はじめに
この記事では、クラウド全般の概要や基礎的な用語をまとめます。簡単な内容なので、確実に覚えておきたい範囲です。基本的にはMS Learnの内容をまとめていますが、必要に応じて調べた内容もまとめています。
クラウドコンピューティング
クラウドコンピューティングとは、インターネット経由で提供されるコンピューティングサービスのことを指します。従来のデータセンターのように物理インフラの制約を受けないため、新規のデータセンターの構築や保守は不要です。
コンピューティングサービスの種類
コンピューティングサービスには主に以下のような種類があります。
- 仮想マシン
- ストレージ
- データベース
- ネットワーク
- IoT
- ML・AI(機械学習・人工知能)
共有責任モデル
共有責任モデルとは、責任をクラウドプロバイダーとコンシューマー間で共有することです。次の図は共有責任モデルを勉強するときに絶対にみる共有責任モデルの図です。
共有責任モデルは、次のようなクラウドサービスの種類によって、責任を持つのがプロバイダー側なのか、コンシューマー側なのか、それとも両方の責任なのかを区別することができます。
- クラウドサービスの種類
- IaaS:サービスとしてのインフラストラクチャ
- PaaS:サービスとしてのプラットフォーム
- SaaS:サービスとしてのソフトウェア
データセンターを持つケースでの責任
共有責任モデルの説明をする前に、データセンターを持つケースではどのような責任を負う必要があるのかを確認しましょう。
- データセンターの維持
- セキリュティの確保
- 物理的なセキリュティ
- ネットワークセキリュティ
- サーバーの保守・交換
- 電源
- 冷却
- インフラ管理
- ネットワーク接続
- ソフトウェア管理
- システムパッチの適用
- 正しいバージョンに更新
コンシューマーが常に責任を負う内容
- クラウド内の情報とデータ
- クラウドに接続するデバイス(携帯電話、コンピューターなど)
- 組織内のユーザー、サービス、デバイスのアカウントとID
- アクセスセキリュティ
- 必要なユーザーのみアクセス権を付与する必要
クラウドプロバイダーが常に責任を負う内容
- 物理データセンター
- 物理ネットワーク
- 物理ホスト
サービスモデルによって責任が決まる内容
- OS(オペレーティングシステム)
- ネットワーク制御
- アプリケーション
- IDとインフラストラクチャ
責任が変化するケース
同じSQLを使っていても、サービスモデルによって責任範囲が変化するケースを確認しましょう。
- クラウドSQLデータベースの利用している場合
- クラウドプロバイダーの責任:データベースの保守(修正プログラム、更新プログラムの実行)
- コンシューマーの責任:データベース内のデータ
- 仮想マシン上にインストールしたSQLデータベースの利用している場合
- コンシューマーの責任:データベースの保守、データと情報の管理
クラウドモデル
クラウドモデルとは、クラウドリソースのデプロイの種類を定義するものです。クラウドモデルは4種類あります。
プライベートクラウド
プライベートクラウドとは、自社専用で構築・運用されるクラウド環境です。プライベートクラウドを使用することで、自由に制御が可能になりますが、コストの高さが問題点です。プライベートクラウドにはオンプレミス型とホスティング型に分けられます。
-
オンプレミス型
自社のデータセンターでクラウド環境を構築した場合はオンプレミス型になります。 -
ホスティング型
間借りしたデータセンターにクラウド環境を構築した場合はホスティング型になります。
プライベートクラウドのユースケース
- リソースやセキリュティを完全に制御したいケース
パブリッククラウド
パブリッククラウドとは、クラウドプロバイダーによって構築、制御、管理されるクラウド環境です。プライベートクラウドと違って、パブリッククラウドの利用希望者は誰でもリソースにアクセスできる点が特徴的です。このように、パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いは、一般ユーザーによる利用可能かどうかの違いにあります。
パブリッククラウドのユースケース
- リソースの迅速なプロビジョニングを行いたいケース
- 従量課金で支払いを行いたいケース
ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドとは、パブリッククラウドとプライベートクラウドを利用するクラウド環境です。
ハイブリッドクラウドのユースケース
- 一時的な需要の増加に対応したいケース
- セキリュティの追加レイヤーを加えたいケース
- パブリッククラウドに保持するのか、プライベートクラウドにデプロイするのか、を使い分け
マルチクラウド
マルチクラウドとは、2つ以上のパブリッククラウドプロバイダーを利用したクラウド環境のことを言います。
マルチクラウドのユースケース
- 機能ごとに異なるクラウドを利用するケース
- クラウド間の移行を行っているケース
クラウドモデルに関するAzureサービス
クラウドモデルに関するAzureサービスをここでは2つ紹介します。
Azure Arc
Azure Arc
とは分散したサーバー環境をAzure上で一元管理するためのサービスです。Azure Arc
はすべてのクラウドモデルの管理に対応しています。
Azure VMware Solution(AVS)
Azure VMware Solution
とは、オンプレで動作するVMware vSphere
の仮想マシンをAzureへ移行するサービスです。AVSにより、簡単にクラウド・リフトができます。
従量課金ベースモデル
経費には2種類あります。
- 資本的支出(CapEx)
- 有形資産の購入など、1回限りの先行支出のこと
- 例:データセンターの建設、車両の購入、駐車場の再舗装、など
- 運用費(OpEx)
- サービスや製品など、時間や使用に基づいて継続的にかかる費用のこと
- 例:レンタル、リース、クラウドサービス
従量課金ベースモデルのメリット
使った分だけ支払えばいいのが、Pay As You Go
のメリットですね。
- 初期費用不要
- 不要になったリソースの破棄が可能
- リソースのニーズの正確な予測が不要
- 需要が高まればリソースを増やし、低下すれば減らせばいい
クラウドの利用に対する支払い内容
クラウドの費用はITリソースのみに発生し、管理費や電力には発生しません。
- 支払う必要のある内容
- ITリソース
- 支払う必要のない内容
- データセンターの維持
- サーバーの管理
- 電力
- セキリュティ
終わりに
改めてAzure
の基礎を勉強しなおすと、クラウドのメリットや使い分けについて、より深く理解することができました。まだまだAzure
勉強中なので、間違い等ございましたら教えていただけると嬉しいです。