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Linuxエミュレーション

Last updated at Posted at 2018-12-20

MIPS SOCのメーカーからGPLのコードと一緒に提供されるtoolchainのバイナリはすべてLinux用なのでFreeBSDではそのままでは使えません。最近だと仮想マシンでLinux環境を用意する人が多いかもしれませんが、私は貧乏なので仮想マシンを借りる事ができません。

昔はgccやbinutilsをビルドする事を試していましたが、これ自体が大仕事になり、最近はFreeBSDのLinuxエミュレーションでLinux用のtoolchainを使っています。

以下のような物をFreeBSD/amd64上でビルドしています

  • RedBoot
  • u-boot
  • 蟹さんのブート
  • rtlbm-mruby
  • bcmbm-mruby

ほとんどのtoolchainはi386(32bit)のgcc 4です。gcc 4は偉大で既存のコードをビルドしてもほとんどコンパイルエラーが出ません。

蟹さんはlexraでインストラクションがmipsと違うところがあるようなので、普通にgccをビルドしてもダメだと思います。また蟹さんのtoolchainはなんだかよく分からないコンフィグレーションになっています。

FreeBSDのpkgでmips用gcc 6をインストールしてみて、newlibをコンパイルしようとしたら、気が遠くなるほどエラーが出てあきらめました。

それぞれの開発環境はjailの下においているのですが、Linuxエミュレーションを使う場合は親のホストで以下を実行します。

% sudo kldload linux

いつも使うのであれば/etc/rc.confに以下を書いておくと良いです。

linux_enable="YES"

jailの中では以下を実行しておきます。

% sudo pkg install linux_base-c6

linux_base-c6はCentOS6相当でlinux_base-c7がCentOS7相当のようです。

これでgccなどが使える状態になります。

 % file mipsel-linux-uclibc-gcc
mipsel-linux-uclibc-gcc: ELF 32-bit LSB executable, Intel 80386, version 1 (SYSV
), dynamically linked, interpreter /lib/ld-linux.so.2, for GNU/Linux 2.2.5, stri
pped
% ./mipsel-linux-uclibc-gcc -v
Using built-in specs.
Target: mipsel-linux-uclibc
Configured with: /home/gracecsm/toolchains/src/toolchains/linux-2.6/buildroot/to
olchain_build_mipsel/gcc-4.2.3/configure --prefix=/projects/hnd/tools/linux/hndt
ools-mipsel-linux-uclibc-4.2.3 --build=i386-pc-linux-gnu --host=i386-pc-linux-gn
u --target=mipsel-linux-uclibc --enable-languages=c,c++ --disable-__cxa_atexit -
-enable-target-optspace --with-gnu-ld --with-gmp=/home/gracecsm/toolchains/src/t
oolchains/linux-2.6/buildroot/toolchain_build_mipsel/gmp --with-mpfr=/home/grace
csm/toolchains/src/toolchains/linux-2.6/buildroot/toolchain_build_mipsel/mpfr --
enable-shared --disable-nls --enable-threads --disable-multilib --with-abi=32 --
with-tune=mips32
Thread model: posix
gcc version 4.2.3

toolchainのpathはそれぞれ違うので、.cshrcとかには書かずに個別にファイルに書いておいてsourceして設定しています。

スピードもネイティブとほとんど変わらない気がします。newlibはもともとすごく時間かかるんですが、コンパイラーのコンフィグレーションにもよっていて、蟹さんのツールチェインだとすごく時間かかるんですが、これはエミュレーションの問題ではないと思います。

toolchainを使ったビルドにはmakeコマンドを使うのですがifの書き方がGNU makeとBSD makeで違います。Linuxエミュレーションを使っていながらBSD makeに依存するのはちょっと変な気がしたので、両方で使えるように以下のようにしました。

# Default configuration is 'RTL8196C'
TARGET = RTL8196C

include $(TARGET).mk

RTL8196C.mkとRTL8196E.mkにそれぞれの設定を書いておいて、そのままビルドするとRTL8196CでビルドされますしRTL8196Eでビルドしたい場合は、以下のようにします。

% make TARGET=RTL8196E

まったく問題なく大変便利です。この話をある人にしたら「Linuxでいいじゃん」と言われてしまいましが、やっぱりBSDが好きなんですよね。

追記:

gdbを実行したところlibexpat.so.0が無いとエラーになります。いろいろ調べたところ、linuxのexpatのpkgがありました。

$ pkg install linux-c6-expat

ところがこれでインストールされるのはlibexpat.so.1でした。しかたなく/compat/linux/libでlibexpat.so.0のシンボリックリンクを作りました。

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