varとletの基本的な違い
Swiftでは、変数や定数を宣言するためにvarとletというキーワードを使用します。
両者の違いは、値を後から変更できるかどうかという点です。
varについて
var: 値を変更可能な変数
varを使って宣言したものは 「変数」 と呼ばれ、値を後から変更することができます。
var count = 10
count = 20 // 問題なく変更できる
一度値を設定しても、その後のプログラムの中で自由に値を変更することが可能です。
letについて
let: 値を変更不可能な定数
一方、letを使って宣言したものは 「定数」 と呼ばれ、値を一度設定したら変更できません。
let message = "Hello, World!"
message = "Goodbye, World!" // 「Cannot assign to value: 'message' is a let constant」エラーとなる
letを使って宣言した定数は、後から再代入しようとするとコンパイルエラーになります。
いつvarとletを使い分けるべきか?
基本的な考え方は次の通りです。
letはデフォルトの変数として使う
プログラムの途中で変更する必要がない値は、letを使って定数として宣言します。
これにより意図しない再代入を防ぐことができ、コードの可読性が向上します。
varは必要な場合のみ使う
値がプログラムの途中で変更される必要がある場合のみ、varを使います。
例:ループ内のカウンタ変数、ユーザーの操作によって変更されるデータを格納する変数など
なぜletをデフォルトにするの?
イミュータビリティ(不変性)順守のため
プログラムの中で変数の値が勝手に変わってしまうと、思わぬバグが起きやすくなります。
特に、同時にいくつもの処理を行うようなプログラムでは、この問題が顕著になります。
letを使って一度決めた値を変えないようにすることで、プログラムが予測どおりに動作しやすくなり、安全なコードを書けるようになります。
Swiftコンパイラのパフォーマンス向上のため
letを使用することで、Swiftコンパイラは変数が変更されないことを前提に最適化を行うことができ、結果的にプログラムのパフォーマンスが向上する可能性があります。
おわりに
Swiftではletの使用をデフォルトとし、必要に応じてvarを使うという方針を守ることで、より安全でバグの少ないコードを書くことができます。
Swiftが推奨するこのスタイルを意識することで、より良いプログラミングができるようになるでしょう。
補足:値型と参照型について
変数の参照方法についてもあわせて確認しておくと、より理解が深まるかと思います。