソフトウェアテスト Advent Calendar 2023 の22日目の記事です。
ドヤりたかったことは 会社のアドベントカレンダーの方 に書いたので、この記事では、今年6月に転職 & Software Engineer in Test(以下SET)にポジションチェンジしたことと、自社に限らずQA界隈全体でSETを増やしていくために考えてること(ポエム)を書いていきたいなと思います。
DEV→SETへの転職活動、意外と苦戦した
背景
前提条件
- 元々は開発運用やナンチャッテPMを5~6年していたエンジニア。転職を機にSETへのポジションチェンジを希望。
- 転職サイト上での企業からのDM、転職エージェント2名(2021-12 ~ 2022-04)+1名(2022-08 ~ 2022-12)を利用。
時系列
年月 | 計画 | 実際 |
---|---|---|
2021-12 ~ 2022-02 | カジュアル面談をこなして本選考に進む会社を選ぶ | 計画通り |
2022-03 | 本選考・オファーレターをもらう | 本選考全て全滅 |
2022-04 | 内定受諾 | 心折れて1ヶ月間転職活動お休み |
2022-05 ~ 2022-08 | 引き継ぎ・有給消化 | カジュアル面談だけ実施、前年から勉強していたAWS SAAを取得 |
2022-09 | 転職! | 同上 |
2022-10 ~ 2022-11 | 転職先で働く | 本選考を数社受けるも駄目ッ… |
2022-12 | 同上 | 現職からDMを受け取り、1ヶ月でカジュアル面談から内定受諾 |
2023-01 ~ 2023-05 | 同上 | 引き継ぎ・有給消化 |
2023-06 | 同上 | 転職! |
選考成績
- エージェントから紹介を受けるもカジュアル面談お断られ: 10社
- カジュアル面談後の書類選考落ち: 7社
- 1次選考落ち: 7社
- 2次・最終選考落ち: 4社
- 内定: 2(?)社
- 実はカジュアル面談のつもりが一気に内定出た(?)企業が一社あったけど、そちらは辞退した
反省
敗因
- 経験不足・スキル不足とみなされたことが多い
- 35歳前後でどうしても即戦力としての役割が求められるのに、サーバーサイドの開発経験のみで、レビューはしてたけどQA経験は無いし、CI/CDのインフラ構築やE2Eテストは組んだことなかったため、数少ないSETとして雇うには不安だったようだ。
- いくつかの会社には、社風に合わない"ブリリアントジャーク"とみなされたっぽい。
- スキル不足なのだから、正確にはただのジャークとみなされた。イキってるだけの雑魚である。
- これはもう縁がなかったと諦めるしかないと思ってる。
勝因
- さっぱりわからない。
- 今の会社のCTOと最終面談してるときは、「話がロジカルですね」と言われたのは覚えてる。
転職する人に向けて
- ぶっちゃけ縁だと思うので、気軽に受けて数こなすのが良いと思うよ。
- 会社を変えるのとポジションを変えるのは、同時にやらないほうが良いかも。どちらかからやる方が勝率は上がるような気がするよ。
ポエム: SETを増やすには?
転職市場にSETいない問題
どのQAチームも、SETの確保に頭を悩ませていると思います。なかなか良い候補者が応募してくれないという誰もが持つ悩みですが、それもそのはず、 そもそも転職の意志があるエンジニア自体、数が限られる のですから。ただでさえ母数が少ないのに玉石混交なのですから、良い候補者が応募してくれないのは当然で、良い人材は取り合いになるものなのです。ちなみにこの話題は、人事をやってる同僚の けんさんの記事や講演 で詳しく述べられています。ぜひご覧ください。
SET候補を社内から探せ
その時彼女はこう言い放ったそうです。
「外にいなければ、内を探せばいいじゃない」
民明書房刊『マリー・アントワSET 回想録』
転職市場にSET候補がいないならどうすればいいか。社内の開発チームからテスティングに興味があるエンジニアを引き抜くのが良いと、私は思います。QAチームのヘッドカウント1人分を開発チームに渡してエンジニアを増やしてもらう代わりに、まずはテスト自動化のタスクを開発チームに渡す。そのタスクに興味を持って取り組んでくれて、自学自習で技術習得できるエンジニアが現れたら、SETとしてQAチームに異動してもらう。これならQAチームが候補者の技術力を測る必要はなくなりますし、開発チームにとっても(一時的に)人数が増えてハッピ~になるのかなと思っています。
もちろんテスティングに興味がある開発エンジニアなんてそうそういないですし、QA方面に開発のキャリアが活かせる道があるなんて思いもしないでしょうから、SETというキャリアパスがあることを開発チームの方々に向けてQAチームが定期的に紹介する必要があります。話の流れとしては、QAのキャリアパスとしてQMファンネルが考案されていることを紹介しながら、その一つとしてパイプラインエンジニア(=SET)というキャリアがある旨を紹介すれば良いと思います。
SETは、社内ではなく界隈で育てていきたいね
SETをじゃんじゃん育成できればよいのですが、他の部署から見れば同じQAチームでも、QMファンネルで提唱されている他のロールとは専門性が異なります。SETを育成するための知識不足から、育成したくてもできないというケースが大半だと思います。おそらく育成できるのは、SETの独立チームを持つ一部の会社さんだけでしょう。
そこでおすすめしたいのが、社外勉強会です。聴講でも良いからこういった勉強会に積極的に参加することで、SETとして必要な知識を吸収して会社に持ち帰るのが、初手としては一番楽じゃないかなと思います。例えば自分は以下の情報源に頼ってます。他にあったら私にも教えて欲しいwとりあえず来年の DevOpsDays Tokyo は初聴講してみます。いずれ自分もE2Eのハンズオンみたいなイベントでアシスタントとかで手伝いたいな。
- テスト・QA関連イベントカレンダー ←伊藤さんに感謝!
- JaSST
- テスト自動化カンファレンス
- QUES
- connpass ←ファインディさんやタイミーさんのイベントが面白い印象ある
SETを育成するエコシステム、みんなで作っていきたいですね。