簡潔に言うと
webブラウザの開発者ツールの「要素(Elements)」パネルから表示できるこれのこと
はじめに
DOM(Document Object Model)は、ウェブページの現在の状態を一元管理するためのデータモデルです。ここでは、DOMの基本概念と、Reactをはじめとする現代のウェブ開発におけるその重要性について解説します。
1. DOMとは?
定義:
DOMは、HTMLやXML文書を解析して生成される、ツリー構造のオブジェクトです。
- 元のHTML文書は、ブラウザに読み込まれるマークアップ言語としての設計図です。
- これに対して、DOMはその「生きた状態」をメモリ上に再現し、JavaScriptなどから動的に操作できるようにします。
動的な更新:
ユーザーの操作やJavaScriptの実行により、DOMはリアルタイムで変化します。たとえば、ボタンをクリックすると新しい要素が追加されるといった動作は、DOMの更新によって実現されます。
2. HTMLとDOMの違い
HTML:
- ウェブページの基本構造や内容を記述するマークアップ言語
- 静的なファイルとしてサーバーから送信される
DOM:
- HTMLをブラウザが解析・変換して作り上げる、動的なツリー構造
- JavaScriptによる操作でリアルタイムに変更される
ポイント:
開発者ツールの「Elements」パネルで見るDOMツリーは、初期のHTMLだけではなく、動的に更新された最新状態を反映しています。
3. DOMの役割と管理内容
DOMは以下の情報を一元管理します:
-
HTMLの構造:
各要素の階層関係や属性情報 -
CSSの適用結果:
要素に適用されるスタイル(Computed Stylesとして確認可能) -
JavaScriptによる変更:
ユーザーの操作やプログラムによる動的な変更
この一元管理により、ブラウザは効率的にページの描画や更新を行うことが可能となっています。
4. Reactと仮想DOM(Virtual DOM)
Reactは、DOM操作のパフォーマンスを向上させるために仮想DOMという仕組みを採用しています。
仮想DOMの仕組み:
- 実際のDOMの軽量なコピーをメモリ上に保持
- 状態の変化があった際に、仮想DOM上で差分(Diff)を検出
- 差分があった部分だけを実際のDOMに反映することで、無駄な再描画を削減
メリット:
- 高速なUI更新が実現
- 大規模なアプリケーションでもスムーズなユーザー体験を提供
5. まとめ
- DOMとは、HTML、CSS、JavaScriptで構築されるウェブページの "現在の状態"を管理するためのモデル です。
- HTMLは元の設計図であり、DOMはその設計図がブラウザ上で動的に再現された実態です。
- Reactの仮想DOMは、DOM操作を最適化し、効率的な画面更新を実現するための技術です。