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マッチングアプリは開発してからが『本番』リリースまでの険しい道のりに審査事情と戦略のリアルについて・・・

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はじめに

2025年現在、マッチングアプリの市場は飽和状態にあり、アプリストア(特にApple)の審査を通過するのが非常に難しくなっています。

AppStoreやGooglePlayで「マッチング」と検索すると数多くのアプリが表示されると思います。
中には初めて見るアプリも多いと思います。

特に恋活・婚活などの所謂 「男女の出会い」 のアプリはかなり飽和状態にあります。

そんな中、私は性癖・SM系というニッチなテーマでマッチングアプリを開発し、リリースを試みましたがAppStoreの壁に阻まれた経験があります。

この記事では、これからマッチングアプリをリリースしようと考えている方に向けて、審査対策・技術選定・リリース戦略を実体験ベースで共有します。

ちなみにリリースはできなかったので最終的にWebアプリに舵を切っています。
Kinkyer
というマッチングアプリです。
(割とニッチな界隈のアプリなので興味があるかただけどうぞ)

審査は通るのか?(2025年5月時点)

結論:

  • GooglePlay:通過の見込みあり
  • AppStore:リジェクトの嵐!

GooglePlayはなんとかリリース手前まで行けましたが、AppStoreでは出会い系アプリ全体に対する規制が厳しくなっている印象があります。

とはいえリジェクト理由として「性癖やSMを扱っていること」ではないように思います。
実際にBDSM向けのアプリはリリースされていますし。

ではどうして審査が通らないのか・・・

Guideline 4.3(b) - Design - Spam

そう、この 「Guideline 4.3(b) - Design - Spam」 という一文、何度見たことか!

あなたのマッチングアプリのUIはすでにリリースされている数多くのアプリと酷似しており、ユーザーが混乱しちゃうよ!
たとえニッチな業界のサービスであっても、見た目が同じでは意味がないよ!!
ユーザーが勘違いしちゃうからスパム扱いになっちゃうよ!!!

という指摘です。

確かにマッチングアプリの多くのUIは

Tinderのように左右にスワイプするものだったり、検索条件に当てはまるプロフィール情報をリスト表示させ、いいねを送り相手が許可すればマッチングとなり、DMする。

という流れだと思います。

私が作ったアプリも例に漏れず、他のアプリと似たり寄ったりのUIになっていました。
というより扱う業界が違うだけなので、結果そうなってしまいました。

しかし、一度や二度のリジェクトで諦めません。

ここから試行錯誤の日々が始まります。

他の機能を追加して差別化を図ってみる

機能が似たり寄ったりになるのであれば、追加して機能が豊富です!とアピールを増やせばいいのでは?

と思っていくつか機能を追加しました。

「SNS機能」「グループチャット」「診断チャート」「レコメンド機能」etc...

各機能の説明は省きますが、マッチングアプリにしてはかなーり機能盛りだくさんなものになりました。

しかし・・・

何度やっても「Guideline 4.3(b) - Design - Spam」

もう99%のリジェクトは「Guideline 4.3(b) - Design - Spam」でした。

いくら機能を追加したところで、このマッチングのメイン機能は差別化されていません。

一番大事な部分は結局変わらずなので、審査も通るはずはありませんでした。

ただ、そうは言っても中々審査は通らないとわかっていました。
私が開発着手する前から「ここ数年はマッチングアプリの審査は渋い」という情報を掴んでいたからです。

ワンチャンあればもしかしたら・・・なんて思っていましたが、そんな甘い幻想は打ち砕かれました。

なので開発はFlutter + Firebaseで進めていました

元々クロスプラットフォーム対応を考えて、Flutter + Firebaseで開発を進めました。
このアプリは企画から開発、リリースまで私一人で開発していたこともあり、クロスプラットフォームでの対応は必須で、その中で他案件で触っていたこともあり、Flutterは即決でした。

またバックエンドもサーバを構築してphpなんかで対応しようかと思ってましたが開発スピードを優先したかったので、こちらもある程度経験があるFirebaseを採用

  • Flutter:UI開発が高速で、iOS・Android両方に対応できる
  • Firebase:認証、Firestore、Push通知などの実装が容易

ということで開発をスタートしほとんどは1ヶ月もかからない期間で開発しました。

が、、、AppStoreの審査は通らず、アプリとしての公開は断念

Web(PWA)への切り替え

前述の通り、ストア審査に落ちることを想定して FlutterのWebビルド(PWA対応) も並行して用意していました。
幾度のリジェクトに頭を抱えた私はアプリ形式ではなく、Web版(PWA)として公開する方針に切り替えました。

メリット:

  • ストア審査が不要
  • URLで直接アクセス可能
  • PWA機能で「ホーム追加」や通知も可能

PWAはSafariの対応がプッシュ通知などでまだまだ完全でないデメリットもありますが、それでもサービスをリリースできる点では問題ありませんでした。

ただしFlutter Webは限界がある

そんなFlutterのWeb対応は、あくまで「おまけ」的なものであり、以下のような課題が浮き彫りに:

  • UI調整の柔軟性に欠ける
  • SEOやアクセシビリティ対応に不向き
  • モバイルブラウザでの体験が不十分

結局は痒いところに手が届かない箇所が多々あり、こっちはこっちで悪戦苦闘することになりました。
特に私が苦労した点は二つ

  1. テキストエリアの表示が安定しない
    「入力する用のテキストボックス」と「表示する用のテキストボックス」が存在していて、そのテキストボックスが片方をhiddenにし重ねて表示されている状態になります。
    その時に日本語入力のカーソルが微妙にずれてしまい、UI的に違和感がありました。
    (全く使えないとかではなく見た目の問題なのですが、これはこれで気になってしまい・・・)
  2. 起動に時間がかかる
    ページ読み込みにとても時間がかかりました。

一応アプリを利用することはできましたが、操作感やユーザビリティを考えるとWeb用に作り直す必要がありました。

VueでWeb専用UIを再構築

最終的に、Vue.jsでWeb専用のUIを再実装しました。

  • 軽量かつ柔軟なUI構築が可能
  • Webアプリとしての体験向上
  • デバイスごとの最適化がしやすい

フロント側の修正だけではありましたが、全ページ作り替えなので骨は折れました。

この時、一旦FlutterWeb版でリリースをしてアップデートとしてVue版に切り替えを行いました。

審査で重要だと感じたポイント

ストア審査に挑戦してみて、次の点が重要だと強く感じました

UI/UXの完成度
独自性や類似アプリと差別化されたデザインが大事

本当にここだと思います。

もう後発組なので、よほど尖った何かが必要なんだろうと思いました。
性癖やBDSMといったジャンルを取り扱っただけでは 「尖り」 にはならないようです。

まとめ:今から始めるならこの戦略

マッチングアプリのリリースには、ストアに通らない前提での開発戦略が必要です。

もはやWebアプリとして開発してPWAで進めるくらいでいいかもしれません。

もちろん画期的なUIデザインがあればいいと思いますが、私はダメでした・・・

おわりに

「まずアプリを作って出せばいい」という時代ではなくなりました。
企画の段階で審査リスクやWeb対応も含めた戦略設計をしておくことで、よりスムーズなリリースが可能になります。

私の体験が、これからマッチングアプリを作る方の参考になれば幸いです。

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