はじめに
さくらのクラウドのリソースマネージャー便利ですよね。
tfファイルという定義ファイルを用意しておけば複数のリソースを一括管理できるというもので、内部的にTerraformとTerraform for さくらのクラウドが利用されています。
リソースマネージャーでは公式にはterraform import
や別マシンで作ったtfstateファイルの取り込みをサポートしていないですが、実はちょっとしたHACKを利用することで取り込み可能です。
裏技的なやり方なので実際に試す際は諸々ご注意ください
リソースマネージャーにはtfstate編集機能がある
tfstateファイルとはTerraformの管理下にあるリソースの情報を格納したデータベース(実態はJSON)で、tfファイルに加えこのファイルを(手動で作成するなどで)準備すれば既存のリソースをterraform管理下に置けます。
そしてリソースマネージャーにはtfstateファイルの編集機能があったりします。
この機能を利用することで、terraform import
相当の処理や別マシンで作ったtfstateファイルの取り込みが可能となる = リソースマネージャーの管理下に置けるようになっています。
以下に手元のマシンで作成したtfstateファイルをリソースマネージャーに取り込む手順をご紹介します。
リソースマネージャーにtfstateファイルを取り込む手順
<注意点>
この方法はTerraformのドキュメント化されていない挙動(terraform refresh
でtfstateファイルが作成される)ことに依存しています。
Terraformの将来のバージョンでは利用できなくなる可能性があります。
なお、当記事ではterraform v0.11で動作確認しています。
また、当然ながらリソースマネージャーで利用できないterraformの機能(remote-execやmoduleなど)を利用している場合もダメです。
Terraformとリソースマネージャーの利用できる機能の違いについては以下のページを参照ください。
さくらのクラウド マニュアル: リソースマネージャーと Terraform の違い
準備) Terraformとプラグインのバージョンを揃える
あらかじめ手元のマシン上のTerraformとTerraformプラグイン(Terraform for さくらのクラウド)のバージョンをリソースマネージャーと揃えておきます。
リソースマネージャーで利用されているバージョンはコントロールパネル上のリソースマネージャー追加画面で確認できます。
バージョンを揃えたあとはterraform refresh
を実行してtfstateファイルを最新の状態にしておきましょう。
手順1) リソースマネージャーの追加
まずはリソースマネージャーの追加を行います。
コントロールパネルからリソースマネージャーの追加を行ってください。
手順2) リソースマネージャー上でtfファイルを編集
手元のマシン上のtfファイルをリソースマネージャーに登録します。
もしtfファイルを複数に分割していた場合は一つにまとめることになります。
画面上部の「tffileを変更」ボタンから編集画面を開きtfファイルの内容を記載してください。
手順3) 「整合性確認」コマンドを実行
tfファイルを作成したので、手元のマシンのtfstateファイルをリソースマネージャーに登録すればOKなのですが、この段階ではまだリソースマネージャー上にtfstateファイルが存在しないため編集しようとしても以下のようなエラーとなります。
そこでtfstateファイルを作成するために、リソースマネージャー上で整合性確認コマンドを実行します。
これはterraform refresh
に相当する機能です。
terraform refresh
コマンドは本来tfstateファイルを最新の状態にするコマンドですが、tfstateファイルがない状態で実行すると空のtfstateファイルを作成してくれます。
今回はこの作用を利用します。
これで空のtfstateファイルが作成されます。
コンパネ上のtfstateタブで内容が確認できます。
手順4) tfstateファイルを編集
続いて手元のマシンのtfstateファイルの内容をリソースマネージャーに登録します。
「tfstateを変更」ボタンから編集画面に行けますのでそこでtfstateファイルの内容をコピペします。
これで取り込み完了です。
確認) 「計画/反映」コマンドの実行
取り込みが正常に完了していると「計画/反映」コマンドで差分が出ない状態となるはずです。
実際に実行して以下のような表示となることを確認しておきましょう。
まとめ
まとめると以下の手順でtfstateの取り込みが可能です。
- 1) terraformとプラグインのバージョンを揃える
- 2) リソースマネージャーを追加する
- 3) tfファイルをコピペ
- 4) 整合性確認コマンドで空のtfstateファイル作成
- 5) tfstateファイルをコピペ
以上です。Enyoy!!