はじめに
エンドツーエンド(E2E)テストは、アプリケーション全体の品質を確保するために欠かせません。しかし、複雑な操作を簡潔に記述するのは容易ではありません。そこでおすすめしたいのが、直感的なシンタックスを持ち、保守性を高められるCodeceptJSです。
今回は、CodeceptJSを使うメリットや導入方法、実際の活用例について解説します。
CodeceptJSの特徴とメリット
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直感的なBDDスタイル
CodeceptJSは「Given-When-Then」のBDDスタイルでテストケースを記述できるため、コードの可読性が高く、テストシナリオが自然言語に近い形で書けます。これにより、非技術者でもシナリオを理解しやすくなり、チーム全体での共有が容易です。 -
多様なバックエンドサポート
CodeceptJSはPlaywright、Puppeteer、WebDriver、TestCafeなど、多くのエンジンをサポートしています。これにより、プロジェクトや環境に応じた最適なバックエンドを選べる柔軟性があります。 -
強力なヘルパーとプラグイン
テスト作成を容易にするためのヘルパーや、スクリーンショット自動取得、リトライ機能などの豊富なプラグインが揃っています。テストの信頼性が向上し、保守性が高まるため、開発スピードが上がるのも大きなメリットです。
CodeceptJSの活用が適しているユースケース
- 複雑なユーザーインタラクションのテスト
- CodeceptJSは、複雑なフォーム入力やマウス操作、ドラッグ&ドロップなども簡単に実現できるため、ユーザー操作が多いアプリケーションに最適です。
- 回帰テストの自動化
- 頻繁にUIが変わる場合でも、CodeceptJSのシンプルな設計によりテストケースを保守しやすく、効率的なリグレッションテストが可能です。最初はAutifyなどのツールと併用しつつ、長期的にはCodeceptJSへ移行してテストの一元管理を目指すのも良い戦略です。
実際にCodeceptJSを使ってみよう
インストールとセットアップ
CodeceptJSのセットアップは簡単です。以下のコマンドでインストールできます。
npm install codeceptjs playwright
npx codeceptjs init
インストール後、プロジェクトにテスト構成ファイルが生成されるので、必要に応じて設定を行います。
サンプルテストの作成
シンプルなテストシナリオを書いてみましょう。以下はGoogleで検索するシナリオの例です。
Feature('Google Search');
Scenario('search text on Google', ({ I }) => {
I.amOnPage('https://www.google.com');
I.fillField('q', 'CodeceptJS');
I.pressKey('Enter');
I.see('CodeceptJS');
});
このようにシンプルで読みやすい構造のため、テストケースが直感的に理解しやすくなります。
CodeceptJS導入時の注意点
- 非推奨メソッドの更新
- waitForNavigationなどの非推奨メソッドが存在するため、最新バージョンを使用する際はドキュメントを確認し、waitForURLなどの推奨メソッドに置き換えましょう。
- CodeceptJSと他ツールの併用
- Autifyを初期段階のテストに使用し、CodeceptJSに段階的に移行することで、テストの効率的な管理が可能です。最終的にはCodeceptJSで統一し、複雑なテストシナリオも一元管理することで、より一貫性のあるテスト体制が構築できます。
まとめ
CodeceptJSは、そのシンプルさと柔軟性で、特にJavaScript環境でのE2Eテストに優れています。BDDスタイルでの記述により、チーム全体でテスト内容を共有しやすく、効率的なテスト自動化が可能です。テストの効率化を図りたい方や、シンプルかつ強力なツールを探している方は、ぜひCodeceptJSを試してみてください。