アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン
第1部は導入部、第2部は事例、第3部は48のパターン
組織文化
組織は十分な柔軟性をもっていなければいけない。
スティーブン・コヴィーは「7つの習慣ー成功には原則があった!」で、こんな話を紹介している。
ある男が一生懸命木を切っている。
「何しているんですか」
「見ればわかるだろう。この木を倒そうとしているんだ」
「すごく疲れているようですが・・・。いつからやってるんですか」
「かれこれ5時間だ。くたくたさ。大変な作業だよ」
「それじゃ、少し休んで、ついでにそのノコギリの刃を研いだらどうですか?そうすれば、仕事がもっと早く片付くと思いますけど」
「刃を研いでる暇なんてないさ。切るだけで精一杯だ。」
残念ながら、効率化や品質改善の新しい方法を学ぶ時間など、なかなか取れないのがふつうだ。
現実には、どれだけ強い熱意があっても、先行投資なくして、変化は起こらない。
どんなに保守的な文化の中でも小さな変化は起こりうる。
しかし、そのスピードは遅く、変化を待つ忍耐力は、より多く必要になる。
パターンフォーマット
- パターン名
- はじめに
- 要約
- 状況
- 問題
- フォース
- 解決方法
- 結果状況
- 使用例
48のパターン
各パターンを独断で適当にまとめた文章を書きます。
大体、要約を書いてます。
1. エヴァンジェリスト
新しいアイデアを組織に導入しはじめるなら、あなたの情熱を共有するため、できる限りのことをしよう。
エヴァンジェリストというのは、アイデアを組織の実際の変化につなげられる人のことなのである。
自分の理念に確信がなければ、他人を納得させるのは難しい。
2. 小さな成功
挑戦していることや組織法変革の取り組みで、やるべきことの多さに飲み込まれないように、たとえ小さな成功であってもお祝いしよう。
最終的なゴールにたどり着くのは、すごく困難な道になります。
短期的な勝利、小さな成功をすることで自信をつける。
小さな成功を繰り返すことで、信頼を得られる。
3. ステップバイステップ
目標に向かって一歩一歩進めていくことで、組織変革の膨大な作業へのいらいらを和らげよう。
できることから、少しずつやる。
抵抗の少ないことから、やりはじめて少しずつ変えていく。
4. 予備調査
自分のアイデアを説明するのと同じくらい、勧んでほかの人の意見に耳を傾けるべきだ。
5. ふりかえりの時間
正しく行ったことより、正しく行えなかったことからより多く学ぶ
会社が改善のための新たなアイデアを得るには、一歩下がって、やってることをふりかえればよい
6. 協力を求める
人は誰でも、助けを必要としている。
よく「自分だけでやった方が早い」などと考えがちだが、他者を巻き込むことで単なる協力以上の利点を得ることができる
必要なときはできる限りたくさんの人に協力を求めよう。
7. ブラウンバック・ミーティング
日常のランチタイムを、新しいアイデアを聞くための手軽で気軽な場として活用しよう。
ランチミーティングですね。
8. コネクター
イノベーションのことを広く伝えるため、組織内にたくさんのコネクションをもつ人の協力を求めよう。
9. 何か食べながら
食べ物を持ち込んで、いつもの集まりを特別なイベントにしよう。
食べ物は、ただのミーティングをイベントに変えるのだ。「食事をともにするという行為は、それだけで友情と親交の証となるのである」
10. 電子フォーラム
もっと話を聞きたい人のために、電子掲示板、グループメールアドレス、メーリングリスト、書き込み可能なウェブサイトを用意しよう。
11. アーリーアダプター
新しいアイデアのオピニオンリーダーになりうる人々の協力を勝ち取ろう。
12. 外部のお墨付き
新しいアイデアの信憑性を上げるために、外部の情報を組織内に紹介しよう。
13. グループのアイデンティティ
変化のための活動にアイデンティティを与える。
グループに名前をつける。
グループがミッションステートメントとグループの目的を書くと決めたなら、書いたものを誰でも見える場所に掲げよう。
14. 達人を味方に
組織のメンバーに尊敬されているシニアレベルの人々にサポートを求めよう。
15. 空間を演出する
思い出すきっかけがなければ、新しいアイデアは忘れ去られてしまう
ホワイトボードにタスクの付箋を貼るとかですね。
16. イノベーター
変化への活動を始めるときは、新しいもの好きな同僚の助けを求めよう。
17. やってみる
新しいアイデアに関する話を広める前の準備段階として、まずは自分の仕事に使ってみて、そのアイデアの利点と限界を見極めよう。
18. 感謝を伝える
感謝の気持ちを表すため、あなたに協力してくれたすべての人に、できるだけ誠実に「ありがとう」と言おう。
19. 次のアクション
イベントの最後のほうで、新しいアイデアに対し、参加者が次に何ができそうかを確認する時間をとろう。
望ましい未来の明確な見通しを得てやる気になっていたとしても、次に何をすべきかわからなければ、進歩はわずかしかない。
20. 個人的な接触
新しいアイデアの価値を納得させるため、その人にとってどれだけ有用で、価値のあるものなのか示そう。
変化するのは一度に一人だけだ。
相手と話をする前に、個人のニーズを理解する時間を設けよう。
21. 便乗
新しいものを導入する戦略が障害にぶつかったときは、組織の慣習に便乗する方法を探そう。
22. 種をまく
興味をかきたてるために、機会のあるときに資料(種)をもっていって、それらを見せる(蒔く)ようにしよう。
人は最新のバスワードを理解しておきたいものだ。
23. 適切な時期
イベントの時期を決めたり、誰かに助けを求めるときには、タイミングをよく考えよう。
24. 定期的な連絡
一度、キーパーソンに支援を求めたら、彼らのことを忘れてはならないし、あなたも忘れられないようにしよう。
25. 勉強会
あるトピックについて継続的に探求したい、学びたい同僚を集めて、小さなグループをつくろう。
26. テイラーメイド
新しいアイデアで得ることができる価値を組織内の人々に納得させるため、組織のニーズに合わせてあなたのメッセージをつくろう。
イノベーションは、格好がよくてはやりのものだからよいのではなくて、それが「有用」だからよいのだ。
27. 著名人を招く
変化への取り組みがもっと注目されるよう、優れた経歴をもつ人を招いて、新しいアイデアについて語ってもらおう。
28. 経営層の支持者
イノベーションと組織の目標が連携しやすくなるよう、経営層からの協力を得よう。
29. 正式な推進担当者
新しいアイデアの組織導入の仕事をもっと効果的に進められるよう、担当業務の一部に組み入れることを提案しよう。
マネージャーはメトリクスに関心をもっている。
30. アーリーマジョリティ
組織において、新しいアイデアに注力する方針を確立するには、マジョリティー(大多数)を納得させなければならない。
31. 達人のレビュー
マネージャーやほかの開発者向けの新しいアイデアを評価してもらうために、味方となった達人や、関心をもっている同僚を集めよう。
32. 体験談の共有
新しいアイデアの有用性をわかりやすく示すために、うまくいった人には経験の共有を促そう。
人気があり、尊敬されている人に話してもらおう。
33. みんなを巻き込む
新しいアイデアが組織全体で成功を収めるには、誰もがイノベーションを支える機会をもち、それぞれに貢献できるようにすべきだ。
34. ちょうど十分
新しいアイデアの難解なコンセプトを周囲の人に理解してもらうには、まずは簡単なイントロダクションから始め、受け入れ側の準備が整ってから追加の情報を伝えるようにしよう。
35. 身近な支援者
現場のマネージャーに協力を求めよう。直属の上司が新しいアイデアの導入活動を支持してくれれば、もっと効率的に活動できる。
36. 場所重要
割り込みが入ってイベントの流れを断ち切られる事態を避けるために、仕事の現場を離れて重要なイベントを開催しよう。
37. メンター
プロジェクトに新しいアイデアの導入を始めたいなら、そのアイデアを理解していて、チームを手助けできる人に来てもらおう。
38. 謁見
組織の管理者やメンバーが、著名人を招く(27)の招待者と一緒に過ごす時間をお膳立てしよう。
39. 相談できる同士
厳しい状況のとき必要以上に落ち込まないよう、新しいアイデアの導入で、同じように困ってる人たちと話す機会を見つけよう。
40. 成功の匂い
あなたの取り組みがなんらかの目に見える結果を残した時、あなたと話したがる人がぞろぞろ現れるだろう。
その機会を活かして教育に力を入れよう。
41. 勢いの持続
組織内で新しいアイデアに対する興味を持続させる、という現在進行形の仕事にアプローチしよう。
42. トークン
新しいアイデアを人の記憶に生かし続けるために、伝えた話題に紐付けられるトークンを渡そう。
43. 橋渡し役
新しいアイデアをすでに受け入れた人を、まだ受け入れていない人と引き合わせよう。
44. 懐疑派代表
あなたのアイデアに懐疑的なオピニオンリーダーに「公式な懐疑派」の役割を演じてもらうよう、協力をお願いしよう。
彼らの懐疑的な姿勢を変えられないとしても、あなたの取り組みを改善するためにその意見を活かそう。
45. 根回し
重要な決議が行われる前に、意思決定者や影響力のある人々に非公式に接触し、それぞれの意思決定の先に何が待っているのか、
彼らが十分に理解しているかどうか確かめよう。
46. 恐れは無用
抵抗勢力を新しいアイデアの強みに変えよう。
抵抗勢力がまったくいないと、自分一人で正しさを100%証明しないといけない。
47. お試し期間
組織が新しいアイデアの導入に前向きでない場合、少しの間だけ試験的に使ってもらい、その結果を観察することを提案しよう。
48. 将軍の耳元でささやく
集団の場ではマネージャーを説得しにいくことがある。その場合はほかの人がいない場を設定して、懸念点を教えてもらう。