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IoTシステム技術基礎検定 #5 IoT×ロボット

Last updated at Posted at 2017-11-01

<< [#4 2-6 ~ 2-8](https://qiita.com/yamato031033/items/97cfe2f7ec624eb9b734) | #5 2-9 ~ 2-13 | #6 まだ!>>
#はじめに
勉強5日目です。
いろいろ忙しくて、だいぶ遅れてしまいました。
約1ヶ月には試験なので、ペースを上げていきます。
前回まではMEMSやエナジーハーベスティングの技術について触れました。
今回は、IoTがロボット業界にもたらした変革を中心に探っていきます。

【今回取り組む内容】
・2-9~2-13 (テキストP79-94)
IoTが産んだ新たなロボットブームや、流行りのドローンに関して。

#2-9 ロボットの活用
・IoTとロボット
IoTは、ロボットを効率よく動作させるのに一役買っている。
ここでは、ロボットの活用方法について説明していく。

・ロボットとは?
従来から、産業用、特に工場での仕様を目的としたマニピュレータ(手や足を模した装置)付きのロボットの導入が進んでいる。
一方で、サービスロボット等、従来のタイプ以外のロボットも多数登場している。
こうした動きから、経産省は2006年に「ロボット政策研究会報告書」の中で、ロボットは「センサ、駆動系、知能・制御系の3つの技術要素を有する知能化した機械システム」であると定義した。
これは1章にもあったIoTのサイクルと考え方が似ていて、
①センサで取得したデータを
②知能・制御系で処理&認知し
③認知に基づき駆動系を制御する
となっている。
新しいロボットの登場背景として考えられるのは、
センサは安価・高性能な**MEMS(2-7節)**によって、大量の情報を取得しやすくなった。
制御系も安価・大容量のメモリ・プロセッサの登場、クラウドコンピューティングやコンピュータビジョン、AIの技術進歩といったものに加え、ネットワーク環境の整備やバッテリー技術の革新といった様々な要因が挙げられる。

・注目のロボット
従来のロボットは、コントロールされた特定の環境での繰り返し作業を得意とし、特に産業用のマニピュレータの導入が進んでいた。
一方、新たなロボットは、多様な環境において、状況に応じて自律的に活動する能力が求められている。
自動運転の車が、カメラから入ってくる画像情報を見て他の車を避けたりとか、カメラが笑顔を検出して自動でシャッターを切ったりといった能力が例。
近年、特に注目を浴びているのが、自動運転車とドローン(Drone)である。
ドローンは構造物のインフラ点検や、自動配達での利用が期待されており、各自治体や企業が実証実験に取り組んでいる。
自動運転は、自動車メーカーのみならず、AI・クラウド・ビッグデータ等扱うIT企業が互いに提携し、世界中で激しい競争が起きている分野である。

・ロボットによる課題解決
少子高齢化により、さらなる労働力不足が懸念される日本では、ロボットやAIを使った労働力補完が期待されている。
ホワイトカラーの労働生産性の低さや、国際競争力への悪影響といった懸念もあり、ソフトウェアロボットと呼ばれる**RPA(Robotics Process Automation)**の導入や、IoT技術の活用による生産性向上をねらいとした取り組みが行われており、これらの課題の緩和・解決が期待されている。
こうした状況で、政府は有識者会議「ロボット革命会議」(2014)を発足させ、実行計画書の「ロボット新戦略」を発表した。
2020年の東京で開催されるオリンピックをターゲットに、自動運転車や、ドローンによる配達や農業での活用を目指している。
民間企業でもこれにのっとり、あらゆるロボットの開発、実証実験が盛んに行われるようになってきている。

※ホワイトカラー 白い襟(カラー)。一般には、頭脳労働をする人のこと。
対義語はブルーカラー(肉体労働者)。

#2-10 産業用ロボットとは
・産業用ロボットとは?
一般的には、「3軸以上の自由度を持つ、自動制御・プログラム可能なマニピュレータ」を指しており、主に工場で利用され、その種類は用途に合わせて多岐に及ぶ。
産業用ロボットは、ティーチングペンダントというリモコンで操作し、実際にロボットを動かして、その動きを記録する「ティーチング」を行い、記憶された動作を「再生」することで動作を行う。これら一連の流れをティーチングプレイバックと呼ぶ。
(ここ、テキストが誤字ってたので訂正します)
ティーチングには普通、実機を使用するが、3DCGを用いたオフラインのシミュレーションを用いる機会も増えている。

・産業用ロボットの種類
垂直多関節ロボット
ロボット例:TVMシリーズ
クレーン型。
人間の腕に似ているので、ロボットアームとも呼ばれ、汎用性が高いので産業用で人気がある。
3次元空間での作業ができる**6軸機構(前後左右上下の動き)**が主流。
搬送や溶接、塗装など色々な作業を任せることが出来、自由度が高い。
反面、剛性、力に対する変形度合いが低く、高速動作時にオーバーシュート(目標を離れ行き過ぎる)ことがあるので、ち密な制御が必要。

水平多関節ロボット
ロボット例:SCARA in RC
**SCARA(Selective Compliance Assembly Robot Arm)**と呼ばれ、水平方向に3自由度、つまり3つの変数でコントロールされるアームと、アームの上下運動による押し込み動作の計4自由度のロボット。
垂直多関節の弱点であった、上下方向の剛性が高く、水平方向にも柔らかさがあるので、部品の押し込み作業に向いている。

直交ロボット
ロボット例:ヤマハ発動機PV
ガントリー(門型)ロボットとも呼ばれ、単軸の直動ユニットを組み合わせたシンプルなロボット。
直線的な動作しかできないので可能な作業は限られるが、シンプルゆえ設計をしやすい。
半導体の設計や小さい部品の組み立てに有効。

パラレルリンクロボット
ロボット例:パナソニックPV
並列リンクを介して1点の動きを制御する、パラレルメカニズムを利用した新しい部類のロボット。
これに対し、多関節なロボットをシリアルリンクロボットと呼ぶ。
複数のモーター出力を1点に集中させるので、高精度・高出力な動作が可能。
計算上は多関節ロボットの数倍のパワーが出せる。
そうした特徴を活かし、従来では難しかった加工やプレス加工に利用される。

・人と協調して働くロボット
本来、ロボットには「人の作業を置き換え、自動化する」ことを目標としていた。
しかし、最近では「同じ空間で人と協調して働く」ロボットが注目されつつある。
そうしたロボットは人間協調型ロボットと呼ばれ、安全条件を満たせば人間と協調動作も可能になるといったルールも出来たことで、人間とロボットの共同作業が可能になった。

・産業用ロボットとIoT
IoTを活用したロボットのスマート化の動きも盛ん。
ロボットにセンサを載せ、ネットワークを用いてデータを集め、AIを活用し生産管理やメンテナンスに利用、結果的に稼働率や生産性の向上をねらうといった動きや、ロボットを自律的に動かす知能化といった技術も普及しつつある。

#2-11 新しいロボットとは何か
・新しいロボットの萌芽
同じ作業を黙々と繰り返すロボットだけでなく、色んな状況に合わせて自律的に動くロボットや、人とのコミュケーションを可能とするロボットが注目されている。
2000年の、本田技研のASIMOや、ソニーのAIBO(12年ぶりに今年復活!)に始まり、2005年の「愛・地球博」では様々なロボットが発表され、大きなロボットブームが発生した。
同時期、自作の2足歩行ロボットがマニア間で流行し、ラジコン用のモーターやマイコンを組み合わせて、安価で自由度あるロボットを作ることが出来るようになった。キットの発売や競技大会も増え始め、ロボットはたった数年で大きな進化を見せていった。
最初、一般家庭に入ってきたロボットはAIBOのような愛玩・ホビー系が殆どだったが、2002年アメリカで発売された**Roomba(ルンバ)**は、赤外線・接触センサ、独自のアルゴリズムを搭載しており、普及した中では初の家事ロボットとなった。
そして、携帯電話の普及に伴い、センサやCPU、メモリの小型化・低廉化(安価になること)が進んでいった。
これらの利用によって、さらなる高度な処理や制御、そしてネットワークへの対応が可能になり、IoTを絡めた進歩を可能にしていった。

・第3次ロボットブーム
こうした好要因があり、2017現在は第3次ロボットブームと呼ばれている。
センサやCPUの低廉化に加え、クラウドやAIの発展で、より人間に近い認知をロボットができるようになったこと、それらを利用しやすくするフレームワークや、APIの登場も大きな要因である。
これまでのロボットが「人間に近い動き」に注目していたのに対し、第3次は「人間とのコミュニケーション」をテーマに掲げている。
必要以上に動こうとはせず、人と会話したり、感情を表情や声から読み取るといったことに重きを置いている。
ソフトバンクのPepperのように、様々なコミュニケーションロボットが普及しつつある。

・今後の展望
AIの進歩もあり、認知機能は人間のそれに近づきつつある。
動きについても、人間の脳を真似たニューラルネットワークの適用で、動きを学習することが可能になってきている。
認知に基づき動けるロボットは数を増やしつつあるものの、依然アクチュエータが高価なので、なかなか一般家庭に導入できないのが現状の大きな課題である。
対策として期待されているのが、**ソフトアクチュエータ(人工筋肉)**である。
軽量で柔軟な材料を使うことで、アクチュエータとしての役割を持つことができる。
例として、人間の筋肉を補助するパワードスーツへ利用される。
安価な材料で人の筋肉を真似することで、人のような動きをするロボットが導入しやすくなる。

#2-12 オートノマスカーとは
・コネクテッドカー
コネクトされた車、つまり、ICT(情報通信)の端末になる自動車のこと。
車両の状況、道路の状態といった色々なデータをセンサで集め、ネットワークで転送、分析することで新たな価値を見出す。
1章にもあった、安全運転ほどお得な保険のテレマティクスや、盗難車両の発見に使われる。
コネクテッドカーの注目が集まる背景は、第3次ロボットブームと同様に「通信の高速化」、「通信端末の低廉化」、「大容量データの処理環境の登場」といったものがある。

・オートノマスカー
Autonomous Car、要は自動運転車。
センシングやICTの技術を組み合わせ、運転者なしでも車が目的地まで運んでくれる車であり、ニュースで何回も取り上げられている。
背景として、コネクテッドカーの普及は勿論、センサの低廉化やAI技術の進歩が挙げられる。

・自動化のレベル
米国運輸者道路交通安全局(NHTSA)は、どこまでの動作を自動にしているかといった基準で自動化のレベルを分けている。
2017年現在、レベル2までが適用されており、自動車メーカーやIT企業がしのぎを削っている業界である。

レベル 解説
0 人間が全て操作する、今の普通の車
1(運転支援) 自動ブレーキ等、システムが人を時々支援、いくつかのタスクを実施
2(部分自動運転) システムがいくつかのタスクを実施。人間が状況を監視し、残りのタスクを行う
3(条件付き自動運転) 通常時は自動、非常時、一定状況では人間が運転
4(高度自動運転) 高速道など、特定の条件下では完全自動。条件以外では人間が操作
5(完全自動運転) 全ての運転をシステムが担う。最終形態、理想の自動運転。

・自動運転の技術・業界動向
自動運転がブームになったきっかけは、米国の研究機関DARPAの主催する自動運転車の競技大会である。
ここで活躍した人材・アイデアを積極的に取り入れた米グーグルは、公道での自動運転の実証実験を繰り返していった。
自動運転におけるグーグルの強みは、かつてから培ってきたクラウドコンピューティングやAIの技術、膨大なマップ情報を保持していること。
光による距離の検知技術であるLiDARというレーザスキャナーの開発も行っている。
各自動車メーカーに自動運転のプラットフォームを配り、急速に力をつけているのが**NVIDIA(エヌビディア)**というGPU開発大手企業。自動運転のカギであるディープラーニングの計算方法が、GPUの処理方法と類似しているという点を利用し、うまく存在感をアピールしている。
自動運転において、自動車メーカーで注目されているのが、これも米国のTesla(テスラ)。

・国内の動向
政府は、東京オリンピック開催の2020年まで、自動運転タクシーを本格化すると発表している。
民間企業もこれを受けて、活動を始めている。
国主導のトラック隊列走行に、DeNAのロボットタクシーや、ソフトバンクの東京大学と提携した研究開発が有名。

#2-13 ドローンの現状
・さまざまな分野におけるドローンの利活用と電波利用
市販のドローンは、無線LAN機器等を用いたものが多いが、長距離での制御や画像伝送が苦手。
無線LANのドローンは、画像伝送できる距離は300m程度である。しかし、電波の出力(最大空中線電力)を10倍にするころで5kmの長距離通信が可能になる。より長距離で、高画質な画像伝送といった電波利用に対するニーズが高まっている。
ドローンを使う場所によっては、国土交通大臣の許可が必要だったりとか、特定の周波数帯では無線従事者や無線技士の免許が必要になるなど制約が多い。

・ロボットにおける電波利用の現状
ロボットにおける電波は、これまで制御に多く使われていたが、空撮ドローンのように画像・映像伝送のニーズも高まっている。
ドローンの通信方式は単向通信・同報通信・単信方式と呼ばれ、上り(操縦コマンド伝送)・下り(データ伝送)で別の周波数が使われる。
データ伝送は、GPS情報やカメラ映像の情報の伝送を指し、観測が主体。
コントロールと観測は一体的に動かす必要性は低い。
無人作業者では、**一周波複信方式(TDD: Time Division Duplex)**が使われ、上りと下りの回線を同じ周波数で、時間を分けて交代で利用する。
映像の伝達とロボット制御を分けることで、1つの通信システムで運用できる。

#試験に出てきそうな内容
注目される技術のドローンや自動運転車はとても魅力的ですが、事故が起きた際のリスクも大きい分野です。
本当に基礎的な内容ですが、出題側にとっても押さえておいてもらいたい内容だと思います。

・ロボットの定義
経産省が決めたロボットの定義はどういったものだったか?

・従来と最新
従来のロボットはどういったものを指すか?
新たに注目されているロボットはどういったものか?
どういった分野での活用を目指しているか?

・産業用ロボット
産業用ロボットの定義はどういったものだったか?
させたい動作を、どうやってロボットに伝えるか?
産業用ロボットの種類はどういったものがあり、それぞれの特徴を思い出せるだろうか?

・新たなロボット、第3次ロボットブーム
新たなロボットの具体例(名前)を言えるか?
第3次ロボットブームの発足、IoTが絡むようになった背景は?
どういったロボットが注目され、企業が力を入れているか?
今のロボットの課題、対策の検討はどういったものか?

・オートノマスカー(自動運転)
コネクテッドカー、オートノマスカーの意味と関係は?
【特に重要】自動運転のレベルについて説明できるか?
海外、特に米国はどういったアプローチをとっているか?
日本国内ではどういった動きがあるか?

・ドローン
テキストで挙げられていた、ドローンのニーズとは?
ドローンを飛ばす際、場所によっては必要になる許可とは?
ロボットにおける電波利用にはどういったものがあるか?

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