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スペシャリストからエンジニアリングマネージャーの役割に変わった後、メンバーと向き合った今年の振り返り

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この記事は 株式会社うるる(ULURU) Advent Calendar 2023 の21日目の記事です。

はじめに

今年4月からスペシャリストからエンジニアリングマネージャーに着任してから8ヶ月経ちました。
本記事はこの8ヶ月でメンバーと向き合ってきた過程を振り返りをしようと思います。

早速結論から

実際にやってよかったと思ったこと

1、週次1時間1on1の実施(信頼関係構築)
2、メンバーとの月次振り返りの実施
3、オンボーディング中の新メンバーに対して週3~5回のフォロータイムを作ること

これからやって行きたいこと

1、メンバーにチャレンジングに取り組む余裕を作ること
2、メンバーのチャレンジング機会を作ること
3、メンバー同士が仕事以外の雑談の機会を多く作ること

実際にやってよかったと思ったこと

1、週次1時間1on1の実施(信頼関係構築)

1on1はスペシャリストだった時代でもやってましたが、2週間に1回30分程度でやっていて、内容は雑談と悩み相談でした。
今振り返ってみたら、その時期では「ひと」と「こと」のどちらかいうと、「こと」へのコミットは中心でした。

マネージャーになった後、最初に正直スペシャリストだった時代と同じ気分でやっていました。そして、最初の1~2ヶ月の間、上司としてメンバーとの信頼関係はあまり構築できていないと気づき、反省したら 「メンバーとの会話が圧倒的に足りていなかった。」 と結論し、週1回1時間の1on1を実施するように変えました。

具体的に3つのセクションに分けて実施するようにしました。

①信頼関係の構築
┗ ご自身が抱えている悩みの解消(ヒアリング)
    ┗ モチベーション
    ┗ 業務負荷
    ┗ 能力の発揮
┗ 双方向コメント(お互い内省を起こす)

②自己成長サポート
┗ 自己理解
┗ 自分が目指している姿はなにか?
┗ そのために向上、チャレンジしていきたいこと?
┗ 個人目標設定

③ビジョン、ミッションの共感
┗ 事業ビジョン、チームミッションの伝達
    ┗ 共感している部分の確認、説明
    ┗ 共感していない部分の確認、説明

①は毎回必ずやっていて、②は①を終わったらやります。
③は事業や開発方針、体制、ミッションの発表や変更があった際に話しています。

「傾聴」と「双方向の会話」への取り組み

当たり前かもしれないですが、組織が人が集まって成り立つもので、そして組織力を出すには全員を同じ方向へ進めるようにしないといけません。「皆一丸になって頑張ろう」とかの言葉がよく耳に入ったりしますよね!

ですが、皆さんを同じ方向へ進むにはとても難しいと実感しました。我々人間はロボットではありませんので、物事に対して、「納得」がないと自ら動いたりしませんし、命令されて納得のない状態で仕事をしたとしても、大きな成果を出せません。そして、組織が長く続きません。その結果、組織の成長が難しくなります。

なにより、自分はロボットのような組織を作りたくないと思っています。

しかし、一人ひとりそれぞれのキャリアスタンスと価値観によって、今やりたいこと、チャレンジングしたいことが異なります。
全員の思いに答えたいものの、事業をやる上では事業として成し遂げなければならないミッションがあるので、メンバーがやりたいことは必ずしも事業上のミッションと一致するわけではありません。

その中では、メンバー全員が事業のミッションの達成しながら、同時にメンバーのやりたいこと、チャレンジングしたいことの実現にも繋がる 「納得して働くことができる環境の構築」 は自分がマネージャーのミッションの一つとして設定しました。

そして、メンバー一人ひとり納得して働く状態を作るために、ちゃんと時間をかけて 「傾聴」「双方向の会話」 をするように取り組みました。

具体的には、毎回の1on1では短期と中長期を分けて、まず短期でメンバーの現在の作業負荷、モチベーション、心境の変化をヒアリングし、メンバーが抱えている悩みの解消を一緒に考えます。その後、将来的にやりたいこと、目標をヒアリングし、それを実現するプランを一緒に考えます。

作業現場では目の前の作業に追われて、今の現状に悩まされることがよくありますので、短期で直面している課題の解消はメンバーにとってはとても重要だと思って、毎回しっかり時間を使ってやっています。

しかし、目の前のことだけにフォーカスすると、本当にやりたいことが実現できるわけではありませんので、現場のあれこれを一旦離れ、視野を広げ、本当にやりたいことを実現するためには、将来にやりたいことに繋がるようにどうすればいいかは一緒に考えるようにしています。

この過程でとても重要だと思ったのは 「双方向」 の部分です。メンバーの声をヒアリングするのはもちろん大事ですが、ヒアリングした後、なにかを実現する方向性を見つけることはもっと重要だと思います。

方向性を見つけるには、メンバーだけでなく、自分も軌道修正が必要な場合があるので、そのために、自分とメンバーとお互いに意見を出し合い、お互いに内省を起こすことができる対話をすることで、実現の道を見つけることに繋がると考えました。

最後に、事業や組織としてのビジョンやミッションなどの方針を発表した後、もしくは変わる際に、メンバーが理解できるように説明をするようにしました。
当たり前ですが、組織方針発表、変更などの変化が発生する際に、なぜこうしたのか、なぜ変わったのかは説明しないともちろん納得できませんよね。

8ヶ月間全メンバー合計で60~70回の1on1を実施した所感としては、本当にやってよかったと思います。
そして、中でメンバーの成長が見られ、自分も過去に考えたことのないことを気づいて考えられるようになって、とても成長を感じました。

2、メンバーとの月次振り返りの実施

月次振り返りは自分が入社以来4年近く、自分の上司が中断なくずっとやってくれています。

この4年間、毎月の振り返りをすることによって、課題解消能力を磨くことができ、そして、自分過去一ヶ月の行動を振り返ることによって内省を起こすことができるため、おかげてとても成長に繋がったと実体験で感じましたので、今回自分が上司になってからも同じ取り組みをしました。上司がやってくれて自分がよかったと感じるように、これからはメンバーにも自分と同じく感じられるように取り組んで行きたいと思います。

3、オンボーディング中の新メンバーに対して週3回以上のフォロータイム作ること

新入社員が入社する際に、会社の諸制度のキャッチアップや、開発現場業務のキャッチアップは結構大変ですね。
メンバーが入社した後、OnBoarding期間と現場業務のサポート担当を設けているものの、やはり新環境に入る際に、何らかの不安が生じると思います。
そのため、新メンバーに対し、週3回以上のフォロータイムを実施するようにしました。

中で雑談、趣味、ビジョン・ミッションの説明、現場業務の質問回答、携わるプロダクトの歴史、組織の歴史の説明などなど、何でも話します!
そうすることでできるだけ入社前後のギャップを見つけ出し、不安をなくすように取り組みました。
最近新メンバーに「入社前後ギャップを感じたか?」と聞いてみたら、全くギャップはなかったとのFBをいただきました!
大変嬉しかったです><!!!

これからやって行きたいこと

1、メンバーにチャレンジングに取り組む余裕を作ること

60~70回の1on1をやってメンバーがチャレンジングしたいことが沢山あると分かって、そして、その大半はメンバーや組織の成長に繋がるやるべきなことで素敵なチャレンジングだと思っていますが、やはり取り組むのに最大のネックは 「時間の余裕がないこと」 ですね。

現場の開発業務が忙しく、新しいことのチャレンジングができる余裕を作らないと、長期観点の組織の成長に繋がりにくいと思いました。そいうえば、Googleでは20% RuleのSide Project Timeがとても有名ですね!(Gmail、Google MapなどのサービスがSide Project Timeによって生み出されたサービスらしい)
Googleの例から見ると、メンバーに一定の時間を使ってなにかをチャレンジングするには長期的に組織とメンバーの成長両方win-winになる可能性が高いと思っています。
しかし事業ミッションを達成しながら実現するには容易ではありませんので、これから実現方法を模索していきたいと思います。

2、メンバーのチャレンジング機会を作ること

ここは最近すごく思ったのですが、何かをチャレンジングするには、時間の余裕が必要なことはもちろん、機会と実行タイミングも同じく大事だと思いました。事業・組織状況によって、「今のこの状況だからこそ、今こそはこのチャレンジングをするのに絶妙なタイミング!」 だと思うことがありますよね!

実際、本当にありました。そして、マネージャーの立場で比較的に気づきやすいと感じました。

なので、メンバーの活躍機会を見つけて背中押しをすることもマネージャーとしての非常に大事な能力だと思いました。今積極的に実践中です!

3、メンバー同士が仕事以外の雑談の機会を多く作ること

アフタコロナの今ではリモートワークが常態化になっています。リモートワーク環境では作業に集中しやすかったり、移動時間を省けたりするメリットがある反面、メンバー同士の仕事以外のコミュニケーションの機会が減ることも課題だと感じています。
自分が60~70回メンバーと1on1ではっきりと分かったことの一つは信頼関係構築に対話の時間が必要とのことです。
そのため、メンバー間の信頼関係構築にも対話の時間が必要だと思っています。
これから、リモートワークのメリットを保ちつつ、メンバー間が仕事以外のコミュニケーションを取れるように工夫していきたいと思います。

まとめ

組織の状態を把握するために株式会社アトラエの運営する組織力向上プラットフォームである「Wevox」を全社で導入しており、エンゲージメントサーベイの計測をしています。

そこで自組織のスコアを毎月計測していますが、8ヶ月取り組んで、以下のようにスコアの上昇が見られ、徐々に成果が表れつつあると感じています!

スクリーンショット 2023-12-20 11.54.34.png

※Wevoxの自組織スコア画面から抜粋 (組織力向上プラットフォーム「Wevox」)

中でたくさん試行錯誤をやってきましたが、全然まだまだ未熟で、いくつの課題点も見えてきています。

これから、よりマネージャーとしての能力を磨き、 「事業・組織の成功」「メンバーのキャリアの成功」 両方貢献できることをテーマにして、これからも頑張っていきたいと思います。

以上は、スペシャリストからエンジニアリングマネージャーの役割に変わった後、メンバーと向き合ったこの8ヶ月間の振り返りでした。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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