Power Apps のキャンバスアプリを、テナント外ユーザーへ共有して動作検証してみました。SharePoint Online(以降、SPO)のカスタムリストをデータソースに持つモノのみ、です。
検証結果
結論からお伝えすると「ゲストが Power Apps の共有に適合したライセンスを有しており、かつ関連する箇所へ権限が正しく付与されていれば動作します」です。実際の動作は下記の動画を確認ください。
環境は全て試用環境で、Power Apps for 365 ライセンスを両者ともに保有です。左側のブラウザーがデータソース、および Power Apps アプリを保有する側のテナント。右側がゲスト側環境ですね。なお、動画に音声は含まれておりません。
検証の補足
左側のアプリ元ネタ環境を持っている側ですが「データソースである SPO のサイト自体に、右側のユーザーを事前にゲスト登録済み」です。SPOグループを作成してあり、グループ自体の権限は”投稿”に設定してあります。データソースのカスタムリストは権限が継承されている状態になっています。つまり、ゲストは直接SPOへアクセスして該当リストへ書き込むコトが可能な状態ですね。
ようは「アプリだけじゃなくて、アプリから利用するデータソースなどにもゲストがアクセスできないとダメよ」ってコトです。
ここらへんが動画から読み取れない方で、ゲストにアプリ共有したいと考えている方は SPO のサイト構築や権限設定まわりを把握することをおススメします。ゲスト云々に関わらず、権限まわりは知っておいて損は無いですよ。
参考URL
その他、外部ユーザーへの共有における前提条件などは公式情報をご確認ください。
特に、Power Apps 利用にあたりゲストに必要になるライセンスに関しては、SPO や Teams のゲストとは異なるポイントになるので注意が必要ですかね。
- ゲスト ユーザーは、次のいずれかのテナントを通じて割り当てられたアプリの機能と一致する Power Apps 使用権のライセンスを所持する必要があります。
- 共有されているアプリをホストしているテナント
- ゲスト ユーザーのホーム テナント
蛇足ですが、下記のセクションが「Common Data Service」表記になってますね。適宜読み替えてください。
まとめ
記事投稿時点(2021/05/17)における制約を含む、にて。
- ゲストのライセンス、および権限設定が適切であれば Power Apps の外部共有は可能
- ただし、コネクター等で制約がある場合があるかも…
(詳細は公式サイトにて確認されたし)
- ただし、コネクター等で制約がある場合があるかも…
- ゲストを共同所有者にはできない
- アプリに加えて、データソースへゲストがアクセスできる権限設定が必要
- 認証やアクセス制限などは双方テナントのセキュリティに依存するでしょう
- 例えば、招き入れる側が AAD P1 でゲストも制限していたら、その範囲外からは利用不可
- なぜって?アプリの実行前には必ず認証がありますからね
- SPO以外のコネクター、データソースは検証していません
- なぜって?現状は当方には必要無いからですね(逆に言えば必要に迫られれば検証します
- 加えて、必要になったタイミングで VerUp してるかもしれませんからね...
SPO 以外のコネクターでデータソースが別のモノ(例えば Dataverse 等)を利用してゲストアクセスも視野に入れる際は、必ず公式情報を確認して、かつ事前に検証したほうが良いでしょうね。
それでは、皆さま。素晴らしい Power Platform Life を!