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IoTシステム技術基礎検定 #4 ビジョンと微小

Last updated at Posted at 2017-10-21

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#はじめに
勉強4日目です。
前回までは、ちょっと難しいセンサの内容でしたが、
今回はミクロな機器のMEMSや、エナジーハーベスティングの技術について触れていきます。

【今回取り組む内容】
・2-6~2-8 (テキストP70-78)
コンピュータビジョンから始まり、MEMS、エナジーハーベスティング。

(追記:2017/10/30 ページ範囲に間違いがあったので修正。)

#2-6 コンピュータビジョン
・コンピュータによる視覚
コンピュータビジョン、略してCVは、ここ20年で急速に発展してきた分野で、実社会の商品にもどんどん取り入れられています。
CGは、作り出す3次元モデルを2次元のディスプレイに表示する技術ですが、
CVはその逆で、2次元画像から3次元の情報を抜き出す技術です。

・RGB-Dカメラ
色(RGB)に加えて、奥行き(Depth)を取得するカメラ。
当初はNUI(Natural User Interface)の一種であり、マウスやキーボードみたいな機器を使わなくても、
身振り手振りといった直感的動作で操作を可能としたインターフェースとして使われた。
MicrosoftのKinectが有名。

・CVの代表的な機能
デジカメの顔検出やジェスチャー認識、車の駐車レーン認識といった身近な技術もCVの適用である。
最近ではAIを用いた技術も、企業さんたちが特に力を入れていますね。
他にも、インテルのOpenCVは、CV向けのライブラリで有名です。

・VR(Vertual Reality)/AR(Augmented Reality)
2016年、サムスンやソニーが発表し、一躍有名となったのがVRで、この年はVR元年とまで言われました。
コンピュータで作り出す空間を、CGで現実空間として認識させる技術として、エンターテイメントや医療といった色んな分野への適用が期待されています。
一方、VRとよく並んでるARは、スマホとかで撮影した画像に、現実には写ってないものをあたかもそこにいるかのように、リアルタイムで表示する技術です。
リアルな感じで、リアルタイムで画像表示しなきゃいけないので、撮影画像の空間情報を正確に把握する技術が必要です。空間認識には、決まった図形を認識して情報提示する「マーカー有り」と、現実物体を識別して位置を提示する「マーカーレス」があり、今は「マーカー有り」が主体。
今後、CVで認識した現実空間に、CGによる仮想的なモノを表示して、仮想と現実のモノが相互作用し、仮想と現実の境界がなくなるMR(Mixed Reality)の実現が期待されています。

(追記)VRとARとMR
VR:仮想現実
Virtual Reality:バーチャル(仮想)なリアリティ(現実)。
コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、あたかもそこにいるかの様な感覚を体験できる技術。
例:PlayStation VR(ソニー)

AR:拡張現実
Augmented Reality:オーグメント(拡張)されたリアリティ(現実)。
現実空間に付加情報を表示させ、現実世界を拡張する技術。
VRはあくまで仮想空間に入り込むが、ARは現実空間主体。
例:HoloLens(マイクロソフト)

MR:複合現実
Mixed Reality:ミックス(複合)したリアリティ。
現実世界と仮想世界、それぞれの物が干渉し合うSFの世界。
例:歯科医療シミュレーション(モリタ、ソフトバンク)

#2-7 MEMSとは
・ミクロの電子機械
MEMS(Micro Electro Mechanical System)、微小電子機械システムは半導体技術によって形成された小さい構造ですが、その構造は立体的で可動部を持っています。
非常に小さいですが、大量生産が可能な上に、センサや駆動、信号処理のための回路を集積化して、複合機能(MF:Multi Function)を実現させています。

・MEMSの特徴
回路とか学んでいた人には分かりやすいかもしれませんが、
エッチングという、半導体の表面加工処理でMEMS構造体を作る(表面マイクロマシンニング)、
シリコン基板を加工し構造形成する「バルクマイクロマシニング」といった製造技術で、機械構造体を持った素子を形成します。
半導体製造の技術を用いているので、超小型・高精度・高品質・低コストを実現可能です。
テキスト図2-7-1のように、色んな機能を集積化できます。1つの基盤で、センサや信号処理、アクチュエータを搭載することで、入出力も簡単に処理できます。
機構を小さくする微細化によって並列化や集積化が容易。
複数のセンサを強調しやすくして、高性能なマシンを実現可能にしています。

・MEMSの利用分野
色々使えそうなMEMSだけど、現実ではどういったところで使われてるのでしょうか?
その利用分野には、
ー機械的・化学的変化を電気信号に変換するマイクロセンサ
ー機械的出力を取り出すマイクロアクチュエータ
ーMEMS構造で微小エネルギを回収するエナジーハーベスタ(自立型振動発電デバイス)
がある。
1980年代頃から、エアバッグや急ブレーキ用のABS作動装置(加速度センサ)、エンジン制御(圧力センサ)、燃料噴射(エアフローセンサ)など、自動車の至る所に使われています。
他にも、プリンタのインク噴出やハードディスクのアクチュエータに用いられています。

①スマートフォン
センサの塊であるスマホには、モーションセンサや音響部分、マイクロフォンなど沢山のMEMSが搭載されています。
最近では、湿度計やアルコールセンサが付いたものも発売されています。

②自動車
さっきも説明されたように、自動車にも大量のMEMSが搭載されています。
エンジン制御や姿勢制御のための圧力センサ、最近CMでよくやってる歩行者検知や事故防止システムなど、MEMSセンサは無くてはならない存在です。詳しくは、「マイクロマシンセンター」で調べると分かりやすいと思います。

③他にも
IoTの普及は、センサネットワークへの期待につながっています。
ガスセンサや塵芥(じんかい)センサを使った環境モニタリング、道路や橋梁(きょうりょう)のようなインフラの劣化検査、都市インフラである電気やガスの安全供給の他にも、センサ周りのエネルギーを電気変換するエナジーハーベスタの活用も期待されます。
他にも、チップ上で化学分析や化学反応を行うMEMSの、μTAS(Micro Total Analysys System)の研究も進んでいます。

#2-8 エナジーハーベスティング

・環境エネルギーの有効活用
IoTデバイスも、他デバイスと同様に電気が必要です。電池だと、いつ切れるか分からないし、交換するのも手間がかかります。
そういった理由で、2-7で少し触れた、振動や電波からエネルギーを取り出すエナジーハーベスティングが注目されています。
発電量は微弱ですが、センサモジュールやワイヤレススイッチの駆動には十分です。

・利用可能な環境エネルギー
図2-8-1にあるように、色んな要素からエネルギーは取り出せます。
①光発電
バルク結晶というのを用いた結晶シリコンが現在の太陽電池の主流です。
アモルファスシリコンや微結晶シリコンは室内光で発電できるが微小。
新し目の色素増感太陽電池(DSC:Dye Sensitized Solar Cell)は低照度の太陽でも効率的に発電可能、北向き・日陰・垂直設置でも利用できるメリットがある。

②熱発電
モーターやエンジンは動かすとものすごい量の熱エネルギーを放出、排熱しますが、その熱を利用して発電します。
ゼーベック効果で発電するゼーベック素子や、ペルティエ素子による温度差発電が有名。
ゼーベック素子は温度差が必要、平らな面以外で使いにくいが、焚き火の熱で発電するキャンプ用ストーブが実現しています。
2008年、日本で発見されたスピンゼーベック効果を利用したスピンゼーベック素子は、変換効率が小さいものの、構造がシンプルなので大面積化して電力を大量に取り出すといった手法を用いたり、以上ネルンスト効果という熱電効果を利用することで、従来比10倍以上、開発初期比100万倍以上の効果を出し実用化が期待されています。

③振動発電
エンジンの熱だけでなく、振動エネルギーも取り出します。橋や道路といった建造物の振動も利用可能。
竹中工務店は振動増幅器を用いて、従来の45倍の発電量を叩き出したり、
パナソニックは圧電効果という発電方式に注力するなど、企業が新技術をどんどん取り入れています。

④電波エネルギーの利用
SuicaやPASMOは、改札とかの機器からの電波で動作します。
(Suicaは磁気でないので、磁石を近づけても大丈夫って聞きますね。)
電波もエネルギーとして利用可能です。
電波を使った発電の研究が進めば、天候の影響を受けにくい発電源となるので期待されています。

・エナジーハーベスティングの適用
エナジーハーベスタから得られる電力は微小なので、低電力でも動く省エネな回路を組む必要があります。
EnOceanはエナジーハーベスティングを用いた無線通信技術です。スイッチを押す動作から、電磁誘導で電力に変換しています。電磁誘導に関しては、コイルの近くで磁石を動かすと電流が発生するやつです。理科の実験でやったんじゃないでしょうか?
他にも、LIXILは吐水(排出された水)の流れを電気エネルギーにする「アクエナジー」を出していたり、
BioLiteのキャンプストーブは、焚き火の熱でファンを動かしたり、携帯の充電ができます。
ベルギーが本部のIMEC(Interuniversity Microelectronics Centre)というエレクトロニクス研究機関は、自動車のタイヤの振動で発電するシステムを発表しています。

#試験に出てきそうな内容
あっという間でしたが、試験に出てきそうな内容がてんこ盛りです。
特に、1節まるごと使って説明されるMEMS、エナジーハーベスティングは問題に出てくる可能性は大いにあるでしょう。

####RGB-Dカメラ
・Dとは何のことか?
・関連ワードのNUIとはどういったものか?

####CV
・コンピュータビジョン(CV)は、どういった実用例があるか?
・OpenCVとは何か?

####VR、AR、MR
・【重要】それぞれ何の略で、概要が説明できるか?
→架空、拡張、統合、仮想…。サンプル問題にも出てきた。
・ARにはどういった手法があったか?

####MEMS
・MEMSとは何の略で、どこに利用され、どういった利点があるか

####エナジーハーベスティング
・エナジーハーベスティングとは、そもそも何か?
・どういったエネルギーを利用するか?

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