##この記事について
一般に市販されているWindows8 or Windows8.1搭載ノートパソコンにUbuntuを入れる方法.そんなものどこにでも載っていると思っていたがどの方法でもうまくいかない.繰り返すデータ削除,Windows再インストール.そんな中でようやく友人が見つけ出した方法.
ネットに載ってる先駆者様のページを見ても失敗ばかりだったので自分用備忘録としてまとめておく.
(作業自体は1年前に友人のPCで行ったのでうろ覚えな部分がある)
他記事との相違点はUbuntuを従来BIOS互換モードで起動させる時のパーティション個数制限に配慮している点.メーカー製PC,Windowsアップデート後のPC等ではこの問題のせいでうまくいかないことが多い様子.
##環境
PC: 東芝 Dynabook R732(文教モデル) Windows8搭載
OS: Windows8.1(Windows8からのアップデート)
OS: Linux Ubuntu 14.04 LTS(今回導入したOS)
##成功した方法
###免責事項
このページの内容は試行錯誤の末の推測や憶測が多数含まれており,正確性は保証できません.またページ作成者は閲覧者が被った如何なる損害にも責任を負えません.Ubuntuインストール前にはPC上全データのバックアップを推奨します.
###目次
❶.USBにUbuntuディストリビューションを書き込む
❷.BIOS画面を起動
❸.「Secure Boot」をOFF
❹.「UEFI」から「CSM」に変更
❺.BIOSを終了しUbuntu起動準備をする
❻.UbuntuをUSBから起動する
❼.GPartedを起動する
❽.Windowsパーティションを移動させる
❾.Ubuntuをインストール
####❶.USBにUbuntuディストリビューションを書き込む
http://kumasan1949.zouri.jp/ubuntu.html等からisoデータを入手し,起動ドライブとして認識されるように書き込む.
####❷.BIOS画面を起動
Windows8以降では高速スタートアップが有効になっていると,BIOSを開けない.
そこで,Windows起動状態から"次回起動時に高速スタートアップが無効になる"よう操作する.
手順はShiftを押しながらシャットダウン操作をするだけ.
この状態からBIOSを起動する操作を行う(東芝であれば起動中F2連打).
東芝であれば"TOSHIBA Setup Utility"なるBIOS画面が開く
####❸.「Secure Boot」をOFF
(私の環境の場合)これをOFFにしないと❹(CSMに設定)ができないので
BIOSメニュー > Security > Secure Boot
を<Enabled>から<Disabled>に変更.
####❹.「UEFI」から「CSM」に変更
(私の環境の場合)
BIOSメニュー > Advanced > ▶︎System Configuration > Boot Mode
を<UEFI Boot>から<CSM Boot>に変更.
####❺.BIOSを終了しUbuntu起動準備をする
4番まででBIOSでの操作を終えたので終了操作をし,Ubuntuインストールに移る.
①Ubuntuを入れたUSBを挿入しておく.
②<Save and Exit>等を選択してBIOSを終了(私の環境の場合はF10→Y).
③その後再起動するときに,起動ドライブを選ぶ操作を行う(東芝であれば起動中F12連打).
④Boot Menuが開くのでUSBを選択する.
####❻.UbuntuをUSBから起動する
黒地に白文字の画面でUbuntuの起動についての選択肢が出てくるので
Try Ubuntu without installing (インストールせずUbuntuを試す)を選ぶ.
####❼.GPartedを起動する
Ubuntuデスクトップ画面が出てくるので左上Ubuntuマークを選び,検索画面を出す.
「GParted」で検索し,GPartedを起動する.
####❽.Windowsパーティションを移動させる
①GPartedで右上のドライブの選択(/dev/sd? (xxx.xxGiB)
と書かれたボタン)をWindowsのあるドライブにする(容量などから判断,既になっているかも)
②Windowsの入ったパーティションを右クリックし,「リサイズ/移動」を選択
③Ubuntuに必要な分,バーの「左端」を移動させてサイズを縮小する
(前方の空き領域がUbuntuに必要な分,後方の空き領域が0になるように)
④「リサイズ/移動」を確定(警告が出るかも)
⑤チェックマーク(全ての変更を適用します)を選択(結構長い)
⑥GPartedを終了
####❾.Ubuntuをインストール
デスクトップの(Install Ubuntu)でUbuntuをインストールする.
ただし「インストールの種類」の項目で「それ以外」を選択し,インストールしたい領域を手動で選択する.
スワップ領域などは作成しなかった.
###終了!
上記手順でインストールした場合,BIOSの設定を「EFI」にするとWindows,「CSM」にするとUbuntuが起動するようになる.
##解説(何をやったのか?)
###Windows 8 / 8.1 PCのパーティションについて
今回使用したPCのパーティションは以下のようになっていた.
ドライブ [ ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ ]
①. Windows8の回復パーティション
②. UEFI
③. 隠れパーティション
④. Windowsの起動パーティション(Cドライブ)
⑤. Windows8.1の回復パーティション
⑥. 東芝の回復パーティション
ここで問題になるのはMBR(パーティション管理領域)が最初の4つのパーティションしか起動ドライブとして認識できないこと.Ubuntuを④の後ろにインストールするとまずい.一方でこのWindowsはUEFI上で起動する.そのため④はこの4つに入れる必要はない.
[ PC起動 ]
↓ ←自動でBIOS読み込み
[ 従来BIOS起動 ]
↓ ↓ ↓ ←MBRから4つまで読み込み
[UEFI起動] [Ubuntu] [Windows8回復]
↓ ←GPTで128個まで読み込み
[Windows]
よってやるべきことは最初の4つのうち移動できるものを後方に移動させ,前方に空きを作ってやること.
ドライブ [ ① | ② | ③ | ④ | ⑤ | ⑥ ]
↓
ドライブ [ ① | ② | ③ | 空 | ④ | ⑤ | ⑥ ]
あとは空いたところにUbuntuをインストールすればよい。
#おまけ
###目次
失敗した経験談
わかったこと
用語集
###失敗した方法
####できなかったこと
以下のページを試したけどことごとく失敗,Windows8の入れ直しを余儀なくされた(悪いのは自分のPCのシステムを理解していない私であり,参考になるサイトばかりです).
####A.こちらを参考にインストール
1. 最初に試した.インストールは順調に進んだが,完了後の再起動でWindowsが起動.Ubuntuを起動させられない...
2. こんな時にはBootRepairを使用すればいいらしい.時間も無かったし無害そうな名前だから試してみた.結果→Windowsが起動しなくなる.
3. Windows8ディスクから起動し回復を試みる.結果→失敗.
ほかにもやったが忘れてしまった
###わかったこと
####PCのBIOSがしょぼい
当然ではあるが,一般販売向け,Windowsインストール済みのPCである以上Ubuntu等という異物を入れることを想定していない.そのため複雑なことをしようとしてもBIOSが認識してくれなかったり,起動順序が見えなかったり.
####Windows8による制約
UEFIがややこしくしている.Windows7以前の手順は参考にならないことが多い.
またSecureBootがどうたらがページによってまちまちで混乱する.
####Boot Repairは危険かも
Ubuntu上で動作するBoot RepairはMBRを弄ってしまうっぽい.Windowsが起動しなくなる危険.Boot Repairをする前にWindowsのバックアップを強く推奨.MBRの書き換えによる起動トラブル時は「TEST DISK」が良さそう(使ったことない).
###用語集
- BIOS:ファームウェア全般
- CSM:,従来BIOS互換モードのこと.(compatibility support module)の略.従来BIOS自体のことを指すときもある.
- MBR:CSM上で起動ドライブについて記憶する領域.
- UEFI:新BIOS
- GPT:UEFI上で起動ドライブについて記憶する仕組み.
- SecureBoot:UEFIからOS起動までの間に不正なプログラムが介在することを防ぐ仕組み.Microsoftが策定したもの.Ubuntuも対応できるらしいが...
##おわりに
###Special Thanks
試行錯誤の過程で全データを削除してしまったK.S.君.数か月にわたりPCを壊し続けたG君.貴方達の犠牲は無駄にしません.そして参考にさせていただいた多くのサイト作成者の皆様,本当にありがとうございます.
2016/08/11:
コメントありがとうございます! とても嬉しいです.励みになります.
久々に東芝PCを触れる機会があったので記事内容を確認・修正しました.