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「静かな退職」をエンジニアの立場で考えてみる

Last updated at Posted at 2025-04-28

はじめに

近頃、「静かな退職」という言葉が話題になっています。

電車の中で下記の書籍を読んでいる人を見かけ、気になって読んだところとても面白かったため、感じたところを共有します。

内容は、書籍の内容を踏まえ、エンジニアの生存戦略を考えてみるものとなっています。

自己紹介と注意事項

私は、新卒3年目のエンジニアです。
今まで静かな退職的な働き方はしておらず、これからもする予定は無いです。

そのため、以下2点を注意事項として挙げます。

  1. 静かな退職的な働き方を奨励する記事ではないこと
  2. 当記事の内容は実践を踏まえた体験談・成功経験では一切ないこと

静かな退職とは

アメリカのキャリアコーチが発信した「Quiet Quitting」の和訳のこと。

会社を辞めるつもりはないものの、出世を目指してがむしゃらに働きはせず、最低限やるべき業務をやるだけの状態。

  • 言われた仕事はやるが、会社への過剰な奉仕はしたくない
  • 社内にあの面倒くさい付き合いは可能な限り断る
  • 顧客や取引先からの不合理な要望は受け入れない

などが具体的な行動として挙げられます。

静かな退職自体が最近登場した概念であり、まだ受け入れられていないこともあり「必要最低ラインギリギリの仕事をして、可能な限りサボっている、けしからん人」のようにニュースで取り上げられがちです。

しかしながら、定義上は「必要最低限の仕事だけをやる人、プラスアルファの仕事をやらない人」であり、特段サボるといったマイナスの意味はないです。

24時間戦えますか?の時代からワークライフバランスの時代になったように、あと数年でそういう働き方もあるよね、と受け入れられていくのかもしれません。

静かな退職者を続けることに求められること

書籍内で、静かな退職者であれど会社のお荷物であってはならず(クビになっちゃう)、そのために求められる行動として以下のようなものが挙げられています。

  1. マナーを遵守
  2. 反論をしない
  3. 明日の準備より、今日の心証点稼ぎ
  4. やらなくて良いことはやらない
  5. プラスを重ねるよりもマイナスの排除
  6. 厄介な仕事は蜜の味

色々とありますが、私は

  • マイナス点を除くこと
  • 少ない労力で合格点に到達すること
  • 少ない労力で加点を狙える体制を作ること

の3点に言えるかな、と思いました。そしてこれらの項目はエンジニアにおいても同様のことが言えそうだ と思いました。

静かな退職を継続するためのエンジニアの立ち振る舞い

上記の求められることが、エンジニアの場合だと具体どのような立ち振る舞いになるのかを考えてみます。

1. マナーを遵守

身なりや言葉遣いに気を付け、「マナーがなっていない」と思われることを避けます。

これはエンジニアに限らず、全ての職種で言えることだとは思います。

2. 反論をしない

レビュワー、有識者、意思決定者の指示に反論せず従う。

反論にはパワーが必要であり、反論すると少なからず相手の心証が悪くなることも多いです。また、議論には正直どっちでも良い好みの問題であることも多かったりします。

80点を85点にすることに時間を使うより、さっさと先に進んだ方が良いことも多いかと思います。

3. 明日の準備より、今日の心証点稼ぎ

タスクが終わった際に、次のタスクを先食いせず、「レビューをいつもより早く返す」「他人の運用作業を巻き取る」といった雑務をやる。

タスクを多少早く終えても、案外感謝されることって少ない気もします。それよりも確実に感謝され心証が良くなる行動をしよう、ということになるかと思いました。

4. やらなくて良いことはやらない

業務上重要でない機能の改修のレビューは軽めにする、影響度の小さい障害対応は即時で行わない/やらない。

例えば、2週間の期間限定で表出するランディングページのコードレビューを入念にやってもどうせ残さないから表示出来てるなら細かいコードは見なくていいや、といった具合です。

5. プラスを重ねるよりもマイナスの排除

実現すると顧客がめちゃくちゃ喜ぶかもしれない機能Aと解消しないと顧客がめちゃくちゃ怒るかもしれない機能Bがある場合、機能Bを優先して対応する。

6. 厄介な仕事は蜜の味

コーディング以外の運用作業を他人がやりたがらないので、自分が積極的に巻き取る。インフラをよく知る人がチームにいないので、インフラタスクを優先して担当し理解しておく。

他人がやりたがらない、出来ない仕事を自分が得意としておくと、少ない労力で差別化できます。これにより、「少ない労力で合格点に到達すること」「少ない労力で加点を狙える体制を作ること」の両方に活きると思います。

正直具体例が思い付かず、無理矢理考えた節はありますが、大体イメージ伝わっていると嬉しいです。

静かな退職の手法はキャリアアップでも使えるかも?

上記を見て、静かな退職者じゃなくても大事なことじゃね? と思った方も多いのではないのでしょうか?

静かな退職者を続けることは結構大変なのかもしれないです笑
上記の項目を忠実に実行できていた場合、普通にキャリアアップも出来そうです笑

静かな退職者でも、キャリアップを狙う人でも基本は同じなのではないか?と私は考えます。

  • 1のマナーの遵守
    • 当然必要
  • 2の反論をしない
    • 納期が厳しい時は反論せず進める方が良いことも。相手の思考を知り勉強したいなら、休憩時間に「どうやって考えたんですか?」などと聞けば良い。
  • 4のやらなくて良いことはやらない
    • プロダクトやプロジェクトの要求・要件、QCDSの優先を把握してどの機能に注力すべきかを考えられるエンジニアは強い。
  • 5のプラスを重ねるよりもマイナスの排除
    • プラスはマイナスが無い上で成立することも多いので、まずマイナスを無くすのは一定合理性がある(大障害を起こしてしまうと、加点なんて吹き飛ぶ)
  • 6の厄介な仕事は蜜の味
    • 自分の得意を作るということと近しい

3はキャリアアップしたいならどうなんだろう?と思いましたが笑

静かな退職者=必要最低限の労働しかしない人、であるので静かな退職者に求められること=全員に共通して求められることではないかと考えました。

「静かな退職」と聞くと、なんてやる気が無いんだ!と思うかもしれないですが、実際のところは「必要最低限の労力で済むように全力で考える」に近そうです。

おまけ:FIREと静かな退職って似てるよね

不労所得を得て働かずに自由に生きることを目指すために最初は全力で働き、全力で資産形成するFIRE(Financial Independence, Retire Early)と似たものを感じます。

全力で働く期間とのんびりする期間のグラデーションを付けるFIREとゆるく長く続ける静かな退職、といったところでしょうか。

参考文献

この記事は以下の書籍の内容を参考にして執筆しました。

この記事では書籍の内容自体にはあまり触れていないため、記事を見て面白いと思った方はぜひ読んでみてください(アフィリエイトリンクじゃないです)。

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