はじめに
PID制御のゲインの合わせ方について、いくつか種類があるらしいので雑にまとめる。
ジーグラ・ニコルスの限界感度法
大昔からあるやり方。手順としては以下のような感じ。
①P制御のみ有効にした状態で、一定の入力をシステムに与える。
②Pゲインを小さい値から徐々に大きくしていくと、ある時点で振動が減衰しなくなる。そのときのPゲインをKuとする。そのときの振動周期をTuとする。
③あとは以下の表に従って、DゲインとかIゲインを算出する
ものすごく雑なやり方なので精度は期待できないが、チャチャっとテキトーにゲインを合わせたいときに使用するには丁度いい。
ジーグラ・ニコルスのステップ応答法
ステップ応答法では以下のような手順でゲイン値を決定する。
①まず、調整器を介さずに制御対象単体にステップ入力を加える。
②↑により得られたステップ応答曲線から、曲線の勾配が最も急なところに接線を引き、その勾配をR=K/T(ここでKは定常ゲイン、Tは時定数)とする。
③この接線が横軸(時間軸)と交わる時刻と入力を加えた時刻との差を取り、この時間をLとする。
④これらの値から調節器の各パラメータを下の表のように決める。
一般的なPID制御ゲインチューニング
そもそも一般的にPID制御のゲインのチューニングをどうやっているかというと、以下のような感じ。
①制御器の構造を決める
P,I,Dのどの項を使用するかを決める。
②制御ゲインの適切な大きさを求める
システムの能力を過不足なく引き出すために、制御ゲインの適切な大きさを逆算する。
③ステップ目標値に対してゲインチューニングする
基本となるPゲインを設定し、Dゲインで振動を抑制し、Iゲインで定常偏差を抑制する。
④目標軌道があれば、それに対してゲインを微調整する
制御性能を確認しながら、ゲインを微調整していきます。
【ゲインを微調整する際の観点】
・システムの安定性
・追従精度
・応答速度
・オーバーシュート・アンダーシュートの有無
・外乱への感度
・特性変動への感度
おわりに
今回は、PIDの制御ゲインのチューニング方法について、初心者向けにまとめてみた。
ステップ応答法とかは、正直自分もあんまり分かってなかったので、勉強になりました。
他にもいろいろゲインチューニング法があるらしい(CHR法とか)。そのうち調べてまとめたい。
参考文献