はじめに
AWSには無料利用枠があるというのは有名な話ですが、私自身、無料利用枠について詳細には理解していなかったことに気づきました。
というのも、先日(土曜日の夕方)、"AWS Free Tier limit alert"という件名のメールが個人メールアドレスに届きまして、しかも、使用した覚えのないサービスについて記載されていたため慌てたからです(笑)
今後、私と同様に慌てる方がいらっしゃるかもしれないと思い、記事にしました。
ちなみに届いたのはこんなメールです。AWSQueueServiceはAmazon SQSですが、使った覚えがありませんでした。
AWS無料利用枠について改めて理解する
AWS無料利用枠には、12ヶ月無料、無期限無料、短期トライアルの3タイプがあります。
なお、AWS Organizationsの組織にリンクされたAWSアカウントが複数ある場合、無料利用枠を使えるのは1つのAWSアカウントだけだということです。
以下に、3タイプの無料枠にどのようなものがあるのかを記載します。
これらは参考情報にも記載したAWS 無料利用枠のページで、無料利用枠のタイプでフィルタして確認することができます。
12ヶ月無料タイプ
AWSアカウントを使い始めて12ヶ月間、無料で利用できるタイプです。
例えば一例として、次のようなサービスの利用が12ヶ月無料です。
- Amazon EC2の一部のインスタンスタイプが、リージョンにも依りますが、月 750時間まで
- Amazon S3の標準ストレージ 5GB、20,000 Getリクエストまで、2,000 Putリクエストまで
- Amazon Pollyが500万文字まで
無期限無料のタイプ
無期限無料のタイプの例は以下のようなサービスの利用です。
- AWS Lambda 100万件/月までのリクエスト、月あたり320万秒までのコンピューティング時間
- Amazon SQS 100万件/月までのリクエスト
- AWS CodeCommit 月あたり5アクティブユーザー、50GB/月のストレージサイズ、11万件のGetリクエストまで
- AWS Well-Architected Tool(ワークロードのレビューを履歴管理できるツール)は無制限で無料
私に届いたメールは、この無期限無料タイプのAmazon SQSに関する無料枠の85%まで使われていることを知らせてくれるものでした。
短期トライアルのタイプ
短期トライアルのタイプは、サービスをある程度の期間または利用量までは無料になるタイプです。
どんな使用感なのか、どのような出力結果になるのかなど、使ってみないと価値が分かりにくいサービスに、この短期トライアルのタイプが設けられている印象です。
例えば以下のようなものです。
- Amazon Inspector 15日間
- Amazon GuardDuty 30日間
- Amazon SecurityHub 30日間
- Amazon Kendra 750時間まで、30日間
AWS無料利用枠の利用状況を確認する
AWS無料利用枠の利用状況は、AWSマネジメントコンソールのBilling & Cost Management > Free Tierで確認することができます。
スクリーンショット上は無期限無料のタイプのみしか表示されていないように見えますが、他のタイプも表示されるのではないかと思います。(AWS Billing and Cost ManagementのAPIリファレンスからの推測。)
おわりに
AWS無料利用枠について、少しでも読んだ方の理解につながれば嬉しいです。
ちなみに冒頭のAmazon SQSの利用は、試しに15日間無料トライアルとして「Amazon Security Lake」を有効化したことで発生したものだということがわかりました。めでたし、めでたし。
(もし本当に身に覚えのない請求があったら、AWSサポートへ問い合わせましょう。)