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IoTシステム技術基礎検定 #6 IoTの通信方式とは

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はじめに

遅くなってしまいましたが、3章目突入です。
この章では、IoTに必要な通信に関する知識を中心に学びます。

【今回取り組む内容】
・3-1~3-3 (テキストP96-106)
IoTの通信方式、無線LAN、省エネ通信方式について学ぶ。

3-1 IoT通信方式の概要

IoTにおける通信ネットワークの構成

IoTシステムをつくるネットワークは、以下2つに大別できる。

IoTエリアネットワーク:家庭や工場など、狭い範囲でのネットワーク
WAN(WideAreaNetwork):都市など、より広い範囲でのネットワーク

エリアネットワークとWANを繋ぐには、IoTゲートウェイという接続装置を挟む必要がある。
IoTゲートウェイには、各装置の通信方式の違いをうまく変換したり、
エリアネットワーク内のIoTデバイスを束ねて情報伝達を効率化するといった役目がある。

エリアネットワーク、WANともに使われる通信方式は、有線か無線かで分けることが可能。

有線(エリアネットワーク:USB、PLC WAN:光ファイバのFTTH、ADSLなど)
○:回線をしっかり敷いているので、安定かつ高速。ノイズに強い。
✕:線が邪魔。繋ぐためのスペースが必要、使える場所が限定される。
無線(エリアネットワーク:Zigbee、Bluetooth、IrDA WAN:LTE、3Gなど)
○:線を使わないので、スペースを使わない。設置場所を移動しやすい。
✕:線を繋がないので、有線より不安定で低速。ノイズに弱い。

有線と無線、それぞれの利点・欠点を踏まえて使い分けたい。

IoTエリアネットワーク

IoTエリアネットワークには、無線PAN(Personal Area Network)、無線LAN(Local Area Network)が接続デバイスの多さや自由度から多く使われる。

周辺の雑音が多い環境や、電波の飛び方が複雑な際は、Ethernetのような有線LANが使われる場合がある。

有線のPLC(Power Line Communication)は電力線搬送と呼ばれ、既に敷かれている電線を通信路としているので、家庭内にIoTエリアネットワークを作る際手軽に利用できる。

広域通信網

広域通信網は、複数あるIoTネットワークを繋ぎ全国クラスのサービスを展開する際や、常に移動する自動車のようなもののIoTサービスで使われる。

家庭や工場のような、移動しない環境では有線、
自動車のような移動物や、橋・道路のようなインフラ監視には無線と
通信方式の使い分けがされている。

従来、環境や通信コストで有線・無線が使い分けられていたが、
最近の携帯電話の発達・普及もあり、通信量の低コスト化や伝送速度向上が進み、今では無線が主流となってきている。

また、最近出てきたLPWA(Low Power Wide Area)は、IoTに特化した通信方式。
省電力・低コストで広範囲をカバー可能なため、わざわざWANとエリアネットワークの2つを別に考える必要がなくなる。(3-6節)

トラフィックにおける留意事項

IoTのトラフィック(通信量)の留意点。
データ量や通信速度も重要だが、
ヘッダ(宛先等のデータ)とオーバヘッド(付加的処理、ディスクアクセスなどの時間)の考慮が必要。
同時接続数を制限することでデータの集中を防いだり、通信の遅延を配慮してネットワークを選ばなければならない。

3-2 無線LANによる通信

無線LANとは

LANを無線で構成するシステムのことで、今ではPCやスマートフォンで当然のように使われている。
そんな無線LANは、消費電力の節約より通信の高速化を重視して発展してきた。
そのため、高速通信が可能な反面、消費電力が大きいという欠点がある。

無線LANとWi-Fi

無線LANは、IEEE(米国電気電子学会)で技術基準が作成され、IEEE802.11というシリーズで標準化されている。
しかし、このシリーズだけでは異なるメーカー機器間での接続ができない。

異なるメーカー機器でもうまくやり取りするために生まれたのがWi-Fiである。

無線LANの各種規格

IEEE802.11シリーズの名称は、「IEEE802.11○○」で共通しており、
○○には英文字が1,2つ入る。

a,b,g,n,ac,ah

基本的に周波数が高いと、通信距離は落ちる(減衰しやすい)。
世界中で使用できる周波数帯が2.4GHz帯のため、
これを利用している802.11bが最初普及していたが、
電子レンジや他の無線システムも使う帯域であるため、電波干渉が発生、通信に悪影響を及ぼす可能性がある。
802.11aの5GHzは、干渉が発生しにくいが通信距離は落ちる。

画像転送など、短距離だが高速な通信を要求されるシステムは5GHzを使うa,n,acが、
家庭内の離れた部屋間での通信には、長距離通信がしやすいb,g,nが多く使われる。

n,acは新しい方であり、通信距離と伝送速度の両立が検討されている。
また、ahがIoT向けな規格として策定されていて、サブギガ帯(920MHz)という周波数を使う。
他に比べ低速だが、ikmという長距離通信が可能、Bluetoohのような他の通信に比べ高速・大容量な無線通信を可能としている。

無線LAN利用上の留意点

会社のフロアや、工場といった広いエリアで、無線LANのAP(アクセスポイント)を複数設置する時、APごとにch(チャネル)というのを固定し、利用することでスループット(パフォーマンス)を維持できる。

2.4GHZ帯だと、chは5MHz感覚で配置しているので、802.11b,nの信号20MHzが干渉しないように1,5,9,13chと感覚を空けてchを置くことになる。
より干渉を減らす手法で、1,6,11chとより離した利用もある。

5GHzでは20MHz間隔で19個のchがあるが、
802.11nの40MHz帯域で利用できるch数は実質9つである。

また、屋外の利用では、気象レーダーの干渉波でch変更するDFS(Dynamic Frequency Selection)や干渉を回避するため、無線の出力を調整するTPC(Transmission Power Control)という機能が必要になる。

家庭内のLANのAPでは、せいぜい数台のデバイスの接続だが、
会社や工場では数10、100台のデバイスを取り扱うので、それに耐えうる機器が必要である。
また、以下のようなニーズも存在する。
・移動しながら使うことを想定して、APを切り替えつつ通信する、ローミング機能
・セキュリティ確保のため、外部認証サーバと連携した認証機能
・高い対環境性能や信頼性、耐久性

これらのニーズを考慮しつつ、要件を実現できるAPを見定める必要がある。
複数のAPを設置するときには、サイトサーベイ(電波状況の下調べ)をするのも重要である。
また、フロアのレイアウト替えをすると、電波状況が変化する可能性があるので、
レイアウト変更後はしっかりとサイトサーベイを行わなければならない。

APは基本、天井に設置されるが、APの電波の干渉を考慮して、IoTデバイスの存在する場所の外に配置することで、より多くのデバイスを設置できるようになる。

電波も波であるので、反射物体が多いと複雑に反射し、電波が弱いところと強いところで分かれやすい。
電波が弱いところのデバイスは、停止してしまうことがあるが、アンテナを離して設置することで対策できる。

3-3 省エネ通信方式とは

省エネ通信が必要な理由

IoTデバイスの電源は電池であることが殆ど。
電池駆動といっても数年駆動し続けられることが求められていて、
電池消費が多いほど劣化は早い。
デバイスが多ければ多いほど、電池交換や充電の手間やコストが増えるので、
なるべく電池交換の頻度、電池消耗を抑えた通信方式が大事になる。

どのようなネットワーク構成があるか

IoTデバイス-ゲートウェイ間のネットワークの構成(トポロジ)は、以下のように分類できる。ここでのノードは、中継局を指す。

①ポイントトゥーポイント(PtoP)型
 デバイス同士が1対1で繋がる
②スター型            
 ゲートウェイを中心に、IoTデバイスが放射線状に繋がる
③ツリー型
 一つの根(ゲートウェイ)から枝分かれするようにデバイスが繋がる
④メッシュ型
 網のように、ノードが相互に繋がり合っている

ツリー、メッシュ型は、データをホップ(バケツリレー)でゲートウェイへ運ぶ。
IoTデバイスは、待機時は省電力モードで、データ送信のときだけ活発に動く。
しかし、受信側(ゲートウェイ、ノード)はいつデータが来るかわからないので、常に電源供給しながらスタンバイする必要がある。

どのような省エネ通信方式があるか

市場に流通している方式では、以下のようなものがある。
順に、特徴、通信距離、電源の維持できる時間を説明。

・Bluetooth
常時接続向け、~10m程度、数年間維持(ボタン電池)
・IEEE802.15.4
センサネットワーク向け、10~30m程度、数年間維持(乾電池)
・920MHz特定小電力無線
長距離通信、~1km程度、10年以上(アクティブRFID)
・RFID/NFC、数m程度、物による

無線LANが乾電池で数時間程度しか維持できないことを考えると、数年間維持できるという利点は非常に大きい。

これ以外にも、Z-Wave、DUST、自己発電モジュールを用いたEnOcean等がある。
これらは、ホームオートメーションや工業といった用途に応じた利点があり、
用途で使い分けることでより効果が得られる。
また、国内では電波法、海外では各々の国の法律で指定された規格を用いる必要があることを忘れてはいけない。
上に示した規格以外にも、省エネには以下のアプローチがある。

①平均消費電力を下げる
送受信には電池を消費するので、通常は電源OFFに近い状態で待機し、
一定時間間隔あるいはデータが準備できた時に起動するようにする。
特に、データの送信時では電力消費が大きいので、送信の間隔を長くすることで消費電力を下げることができる。

②1回の通信時間を短くする
データをコンパクトにしたり、通信プロトコルの工夫で、データのやり取り頻度を下げる。
データを、テキストでなくバイナリ形式にすることでコンパクト化できる。
CoAP(Constrained Application Protocol)という低CPU・メモリのセンサ向けの軽いプロトコルを用いることでも、通信時間を短縮できる。

通信を中心に説明してきたが、実際のIoTシステムでは、センサを含めた省エネ化を考えることが必要となる。

試験に出そうなところ

ここにきて1ページあたりの情報量がとんでもないことになっています。
特に3-2。自分で書いてて混乱してきた。
学んでないと聞きなれない用語が多いですが、試験までに覚えておきたいです。

IoTネットワークの構成

IoTネットワークの構成は、どういったものを基準にどう分けるか?
通信方式の分類、それぞれの利点欠点、使用する環境の例は?
・PLC、LAN、WANとはそれぞれ何のことか?
・トラフィックにおける留意事項とは?

無線LANにおける通信

・無線LANの長所と短所は?
無線LANの規格はどういった名前だったか?
→表にはしてあるけど、似たような名前、どこまで深く聞いてくるんだろう。
周波数帯を使い分ける理由は?
ch、APとは何のことか?電波干渉との関係は?
・屋外での無線LAN使用で配慮する事項は?
・【重要】テキストに太字で書かれていた、無線LANへのニーズ3つは?
→APを選定する際に考慮しなければならない点。
・複数APを設置する際にやることは?

省エネ通信方式

そもそも、なぜIoTデバイスには省エネが求められるのか?
・どういったネットワーク構成(トポロジ)が紹介されていたか?
・どういった省エネ通信方式があり、どれ位電源が持つか
省エネ化目的で、通信方式以外にどういった方法があるか

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