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カレントを考える

Last updated at Posted at 2017-03-08

電子工作で使う電力などたかがしれていますが、ちりもつもれば山となるで、リスクが大きすぎる原発を一基でも止められるように、日々いろいろ考えています。間違いがあれば指摘してください。

電子工作した機器の電源は以下のようなものが考えられる。

  • ACアダプタ
  • リチューム充電池
  • ニッケル水素充電池
  • マンガン乾電池
  • アルカリ電池

例えば単三電池は1000mAhくらいなので、平均10mA程度の機器だと100時間しか使えない。連続使用だと4日くらいになる。電池の接触抵抗などもあるので実際はこれより短い。現実的ではない。

電池の一般的な最大電流は350mAくらいのようです。

平均100uAくらいになれば一年くらいは持つ事になる。これくらいであれば乾電池でも良いような気がする。

電池は寒いところでは起電力が下がるので注意が必要かもしれません。

1年以上利用できると、アルカリ電池やマンガン電池の場合、液漏れのリスクが発生する。極端に消費が低いリモコンなどにアルカリ電池を使うのは良くないという話もあった。

3.3Vで動かす場合、乾電池やニッケル水素充電池は昇圧や降圧する必要がある。昇圧や降圧すると損失が発生するので、可能であればしない方が良い。レギュレータを使う場合はレギュレータ自体とコンデンサーのリーク電力を考慮する必要があるようだ。

リチューム充電池を使ったUSBタイプの電源ではあまり電力が低いと出力を止めてしまう機種もあるようなので確認が必要だ。

ACアダプタは負荷が低いと効率が極端に悪化するので、あまり負荷の低い機器をACアダプタで利用するのは良くない。Power over Ether(PoE)やUSB給電で電源をまとめて効率を上げるという方法もあるのではないだろうか。

PoEは電源をまとめることで省電力化と伝送路での損失のバランスも考える必要があるような気がする。

ACアダプタを定格ぎりぎりで目一杯使うと、停電などあって復帰した時の突入電流が定格を超える事が考えられる。このため自己保持回路で復帰しないようにする方法もあるが、自己保持回路の消費電力も考える必要がある。

針式の電波時計でノイズが多い環境に設置してしまったところ、極端に電池の持ちが悪くなった。これは頑張って電池を消費してししまうようなロジックになっているのだろうが、そもそもその状態をLEDなどで利用者に伝えるべきではないかと思う。

昔は電卓や時計などでACアダプタで動作するものもあったが、今日ではACアダプタを使うものはほとんどない。またこれらは太陽電池だけで動作するものもある。省電力への取り組みは日夜進んでいる。

カレントを減らす方法

  • 必要な時だけ機能するようにする
  • LEDやLCDのバックライトなどの発光を減らす
  • 消費電力が小さい部品を使う
  • CPUを止める
  • などなど

極端な話だが、針が動く時計と液晶の時計ではおそらく、圧倒的に液晶の方が消費がすくない。だた液晶では時間が見間違えるなどの問題もあるので全てを液晶にしたら良いという話でもない。

下記は赤外線リモコンユニットLAN-IRU01をHACKしてオリジナルファームを入れて観察したグラフになる。こちらの記事はこのためのHACKでした。

BTMSP430A.png

CSRのBluetooth2.1なのだが、待ち受けをどう工夫するか、実際利用している時間を短くするかが課題なのが分かる。

純正ファームでは単三が4本でも一ヶ月くらいしか持たない事になっている。ずっと待ち受けしているか、別のモードがあるのかで、完全にBluetoothがオフではないのだと想像される。

通信

ESP8266というマイコンがWIFI接続できて話題になったが、通常75mAで突入電流が300mA以上になる。しかしWIFIをOFFにすれば20mA以下だしDEEP SLEEPでは1mA以下にできるので、これらをうまく使うのが良いのではないかと思う。

DCF77-ESP.png

有線のEthernetは10Mから100Mは半導体機技術の進化で消費電力が下がったと思うのだが、100Mから1Gはいまだに100Mの方が小さいのではないかと思われる。必要がなければ100Mを使う事を検討すべきかもしれない。

電源断

カレントをACアダプタなどから取り、そのACアダプタをソリッドステートリレーなどで制御して電源を切る事で節電する事も可能だ。ただしカレントが1mAの機器の電源を10mAもかけて制御するのは、本末転倒である。バランスが大切だ。

このようなケースでACアダプタの場合ACレベルで制御するか出力のDCを制御するかでも効率が変わってくると思う。

太陽電池

小さな太陽電池パネルと電気二重層コンデンサーで電源を作る事も可能だ。ただし曇りの日が何日も続き、電池切れになるとか避けるためには、かなり大きなコンデンサーが必要になる。また計算も天気次第なので何とも難しい。感覚的で根拠はないが平均10uA程度の消費だったら現実的なのかもしれない。興味はあるのでいつか実験してみたい。

保護回路

逆挿しの保護のためのブリッジダイオードやニッケ水素電池の過放電保護回路などは効率を下げる事になる。しかし回路や電池を壊してしまっては元もこうもないので、必要な場合は利用した方がいい。

ルータのUSBポートの電源制御にMIC2009YM6というチップが使われている製品があった。このチップは過電流の保護と、ON/OFFの制御が可能だ。制御はSOCのGPIOで行うことができるようになっている。このようにUSBの電源をOFFできるのは使い方を工夫すると有効な気もする。

写真(2018-10-12 21.47).jpg

測定

DCの測定はテスターのAのレンジで可能だ。テスターでは見えない突流電流はオシロスコープで確認できる。

Spike.png

負荷に対して適当な耐圧の抵抗を入れてAとBにプローブを付けて、トリガーをかけて突流でひっかける。これでV=IRで確認できる。

ACの場合クランプメータを使うが、最小単位が0.1Aなど大きい場合はコイルにしてx10で計ってみたりするとよい。

IMGP0023.JPG

ワットチェッカーは安定するまで少し時間がかかるのと、0近くは誤差が大きいようです。

IMGP0031.JPG

テスターのロギングには自作アプリのさるのこしかけを使っている。

ACアダプタ

ACアタプタにはスイッチング方式とトランス方式がある。トランス方式はダイオードとコンデンサーだけのものがほとんどで、本体側にレギュレータが入っているケースが多い。トランスタイプの場合5V/100mAと書いてあっても無負荷だと5V以上出ていて100mAの負荷があると5Vになるという設計になっているそうだ。

タイプ V mA VA 無負荷時
トランス 10V 300mA 6VA 0.01
トランス 5.5V 900mA 13VA 0.02
トランス 9V 600mA 9VA 0.07
スイッチ 5V 550mA 10VA 0.00
スイッチ 5V 1A 30VA 0.00
スイッチ 12V 0.7A 20VA 0.01

無負荷時は、クランプメーターに10回巻でおおよその数字です。無負荷状態だけをみてもスイッチの方が効率が良さそうだ。ただスイッチタイプはノイズの発生があるようで、オーディオ機器などではトランスタイプが重宝されている。

トランスの9Vの物は30年くらい前のSONYのDiscman(CD)のもので、ロスだけでLED電球がついてしまう。

最後に

明示的なスイッチによる利用開始と停止が一番分かりやすいのだが、自動的に判断できると便利だったり消し忘れ防止にもなるので、待機電力を減らすことと、利用開始と終了をどのように判別するかが課題なのではないだろうか。

SONYのHUISは加速度センサーをスイッチにしているようだ。

へんにケチって返ってトータルで見ると逆にコスト高にならないようにバランスも大切だ。

いろいろ考えるのだが、やはり明示的なON/OFFよりも資源を使わないコントロール方法は無い。自動的にできる快適さが、本当に必要か考えてみる必要があると思う。ちょっと話は違うが、ヨーロッパではオートマ車があまり普及していなくてマニュアル車が多い。快適さなどという物は気持ちの持ちようなのかと思ったりする。

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