はじめに
M1チップ搭載のMac miniを購入したため、記事を更新しました。アーキテクチャの変更に伴ってLaTeXのインストールにも多少変更がありましたが、ほとんどこれまでと同様にLaTeXをインストールすることができます。
事前にCommand Line Tools, homebrewをインストールしてあるものとしています。
環境
- macOS Big Sur 11.0.1 (20B29)
- Xcode 12.2
- Homebrew 2.6.0 (arm64)
Ghostscriptのインストール
既にarm64対応がされているため、Homebrewでインストール。
brew install ghostscript
BasicTeXのインストール
BasicTeXはMacTeXからGUIアプリケーション・ドキュメント・を排除したパッケージ(200〜300MB)である。
インストーラはMacTeXやミラーサイトからダウンロードできる(BasicTeX.pkg)。
なお、TeXを利用するためには/Library/TeX/texbin
にパスを通す必要があるが、上記のインストーラによって自動的にパスが設定される(/etc/paths.d
に追記される)ので、手動で行う必要はないと思われる。
ARMバイナリ(Universal)のインストール1
そのままではx86_64版のみがインストールされている状態なので、ARM対応版バイナリ(Universal)をMacTeXのAbout ArmのBasicTeX-2020-Universal.pkgをインストールする。
標準パッケージをアップデートする
TeXLiveのパッケージマネージャであるtlmgr
から付属パッケージの更新をしておく。
sudo tlmgr update --self --all
latexmk
のインストール
BasicTeXには自動タイプセットを行ってくれる latexmk
が含まれていないようなので、tlmgr
からインストールしておく。
sudo tlmgr install latexmk
日本語環境に必要なパッケージをインストール
uplatex
/platex
やIPAフォントなどの日本語TeX環境に必要なパッケージをまとめたパッケージ collection-langjapanese
をインストールする。
sudo tlmgr install collection-langjapanese
ここまでの作業で日本語における最小限のLaTeX環境は(一応)整う。以下は必要に応じてインストールするべきパッケージのインストールについて扱う。
タイプライター(等幅)書体のインストール
\texttt{}
や url
, listings
, verbatim
環境などの等幅フォントを出力する箇所でエラーが起こるため、Courier書体のパッケージをインストールする。
sudo tlmgr install courier
jlistingsをインストール
listings
環境中の和文フォントを綺麗に出力するため、 jlisting.sty
をインストールする。
https://osdn.net/projects/mytexpert/downloads/26068/jlisting.sty.bz2/ からダウンロードしてきたディレクトリ(たとえば~/Downloads
)に移動して、以下のコマンドを実行する2。
cd ~/Downloads
bunzip2 jlisting.sty.bz2
sudo mv jlisting.sty /usr/local/texlive/2020basic/texmf-local/tex/latex/listings/
sudo mktexlsr
texmf-local
以下のディレクトリが存在しない場合には自分で作成してください。
cd /usr/local/texlive/2020basic/
sudo mkdir -p texmf-local/tex/latex/listings
あとがき
思いのほかApple Silicon Macにもすんなりインストールできました。
先哲に感謝。