実機でシステムの安定性を確認する際の観点について
システムの安定性を確認したいときに、とりあえずやっておきたいテストを纏めた。特にステップ応答テストとか周波数応答テストは定番。
①ステップ応答テスト
目標値を急に変更して、システムの応答を観察する。応答が過大なオーバーシュートや振動なく、定常状態に収束する場合、システムは安定していると考えられる。
②周波数応答テスト
目標値を様々な周波数で振動させ、システムがどのように追従するかを観察する。システムが安定していれば、高周波での応答は減衰し、低周波での追従が良好になる。
③ロバスト性テスト
外乱やパラメータの変動を意図的に導入し、システムがそれらに対してどのように振る舞うかをテストする。外乱に対するシステムの反応が適切であれば、システムはロバストであると言える。
④ゲインマージンと位相マージンのテスト
システムの開ループ伝達関数のゲインと位相を測定し、ボード線図を書いてみる。そして、ゲイン余裕と位相余裕を確認する。これらのマージンが十分に大きければ、システムは安定であると言える。(あくまで開ループ伝達関数のゲイン/位相の測定であるため、フィードバック制御を切断した状態でテストすること。)
⑤センサ誤差乗せテスト
上記の①~④のようなテストを、ソフトウェア側で敢えてセンサに誤差を乗せた状態で、テストを実施する。
複数のセンサを使ってるような制御の場合は、たくさんのセンサ誤差の組み合わせでテストを行います。それが量産開発というものです。それくらい気合い入れてテストをしないと、量産に耐えうるような品質の製品は作れないってことなんです。
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