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TypeScriptを5.4に上げるまでの過程

Last updated at Posted at 2024-06-02

TypeScriptのバージョン:4.9
Nodeのバージョン:18
Viteを使用しています

1. 背景

業務のコードでTypeScriptを採用しています。

バージョンは4.9です。

現在TypeScriptは5.4.5が最新です。
ますます差が大きくなると上げづらくなる為、上げることになりました。

2. TypeScriptの破壊的変更を整理

5.0

関係演算子における暗黙の強制演算を禁止

TypeScriptの一部の操作では、暗黙の文字列から数値への強制を引き起こす可能性のあるコードを書くと、すでに警告が表示されます

function func(ns: number |string) {
return ns * 4; // Error, possible implicit coercion
}

5.0では、関係演算子 >, <, <=, >= にも適用されます。

functionfunc(ns: number |string) {
return ns > 4; // Now also an error
}

必要であれば、 + を使って明示的にオペランドを number に強制することができます

functionfunc(ns: number |string) {
return +ns > 4; // OK
}

5.1

ES2020とNode.js 14.17が最低ランタイム要件

TypeScript 5.1では、ECMAScript 2020で導入されたJavaScriptの機能が実装されています。
TypeScriptがNode.js 14.17以降でしか動作しないです。

5.2

最近のNode.jsの設定では、modulemoduleResolutionが一致していなければならない

-module nodenextを単独で使うか、-module esnext --moduleResolution bundlerを使った方がいいそうです。

"module": "ESNext",//esmodule と呼ばれるモジュール読み込みの解決方法
"moduleResolution":"bundler",//imports の相対パスにファイル拡張子を要求しない、変更してもファイルパスは既存のままでOK

5.3

インスタンス・プロパティに対する super アクセスのチェック

super.プロパティアクセスによって参照される宣言がクラスフィールドである場合にエラーを出すようになりました。

5.3以前でもエラーが出ているのでもう少し調査してみます🙇‍♂️

image.png

5.4

破壊的変更はなかったです。

3. TypeScriptとVite関連のライブラリの関係から設定ファイルの設定値を検討

image.png

頭を整理するために図で関係するライブラリ、設定系を記載しました。

3.1. target

es2020にしました

経緯

現状の設定:ES6

nodeのバージョンで利用可能なECMAScript機能のベースラインサポートを知ることができるそうです。
Node Target Mapping

適切なECMAScriptのバージョンを指定することでTypeScriptのコンパイルを可能な限り少なくできます

候補

ここで気づいたのですが、

minifyでterserを使用していました。

terserでecma2020までのものしかminifyされない為、今回はes2020にしました。
ecmaの型

terserOptions: {
        ecma:2020,
},

3.2. module

es2020にしました。

経緯

現状の設定:CommonJS

バンドルされるコードにはpreserveかesnextを指定すると書かれていました。

esnextはTypeScriptのバージョンによって異なるため、今回はes2020と指定しています。
CommonJSスタイルで書かないため、preserveは採用しませんでした。

3.3. moduleResolution

Bundlerにしました。

経緯

現状の設定:デフォルトの設定

バンドラを使用している為です。
node16 や nodenext のように、このモードは package.json の "imports" と "exports" をサポートしますが、Node.js の解決モードとは異なり、Bundler は imports のパスにファイル拡張子を要求しません

TypeScript で"moduleResolution": "Node"は使わないほうがいい

Module Resolution

4. targetをes2020に変更して出たエラー

オブジェクトリテラルのキーの重複時にエラー

image.png

8進数のエスケープシーケンスでエラー

image.png

5. useDefineForClassFieldstrueにする

これをtrueにしないとトランスパイル時に、ブラウザで対応されてない静的初期化ブロックが書かれてしまいエラーになる恐れがあるらしいです。

viteの説明

これをtrueにすると子クラスで親クラスのプロパティを上書きしようとしている際にエラーが出るようになリます。

class A {
    value: number
}

class B extends A {
    value: number
}

スクリーンショット 2024-06-02 13.28.58.png

useDefineForClassFields

6. ビルド後のファイルを見る

ここでビルド後のファイルを見て意図していない変換がされていないか確認します。

7. 参考

8. 最後に

tsconfigの設定値や、vite.configの設定を知る機会になりました

本記事を読んで頂き、ありがとうございました。
いいねいただけると記事執筆の励みになりますので、参考になったと思われた方は是非よろしくお願い致します🙏

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