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シリアル昔話

Last updated at Posted at 2016-08-30

87年の「最新マイコン周辺LSI規格表」を見ると以下のようなチップが掲載されています。

名称 型名 社名
UART (Universal Asynchronous Receiver Transmitter) IM6402/6403 Intersil
ACIA (Asynchronous Communications Interface Adapter) MC6850 Motorola
MPSC (Multi Protocol Serial Controller) μPD7201A NEC
SCC (Serial Communication Contoller) Z8030 Zilog
UART (Asynchronous Communication Element) INS8250 National Semiconductor
USART (Universal Synchronous Asynchronous Reciver Transmitter) 8251A Intel
SIO (Serial Input/Output Controller) Z8440-Z8442 Zilog
SPCC (Serial Parallel Combination Controller) LH8572 Sharp

当時はCPUを作っているZilog,Intel,Motorola,National Semiconductorがそれに合わせてシリアルのチップも作ってました。それ以外の会社はCPUはOEMしてシリアルは独自に作っているというような感じだったと思います。当時は国内では8251が使用される事が多く、米国でのAT互換機はINS8250系でした。SCCは昔のMacintoshで使われていました。MacintoshはRS232ではなくRS422なインターフェースでした。INS8250は後にNS16450などになり機能拡張されていきます。2000年以降にリリースされたMIPSやARMなSOCのシリアルはこのINS8250系のインターフェースがほとんどです。他のチップは絶滅してしまったと思います。皮肉な事に唯一残ったINS8250系のオリジナルのNational Semiconductorはコンピュータ関係はやってないんじゃないかな。

NECの7201は後継として72001というチップがあったようです。

Intelの8251の初期化は0を数回送った後にリセットコマンド(0x40)を送りそのあとにモードの設定を送ります。モードの設定には非同期の場合、キャラクタ長などがあります。その後コマンドの設定を送ります。モードの再設定はまた0を送るところからになります。Intelの周辺チップとしては古い方と思われ、仕様が古い感じがします。

8251と8250はたまたま連番になってるだけで関係無いと思われる。また8250の方が後に開発されたもののようだ。マイコンの初めの8Bitの頃はIBMはPCをやってなかったのが80年台にはいってから16BitのPCに乗り出しそれで使われたのが8250だったので、海外では8250はポピュラーのようだ。

追記:National SemiconductorはTIに2011年に買収されていました。Zilogはかなり前に無くなったし、Motorolaは分社化されてFreescaleになっています。NECはルネサスになってちょっと元気になって、先日ルネサスがIntersilを買収するという報道がありました。Intersilはかなり前にマイコンからは手を引いて、パワーエレクトロ関係の会社になっているようです。Sharpは大変な事になってます。8251なんかは失敗の部類でしょうが、Intelは不死身ですね。

当時はいろいろあって面倒と思っていましたが、無くなってしまうとなんか寂しい気もしてきます。

余談ですが、Macintoshのシリアルは2ポート用意されモデムへの接続やプリンタへの接続にも使っていました。当時はプリンタはセントロニクスを使う事が多かったのですが、Appleはセントロニクスは採用しませんでした。パラレルインターフェースはSCSIだけという割り切りの良さが当時のAppleのセンスの良さを感じます。その他にローカルネットワークのAppleTalk(LocalTalk)にも利用されていました。AppleTalkではファイル共有やプリンター共有ができていました。またMIDIへの変換も小規模な回路で実現できApple純正のMIDIインターフェースも存在していました。

IMGP0335.JPG

こちらも余談ですが、90年前後の関西電機のシリアルパラレル変換を開けてみました。Macにセントロニクスなプリンターを接続するための変換ケーブルでした。この頃は8051系のワンチップマイコンにプログラムを書き込んで実現していたようです。最近だとFT245とかPL2305などのワンチップでできたりします。ハードよりソフトの方が応用が効くのでハードでやってる事もソフト化するのかと思っていたらこれは逆でした。

写真(2018-05-17 07.06) #2.jpg

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