AR9342+QCA8337というターゲットはAtherosのコードでDB120とよばれるようです。これをちょっといじってみて問題がいくつかあったので書き留めておきます。
まずu-bootですがu-boot_modでAR9342を使ったターゲットはTP-Link TL-WR1041N v2だけで、これも同じ構成のようなので、ビルドしてFlashに焼いてみましたが、二つ問題があります。
一つはシリアルのデフォルトの115200ボーで入力ができないということです。おそらく分周したクロックが微妙にずれていて、出力はFTDIのチップが良きにはからってくれるので見れますが、入力はAR9342が認識できないのではないかと思われます。FreeBSDのカーネルも同じ状態でした。9600では問題なく入力ができました。ひょっとすると個体差があるのかもしれませんが、ボーレートの設定にワークアラウンドを入れる必要があるのかもしれません。
PLLの設定がビルド設定とコードでの認識と、Flashから読み込む仕組みがあるようですが、これが正しく動いていないようにも見受けられます。これが影響している可能性もあるかもしれません。
このチップのシリアルは2.5Vのようですが、3.3Vトレラントだと思います。確認のため自作FT231モジュールに2.5V対応入れてみました。
二つ目はネットワークが使えません。AR9342にもSwitchが入っていますし、ちょっと設定が複雑なので、うまくできてないのかもしれません。u-boot_modのPHY(SWITCH)のコードはs17とs27というコードがあり、QCA8337はs17のようです。
仕方がないのでbootとZRouterでビルドしたFreeBSDのu-bootイメージをflashromでFlashに焼いてみて起動してみました。hintsをmips/conf/DB120.hintsを参考に修正したところswitchが二つ認識できましたが、AR8226として認識されてしまいます。arswitch.cの
id = arswitch_readreg(dev, AR8X16_REG_MASK_CTRL);
が0x0201になってしますようです。QCA8337のデーターシートはないのでわからないのですが、正しくはAR8327以降の数値になっていると思われます。
QCA8337はAR8337と同じものと思われます。
ブートログはこんな感じです。
Switchが正しく設定できてないので、もちろんネットワークは使えません。
Flashを低温半田ではがしたときに、パターンを痛めてしまったのですが、かろうじてオンボードでFlashを焼く方法が発見できたので、また気が向いたら試してみようと思います。