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【R】ガチできれいなTableを作れるgtパッケージとは?

Last updated at Posted at 2020-02-02

はじめに

この記事はきれいなTableを作るためのパッケージgtについての解説記事になります。対象者としては、

  • いままでRを使ったデータ解析をしてきた人
  • Rの(特にtidyverse)の美しい描画システムになれてしまった人
  • 宗教上の理由でExcelが使用できない人、嫌いな人
    を想定しています。

苦悩

Hadley信者の皆さんは今日も恐らくtidyverse脳になりながらデータ解析やきれいなグラフをバシバシ作っていることと思います。しかし、見せる用の表づくりとなると結構難しいところがあります。
私も、「tidy dataから必要なグラフはできたし、検定も行った。でも表がなんか物足りない...」「結局、ボスに見せるときはExcelでセル結合して表を作らないといけないのかなぁ...」などと思っていました。今までは

gt、やばい

そんな折、gt パッケージ {gt} に出会いました。このパッケージは、data.tableやtibbleと言った表データを元に、gt オブジェクトなるものを介して見栄えの良い表をhtmlLataxで作る事ができるパッケージ群になっています。
gtとは"Grammar of tables"の略であり(ガチの略ではない)、"Grammar of Graphics"を標榜するggplotの表バージョンを目指しているそうです。
コンセプトとしては、**Easily generate information-rich, publication-quality tables from R (出版に耐えうる情報豊富なTableを簡単にRで作ろうや)**となっています。

image.png
from 公式ホームページ

このパッケージ、はっきり言ってすごいです。まずはこちらをご覧ください。
image.png

**美しい...**まるでTable版ggplot2ではないか...

さらに、下の図を見ていただけるとわかるのですが、このTableかなり細かいところまで弄ることができます!
image.png

関数一覧

image.png

from 公式ホームページ
今まで、データの前処理をtidyverseのパッケージ群で行った後、Tableを人間に見やすいよう整えるためにExcelでまとめたりしていました。
しかし、このパッケージのおかげで前処理 → グラフ出力 → 生データを見やすいようにTable整形という一連の流れをすべてR上で行えるようになりました。
まだまだ発展途上のパッケージですが、布教も兼ねて解説記事を作製しました!

解説動画もあるよ

ここの動画で解説がされていますのでぜひご覧ください。凄さがわかると思います。

インストール方法

このパッケージはGitHubからinstallする必要があります。
source("https://install-github.me/rstudio/gt")

2020/04/09 追記
gt packageがv0.2にアップデートされ、CRANからのインストールが可能となりました!
install.packages("gt")と打ち込むことで自動的にinstallされます

テストデータとして、動画でも使われているexibbleが入っていますのでこれを使って実際に美しいTableを作って見ましょう。

実際の使い方

0. まずはデフォルトで

{exibble.R}
library(tidyverse)
library(gt)

exibble
# A tibble: 8 x 9
          num char       fctr  date       time  datetime         currency row   group
        <dbl> <chr>      <fct> <chr>      <chr> <chr>               <dbl> <chr> <chr>
1       0.111 apricot    one   2015-01-15 13:35 2018-01-01 02:22    50.0  row_1 grp_a
2       2.22  banana     two   2015-02-15 14:40 2018-02-02 14:33    18.0  row_2 grp_a
3      33.3   coconut    three 2015-03-15 15:45 2018-03-03 03:44     1.39 row_3 grp_a
4     444.    durian     four  2015-04-15 16:50 2018-04-04 15:55 65100    row_4 grp_a
5    5550     NA         five  2015-05-15 17:55 2018-05-05 04:00  1326.   row_5 grp_b
6      NA     fig        six   2015-06-15 NA    2018-06-06 16:11    13.3  row_6 grp_b
7  777000     grapefruit seven NA         19:10 2018-07-07 05:22    NA    row_7 grp_b
8 8880000     honeydew   eight 2015-08-15 20:20 NA                   0.44 row_8 grp_b

これにgt()を適用させるとtableが作製されています。

{table.R}
library(tidyverse)
library(gt)

exibble %>% gt()

Rplot02.png

もうなんか既にイイカンジになってますが、さらにきれいにしていきましょう。

1. グループ分け

{group.R}
library(tidyverse)
library(gt)

tab_group <- exibble %>% 
  gt(
  rowname_col = "row",
  groupname_col = "group"
  ) 

tab_group

Rplot04.png

group列に合わせてTableを2分割しました。ついでに各行をrowで分けています。

2. 数字の変更

num列の数字が少し読みにくいので、わかりやすい指数表記に変更しましょう。fmt_scientific()を使います

{fmt_scientific.R}

tab_scientific <- tab_group %>% 
  fmt_scientific(
    columns = vars(num),
    decimals = 2
  ) 

tab_scientific 

Rplot05.png

3. 日付の変更

日付のフォーマットはfmt_date()で変更できます。date_style = で様々なフォーマットに変えられます。

{date.R}

tab_date <- tab_scientific %>% 
  fmt_date(
    columns = vars(date),
    date_style = 13)

tab_date

Rplot01.png

ただ、日本語に対してはまだまだ微妙という印象です。(年は対応しているが日に対応していない、年月日の順番となるフォーマットが存在しない、など)

4. 通貨記号の追加

数値列に通貨記号を追加したい場合はfmt_currency()を使います。currency =で通貨コードを指定します。
例えば円マークなら...

{currency.R}

tab_currency <- tab_date %>% 
  fmt_currency(
    columns = vars(currency),
    currency =  "JPY"
  )

tab_currency

Rplot07.png

coconut 1円、durian6万円という意味のわからない状況になってますが、(動画では英ポンドdate_style = "GBP"で指定していました。)
小数点以下が四捨五入され、3桁ごとにカンマが打たれています。

5. 注釈の追加

表への注釈もできます。tab_footnote = でcell単位あるいはcolumn, row単位で注釈をつけることができます。注釈をつける条件も指定できるのでかなり便利。

{footnote.R}

tab_footnote <- tab_currency %>% 
  tab_footnote(
    footnote = "激安!",
    locations = cells_data(
      columns = vars(currency),
      rows = currency < 100 # 価格が100未満のものにのみ注釈
      
    )
  ) %>% 
  tab_footnote(
    footnote = "高い...!",
    locations = cells_data(
      columns = vars(currency),
      rows = currency > 10000 # 価格が10000より大きいのものにのみ注釈
      
    )
  ) %>% 
  tab_footnote(
    footnote = "果物の価格について",
    locations = cells_column_labels( # カラムにラベルとしてつける
      columns = vars(currency)
    )
  )
  

tab_footnote

Rplot09.png

6. NAの変更

このデータではNA(欠損値が)含まれています。これを別の文字に置き換えたい場合、fmt_missing()が有効です。例えば、 missing_text = "-"とすることで、NAをハイフンに置換できます。

{NA.R}
tab_NA <- tab_footnote %>% 
  fmt_missing(columns = everything(),
              missing_text = "-")

tab_NA

image.png

columns = everything()を指定することで全カラムについてのNAをハイフンに変えています。

7. タイトルの作製

かなりいい感じになってきたのでタイトルを付けましょう。タイトルはtab_header()で加えることができます。しかも、md()関数を用いてでmarkdown形式で書くことにより_斜体_や太字にも対応しています!

{Title.R}

tab_Title <- tab_NA %>% 
  tab_header(
    title = "Table",
    subtitle = md("きれいな*Table*は**gt パッケージ**で決まり!")
  )

tab_Title

Rplot11.png

8. pdfで保存

完成したらgtsave()で保存! png, htmlおよびpdf(Latexが必要)での出力が可能です。

{saving.R}
gtsave(tab_Title, "完成品.pdf")

さいごに

いかがでしょう?かなり見た目の良いTableを出力できたのではないでしょうか。本パッケージは洗練されるべき余地を残していますが、現行でも十分扱いきれるパッケージだと思います。皆さんもgt packageで楽しいTable整形lifeを送りませんか?

参考文献

https://github.com/rstudio/gt
https://www.rdocumentation.org/packages/gt/versions/0.1.0
https://resources.rstudio.com/rstudio-conf-2019/introducing-the-gt-package

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