10
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

Oracle CloudでもRHELが正式に使えるようになったよ

Last updated at Posted at 2023-02-01

OCIでもRHELが正式サポート

2023年1月31に以下のプレスリリースが発表された。簡単に言うと
「Oracle Cloud Infrastructure上でRed Hat Enterprise Linuxが正式サポートされた」
という内容である。
Red Hat and Oracle Expand Collaboration to Bring Red Hat Enterprise Linux to Oracle Cloud Infrastructure
Red Hatとオラクル、協業を拡張 Red Hat Enterprise LinuxがOracle Cloud Infrastructureに対応
rheloci01.png

実はグレーだったOCI上でのRHELサポート

人によって多少意見の違いはあると思うが、OCI上でのRHELサポートはグレーだったと筆者は考えている。少なくとも客観的な事実として、OCI ComputeのPlatform ImageやMarketplaceでは、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)を提供していなかった。

Oracleの主張

Oracle側の情報ソースでは、イメージ持ち込み:BYOI(Bring Your Own Image)だけでRHELが使用できるような内容になっている。

【日本オラクル】オラクルのIaaSで使用可能なOSは何ですか?

オラクルがイメージを提供しているOSは以下の通りです。(2020年4月現在)
Oracle Linux、CentOS、Ubuntu、Microsoft Windows Server

提供しているバージョンについては、以下のマニュアルをご確認くださいませ。
https://docs.cloud.oracle.com/en-us/iaas/images/
また、お客様自身でイメージを持ち込んでいただくことで、上記以外の多様なOSをご利用いただけます。
詳細はこちらをご覧ください。
https://docs.oracle.com/cd/E97706_01/Content/Compute/References/bringyourownimage.htm

【公式マニュアル】Bring Your Own Image (BYOI)

現在の表記
Red Hat社との提携に合わせてBYOIの表記も次のように変更されている(Red Hat Ecosystem Catalogのリンク)。
image.png
提携前の古い表記

Linux and UNIX-like Operating Systems Supported Versions
RHEL 4.5, 5.5, 5.6, 5.9, 5.11, 6.5, 6.9, 7 or later

Red Hatの主張

Red Hatの代理店であるサイオステクノロジー社のWebページには「Cloud Accessとは何ですか」というFAQが掲載されている。

この内容を読む限りは、クラウド上でRHELを使用するには次の条件を満たす必要がある。そして、今回のプレスリリース以前、Oracle Cloud Infrastructureはリストされていなかった。

  • Cloud Accessが可能なクラウドサービスであること
  • 認定クラウド&サービスプロバイダー(CCSP)として認定されていること

そして今回の戦略的提携によって、OCI上でも公式にサポートされることになった。Red Hat社のWebページを確認すると、VM.Standard.A1.Flex(ARM系)、VM.Standard.E4.Flex(AMD系)、VM.Standard3.Flex(Intel系)のシェイプ(インスタンスタイプ)がサポートされていることがわかる。
rheloci02.png

では、実際にどうやって使うのか

詳しい方法は、Oracle Cloud Infrastructure Blogに書かれている。

簡単にまとめると次のとおりだ。

  1. Red Hat カスタマーポータルからRHELのイメージをダウンロード。もしくはImage Builderでイメージ作成
  2. OCI Object StorageにRHELのイメージをアップロード
  3. RHELイメージをカスタムイメージとしてインポート
  4. カスタムイメージを利用してComputeインスタンス作成
  5. インスタンスをサブスクリプション登録

参考:How to install RHEL a new way with image builder

最初は面倒だが、一度カスタムイメージとして登録してしまえば2回目以降は簡単だろう。将来的にはMarketplaceに登録される可能性もある。

おわりに

いままでOCI上ではRHELの扱いが微妙だったため、商用パッケージソフトウェアの動作環境などで問題になることがあった。Oracle LinuxはRHEL互換ディストリビューションだが、それに対するソフトウエアベンダーの対応姿勢はさまざまである。今回の正式サポートによって、そのような課題が克服されたと言える。

課題をあげるとすれば、RHELの従量課金ができないことだろうか。

AWSやAzureでは、RHELの「サブスクリプション持ち込み」と「従量課金(クラウド料金と合算)」にも対応しているので、今後に期待したい。

10
4
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
10
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?