はじめに
先日、2025年春期のシステムアーキテクト試験を受験しました。
今時点では合否は当然不明ですが、記憶の新しいうちに勉強方法を記します。
合格していれば合格体験記として、不合格の場合はアンチパターンの不合格体験記として記録を残せればと思います。
当時の私のスペックです
- 2023年4月入社(新卒3年目)
- 情報系大学院卒業
- ITエンジニア3年目
- Java・Kotlin中心のコーディング多め
- デスぺ・ネスぺ取得済み
システムアーキテクト試験について
詳細はIPAのページを見て頂ければと思います。
特筆事項として 「論述問題がある」 ことが挙げられます。
- 午前1(免除あり、選択式)
- 午前2(選択式)
- 午後1(記述式)
- 午後2(論述)
の4つで構成されています。
過去の得点分布はこちら(IPAのページは一定期間で見れなくなるようです)
他の試験と同じく、午前1〜午後1は60点以上、午後2はランクAで合格となります。午後2の論述は点数ではなく、ランクで合否が決まることに注意してください。
通過率は大体
- 午前2:80%
- 午後1:60%
- 午後2:40%
程度です。トータルの合格率は毎年15%程度です。
勉強の流れ
使用教材
下記の教材をベースとして使用しました。
論述対策は、上記の教材では手薄だったため、下記の本を買いました。
また、システムアーキテクトの考え方を知る上で副読本として下記の本を読みました。
勉強スケジュール
- 4/5:何も勉強しないまま試験2週間前になっていることに気付き、焦る
- 4/12:教材に記載の午前2(100問)を解く、午後1を1問解く
- 4/13:午後1を3問解く、論述対策本を読む
- 4/18:論文を書く x 2
- 4/19:論文を書く x 1, 副読本のアーキテクトの教科書を読む
- 4/20:試験当日
上記のようなスケジュールで詰め込みました。
勉強のコツ
午前2
選択肢ごと覚えてしまうこと、これに尽きます。
システムアーキテクト試験は、午前2試験と午後試験の関連性はほぼ無いです。午前の勉強をいくら入念にやっても午後の点数は伸びないと思って良いです。
私は教材に記載の100問だけ仕上げました。それ以外の過去問は特にやっていないです。
午前2の対策は1日で終わったので効率良く終えられたと思います。
※ 私がIPA試験の受験が4回目なことは無視できないと思いますが...
午後1
システムアーキテクトの午後1は「国語の問題」と言われることが多いです。その言葉の通り、問題文のどこかに答えが眠っていることが多いです。
大学受験の二次試験まで国語を勉強していた身からすると、問題文の記述を探してそのまま書いただけで正解になるなんてほぼ無いんですけどね
問題文を読んでいると、違和感のある、唐突な話が出てくることが多いです。例えば「兄弟姉妹など同じ保護者だが異なる教室に通う場合がある」「部署は1つの拠点に限らず、複数の拠点を持つことがある」といった感じです。問題文を読みながら、このような臭い箇所を察知できると、効率良く問題が解けます。
過去問を解いてみて、上記のようなコツを感じ取れると良いと思います。
私が感じ取ったエッセンスは以下です。
- 唐突な話に気を付けろ
- この説明いる?と思う話は問われがち。問題文の前の方にありがち
- コーナーケースに気を付けろ
- 月の途中で入社する人など、一部社員IDが存在しない、などの特定のケースは問われがち
- 例:新システムで上手くいかない場合とはどのような場合か?→月の途中入社の場合
- 業務上の課題に気を付けろ
- 業務上の課題とは、現実の人間の困りごとだと思いましょう
- 例:目視で内容をチェックしている、データの補正を人力でやっている、データ入力を人力でやっていて時間がかかる、など
- 全般:とにかく違和感に気を付けろ
- え?これまじ?と思ったところは問われやすいです。自分でツッコミを入れる気持ちで問題文を読むと良いです
2、3問過去問を解き、8割は毎回解けて時間も間に合うな、と思えるようでしたら午後1は深追いしなくても良いと思います。
システムアーキテクト試験においては、午後1と午後2が全然違う&午後2が鬼門であるため、とにかく午後2に時間を使いましょう。
午後2
システムアーキテクトに限らず、論文試験で「論文B評価で落ちて惜しかった」という声を割と見ますが、人数配分を見るとA評価B評価で70%程度占めています。
落ちた人の半分はB評価なのです。そう思うと然程惜しくも無いのかもしれないです。
- A:合格ライン
- B:文字数到達しているが、趣旨に沿えていない
- C:文字数到達していない、関係ないこと書きすぎ
- D:白紙レベル
くらいのレベル感なのかもしれないです。
私が午後2をやる上で意識したことは以下です。
- 論文を書く前に論文設計をする
- 論文設計:章立て、各章で書きたいことの整理、全体の整合性・一貫性の確保
- 章立てする
- 思ったより原稿用紙は自由に書いて良いらしいです。1-1 ~~~みたいに章立てしました。
- 問題文に書かれている、問われていることに全部答える
- 伏線回収を意識
- 大体、1つ目の設問で業務やシステムについて問われます。そこで業務やシステムの特徴を答えておき、イやウで特徴を踏まえて論述する、というのを意識していました。これで論文全体に一貫性が出ると思っています笑
- 例:業界の平均年齢高く利用者の年齢は50代以上でデバイス操作に慣れていないという特徴がある→システムの有効性を重視した
この辺は参考書にも書いてあるのでぜひ読んでみてください。
また、やってはないのですが添削を受けてみることもオススメします。添削を受けてどの程度が合格レベルなのかを肌感持てていると合格できる度合いが上がるのかな〜と思いました。
当日の感触
午前2
システムアーキテクトの教材で見た問題が12問程出ました。それ以外でも確実に自信ある問題も多く、問題く突破できました。
休憩中に気になり、「みんなの解答速報」をついつい見てしまいました笑。自己採点では22/25で思いの外点数が高く、安心しました。
午後1
難化したのか、試験当日の焦りや緊張なのか分からないですが、過去問よりも解きにくく感じました。
大問1だけページ数が5ページで他より少なかったため選択し、業務に親しみのある大問3をもう1つは選びました。
15分経過時点で大問1が終わらず少し焦りましたが、何とかギリギリ解き切れました。解答速報見る限り、80点くらいは貰えてそうで一安心です。
午後2
大問1も大問2も共にデータの取り扱いの問題で、普段あまりデータに触れていないので論文設計にいつもより時間を食いました。
ア〜ウで一貫性を持たせることにとにかく気を配りました
- ア
- システム統合でデータ移行が発生
- 業務は特定の月で多く発生する
- 業務の発生で課金される
- イ
- システムAとシステムBで機能に差分がある
- システムAは1→2→3と機能があるが、システムBは1・2しかない
- 上記よりシステムBには3の機能に該当するデータは当然ない
- システムAとシステムBで機能に差分がある
- ウ
- 業務の発生で課金されるため、業務を妨げない時間に移行
- 業務が多く発生する特定の月までに移行完了したいが、全量間に合わないことが判明
- 業務の発生で課金されること踏まえ、業務が発生しやすいデータから移行し業務の発生の最大化を狙う
こんな感じで全体の骨組みを最初の20分くらいで考えて、あとはおりゃおりゃ書いていきます。
「以上」で文体を締めたか否か記憶に無く、非常に不安です。いつも忘れてしまいます。
おわりに
合格していて欲しいです