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PID制御のゲインチューニングについて【初心者向け】

Last updated at Posted at 2024-04-21

はじめに

PID制御のゲインの合わせ方について、いくつか種類があるらしいので雑にまとめる。

ジーグラ・ニコルスの限界感度法

大昔からあるやり方。手順としては以下のような感じ。

①P制御のみ有効にした状態で、一定の入力をシステムに与える。

②Pゲインを小さい値から徐々に大きくしていくと、ある時点で振動が減衰しなくなる。そのときのPゲインをKuとする。そのときの振動周期をTuとする。

③あとは以下の表に従って、DゲインとかIゲインを算出する

image.png

ものすごく雑なやり方なので精度は期待できないが、チャチャっとテキトーにゲインを合わせたいときに使用するには丁度いい。

ジーグラ・ニコルスのステップ応答法

ステップ応答法では以下のような手順でゲイン値を決定する。

①まず、調整器を介さずに制御対象単体にステップ入力を加える。

②↑により得られたステップ応答曲線から、曲線の勾配が最も急なところに接線を引き、その勾配をR=K/T(ここでKは定常ゲイン、Tは時定数)とする。

③この接線が横軸(時間軸)と交わる時刻と入力を加えた時刻との差を取り、この時間をLとする。

④これらの値から調節器の各パラメータを下の表のように決める。

image.png

一般的なPID制御ゲインチューニング

そもそも一般的にPID制御のゲインのチューニングをどうやっているかというと、以下のような感じ。

①制御器の構造を決める
P,I,Dのどの項を使用するかを決める。

②制御ゲインの適切な大きさを求める
システムの能力を過不足なく引き出すために、制御ゲインの適切な大きさを逆算する。

③ステップ目標値に対してゲインチューニングする
基本となるPゲインを設定し、Dゲインで振動を抑制し、Iゲインで定常偏差を抑制する。

④目標軌道があれば、それに対してゲインを微調整する
制御性能を確認しながら、ゲインを微調整していきます。

【ゲインを微調整する際の観点】
 ・システムの安定性
 ・追従精度
 ・応答速度
 ・オーバーシュート・アンダーシュートの有無
 ・外乱への感度
 ・特性変動への感度

おわりに

今回は、PIDの制御ゲインのチューニング方法について、初心者向けにまとめてみた。
ステップ応答法とかは、正直自分もあんまり分かってなかったので、勉強になりました。
他にもいろいろゲインチューニング法があるらしい(CHR法とか)。そのうち調べてまとめたい。

参考文献

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