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ざっくり、経産省が公開したDX関連資料を整理する

Last updated at Posted at 2022-03-07

経済産業省がDXレポートを公開して、すっかりバズワードになっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。このレポートのシリーズは大変示唆に富んでいるんですが、複数の資料がありどこに何が書いてあるか把握するのが大変です。そこで、発表資料を時系列で整理してみました。

レポートの土台にある認識は共通ですが、コロナ禍の影響もあり、強調するメッセージが少しずつ変わってきていると思います。社会・市場の分析、経済振興策・政策を提言するレポートでありながら、アジャイル開発・リーンスタートアップ的に市場の反応を見ながら軌道修正してくるところが素晴らしい。

※もうちょっと中身を整理して紹介した記事をこちらに書きました。

DXレポート

2018年9月7日

※ここで「2025年の崖」というキャッチ―なワードが登場して、大きな注目を集めました。

※冒頭の「検討の背景と議論のスコープ」で将来のデジタルイノベーションへの理想像にふれていますが、現状の課題で既存のITシステムが足を引っ張る可能性があるということで、この課題をどう解消するかに焦点が移っています。で「2025年の崖」というキャッチーなワードで危機感をあおっています。その結果、それは本来のDXではないとか、レガシーシステムを何とかすればDXといった反応が出てきた感じですかね。

解説記事

DX推進ガイドライン

2018年12月

※DXレポートで指摘した対策の具体化を図るため、経営者が押さえるべき事項を明確にした資料ですね。

IT人材白書2019

2019年5月10日

同じにようにユーザー企業のIT活用やITベンダーの状況を扱っていても、この段階ではDXという言葉は出てこないですね。サブタイトルは「人から始まるデジタル変革」。

IPA デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進ページ

2020年6月29日公開

※まとめページみたいなものですかね。

DX推進指標

2019年7月31日

※セルフチェックツールですね。これを使うことで自社のレベルを把握できるし、この後で登場する認定制度や表彰制度にもつなげられるし、次のレポートの大規模調査もできる。うまい手だなぁ。

IT人材白書2020

2020年8月31日

※ここで、サブタイトルが「今こそDXを加速せよ」となりました。

※「データサイエンス、AI・人工知能、IoT、デジタルビジネス/X-Tech、アジャイル開発/DevOps、AR/VR、ブロックチェーン、自動運転/MaaS、5G」などに従事する「先端IT従事者」という言葉も登場して、こういうテクノロジーにチャレンジするのがDXだという印象を与えているような。

DX認定制度

2020年11月9日

※DX推進指標でセルフチェックしたら、その結果を投稿するとバッジがもらえるみたいなキャンペーン。

中小規模製造業の製造分野におけるDXの推進

2020年12月23日

※この辺までは、経済産業省のよくある振興策という印象でしたが、2020年春あたりから始まったコロナ禍が大きな社会的インパクトを与えました。DXも例外ではありませんでした。

DXレポート2

2020年12月28日

※この中間取りまとめで、コロナ禍の影響が盛り込まれています。できるだけ早く出したかったのか。

※おかげでリモートワークが当たり前になったり紙への捺印がやり玉にあげられたりと、多くの人ができるはずがないと思っていたデジタル改善が一気に進みました。DXレポート2では、「迅速かつ柔軟に変更して環境変化に対応できた企業と、対応できなかった企業の差が拡大」と言ってます。

※このレポートは、前回のDXレポートのふりかえりから始まっています。一定の成果を上げたものの調べてみたら大半の企業がDXができていないことが明確になったと述べています。また前回のレポートのメッセージがきちんと伝わっていないとしています。

※そのせいか今回のDXレポート2では、次のような広範囲な内容を取り上げています。

  • 第2章:DX の現状認識とコロナ禍で表出したこと
  • 第3章:デジタル企業の姿と産業の変革
  • 第4章:企業の経営・戦略の変革の方向性
  • 第5章:政府の政策の方向性
  • 第6章:DX レポートでの指摘とその後の政策展開

※とくに第3章では「企業の目指すべき方向性」「ベンダー企業の目指すべき方向性」をわかりやすく打ち出しています。

※すべての企業が対応できる訳じゃないとすると、これがきちんとできるだけでレガシー企業文化からの脱却できて、それなりの競争力が付くんじゃなかろうか。

※「中間とりまとめ」とあるけれど、最終レポートがあるのか。

解説記事

DXレポート2.1

2021年8月31日

※DXレポート2で企業の経営・戦略の変革の方向性を示した。けれど、変革後の姿について議論を進められなかったので、デジタル変革後の産業の姿やその中での企業の姿、そして企業の変革を加速するための課題や政策の方向性について議論してまとめたレポート。

※第2章で、DXレポート2で示した現状をさらに詳細に分析し、第3章で今後の方向性を描きだしています。また第4章でそのために必要な政策について整理しています。

  • 第2章:ユーザー企業とベンダー企業の現状と変革に向けたジレンマ
  • 第3章:デジタル産業の姿と企業変革の方向性
  • 第4章:変革に向けた施策の方向性

解説記事

DX 先進企業へのヒアリング調査 概要報告書

2021年9月21日

※「多くのDX の先進企業では、経営・事業・技術の3つに通じ、リーダシップを発揮できる「八咫烏
(やたがらす)人材」が中心となり DX の方向性や開発推進、事業適用を牽引していた」としています。

※解説記事にもあるけれど、そんな人材どこにいるんだ問題はあると思う。

解説記事

  • IPA『DX先進企業へのヒアリング調査』の4つの知見 DXプロジェクトを導く 「やたがらす人材」とは? | データで越境者に寄り添うメディア データのじかん
    2021年12月03日
    https://data.wingarc.com/yatagarasu-36753
  • アクセンチュアにおける鉄のビジネスモデルと「八咫烏人材」における救世主願望~美味しい鴨鍋の作り方~ - Togetter
    2021年09月27日
    https://togetter.com/li/1780342?utm_source=pocket_mylist

プラットフォームデジタル化指標

2021年9月27日

※DX実現の基盤となるITシステムについて、企業がDX対応状況を詳細に評価するためのツール

DX白書2021

2021年10月27日

※サブタイトルは「日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術」

解説記事

ITシステム構築のための手引書の作成(DX実践手引書 ITシステム構築編)

2021年11月16日

  • プレス発表 DX未着手・途上企業の担当者向け「DX実践手引書 ITシステム構築編」を公開:~DX を実現するためのあるべき IT システム「スサノオ・フレームワーク」を紹介~IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
    https://www.ipa.go.jp/about/press/20211116.html

2021年12月02日

DX SQUARE

2021年11月30日

※あまり注目を集めている印象がありませんが、DX解説サイトとしてよくできていると思います。

そのほか

DXレポート2.2

2022年7月13日

※この検討会のなかで、資料5:「デジタル産業の変革に向けた研究会」座長報告資料としてDXレポート2.2が示されています。つまり、経済産業省が正式に外部に打ち出したレポートではなく参考資料なのかい!?

DX白書2023

2023年2月09日

日米企業アンケート調査では、日本企業のDXはデジタイゼーションやデジタライゼーションの領域で成果はあがっているものの、顧客価値創出やビジネスモデルの変革といったトランスフォーメーションのレベルでは成果創出が不十分であることが分かりました。
人材面ではDX推進における課題が顕著にあらわれ、技術面では、特にスピード、アジリティ向上に必要となる手法・技術の活用が米国企業に比べて遅れている状況が明らかになりました。

※アメリカと比較して色々と遅れているとか、比較対象があるのは分かりやすいですね。ただ出羽守になりがちかも。

DX白書

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