Docusign導入について(LIFULLでの活用状況)
先日、Docusign社のイベント(Docusign Momentum24 Tokyo)登壇にて話した内容が評判良かったらしく、改めて記事としてまとめてみました。
この記事では、Docusignの導入を検討している。もしくは、導入後に活用が進んでいない企業の担当者をターゲットにした記事となっています。参考になれば幸いです。
1. DocuSignの活用シーン
LIFULLでは、DocuSignを用いて商談から受注までのプロセスを効率化しています。営業担当者は、出先でも契約手続きが可能で、申し込みの回収やリマインダーが自動化されることで業務がスムーズに進行します。このシステムは、Salesforceから申込書を作成し、DocuSignで送付することで、自動的にデータが書き戻され、受注フローが開始される仕組みとなっています。
2. 利用状況について
DocuSignの利用状況については、部門別の利用状況を見える化した結果、部門間で利用件数を競うようになり、月別の利用件数は、当初200件前後から1400件 → 1900件へと増加しています。利便性の高さが浸透することで、様子見していた他部門へも自然展開され、業務効率化も進みました。
3. 導入プロセスと開発コスト
DocuSignの導入は、Salesforce開発経験豊富な弊社エンジニアに担当してもらいました。またDocusign社のコンサルティング(有償ですが)も非常に優秀でお勧めします。そして、約半年をかけて導入から拡大まで進めました。導入期は開発期間と試験運用が続く流れで進みます。試験運用中は費用対効果が低いため最小限のライセンスでスタートするとコストを節約できます。また利用傾向も見えてくるので、必要以上のライセンスを購入するリスクも避けられます。
4. 費用対効果について
Docusignの費用は1書類の単価 × 枚数となっていますので費用対効果は重要です。
Docusignによるコスト削減効果の最たるは「印紙代」削減ですが、文書によっては印紙代削減が見込めない場合もあるため、業務フローの効率化によって費用対効果が出るように単価交渉をする必要があります。
4. 現場からの改善提案
活用が進んだ一つの目安として、現場サイドからの提案があります。
実際、導入後しばらくたって現場から業務フロー改善の提案が来ました。DX化において業務フロー変更は現場サイドとの調整が難航し、時間を要するのが常ではありますが、現場からの提案であればその限りではありません。これは利用サイドのモチベーションを上げ、更なるか活用と利用拡大が見込めます。
5. 導入から利用時の注意点
多機能であるためインターフェースがやや複雑です。そこは無料の onboarding サービスがるので活用してください(ただし利用期限があるので注意)。
Salesforceユーザーの無効化による受有情報がSalesforceに書き戻らない問題もシステムでの対応が難しいです。これは、申込書の送信はSalesforce内部ユーザーで行い、受注後の反映もそのユーザーで行いますが、退職等でユーザーを無効化すると当然できなくなってしまいます(すなわち受注に気づかない)。対応として、申込を全て回収してから無効化するか、無効化前に他のユーザーで再送信を行うなど、運用でカバーする必要があります。
6. サービス選定の重要な視点
DocuSignの選定においては、Salesforceとの相性の良さや組織管理の柔軟性、価格が重要視されました。電子契約の導入はデジタルトランスフォーメーションの一環として極めて有効であり、迅速な立ち上げと現場での使いやすさが成否を分かつ要素です。適切に導入することで、組織全体に利益をもたらすシステム作りが可能となります。