1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

SaaSに頼らない自前でE2Eテストの構築と運用

Posted at

1. はじめに

E2Eテスト(エンド・ツー・エンドテスト)は、アプリケーションの動作が期待通りかを確認するために重要なテスト手法です。多くの企業がSaaS型テストツールを使用していますが、自前でE2Eテスト環境を構築し運用する方法もあります。
本記事では、SaaSに頼らず自前でE2Eテストを行うための基本的な構築方法、メリット・デメリット、運用のポイントについて解説します。

2. 自前でE2Eテストを行うための準備

ここでは、どのようなツールを使うか、またどういった環境を準備するかを紹介します。

2.1 テストフレームワークの選定

  • CodeceptJS: 使いやすく、さまざまなテストをサポートするフレームワーク。非同期のテストも簡単に書ける
  • Playwright: 複数のブラウザに対応し、並列実行をサポート。高いパフォーマンスを持つ
  • Cypress: フロントエンドのテストに特化し、リアルタイムでブラウザの状態を確認しながらテストを行える

2.2 テスト環境の自動構築

Dockerを使って、テスト環境をコンテナ化する方法を解説。CI/CDでの自動化を進めることも重要です。例えば、Docker Composeを使って、複数のコンテナを連携させる方法を紹介します。

2.3 並列実行の設定

並列テストを活用することで、テストの実行時間を大幅に短縮できます。PlaywrightやCodeceptJSなどのフレームワークを使って並列実行を行う設定方法を説明します。

3. メリットとデメリット

自前でE2Eテストを行う場合のメリットとデメリットを整理し、読者が選択を考えるための助けとなるように記載します。

3.1 メリット

**

  1. 高度なカスタマイズが可能
    • テストの条件や環境を詳細にカスタマイズできます。たとえば、特定のネットワーク制約やデータ構成、ブラウザ設定を自由に設定可能で、プロジェクトに最適なテスト環境を整備できます。
  2. コスト管理の自由度が高い
    • 長期的にはSaaS利用のサブスクリプション費用を削減でき、自社サーバーやオンプレミスでの実行によりコスト管理がしやすくなります。特に大規模なテスト環境では、コストの大幅削減が可能です。
  3. セキュリティ・コンプライアンスの強化
    • SaaSを使用するとデータが外部に出るリスクがありますが、自社環境であればデータの流出リスクを防げます。機密データの保護や社内ポリシーに適したセキュアなテスト運用が可能です。
  4. 運用ノウハウの蓄積
    • テストフレームワークやCI/CD構築における技術力が社内に蓄積されます。問題解決や新機能の実装も社内で対応可能になるため、運用チームのスキル向上や自己完結型の技術力が身につきます。
  5. テスト実行のスピード向上
    • 自社内のリソースに合わせて最適な設定ができるため、インフラを工夫すればSaaSよりも高速にテストが実行できる場合もあります。負荷テストや高頻度のE2Eテストも迅速に行えます。
  6. 既存の技術資産をフル活用可能
    • 社内で既に使っているツールやインフラをE2Eテストに統合しやすく、システム全体を最大限に活用できます。既存リソースに依存することで、新たなシステムの導入コストも低減できます。
      7.独自のテスト環境が容易に再現可能
    • Dockerや仮想環境を使えば、テスト環境を簡単に複製・再現できます。開発環境とテスト環境の整合性を確保しやすく、デバッグや問題追跡も効率化されます。
  7. 長期的なリスク軽減
    • SaaSプロバイダーのサービス終了や価格変更に左右されず、継続的かつ安定した環境でテストを実行できます。自社の運用ポリシーに合わせた長期的な安定性を確保できます。
  8. カスタムレポート作成の自由
    • テスト結果の出力形式やレポートのカスタマイズが自由にできます。Allureなどのレポート生成ツールと連携させることで、より詳細で見やすいレポートを出力可能です。

3.2 デメリット

  1. 初期構築の手間
    • 環境をゼロから作り上げるため、時間とリソースがかかる
  2. メンテナンスの負担
    • システムのアップデートやトラブルシューティングが必要
  3. スケーラビリティの課題
    • テスト規模が大きくなると、リソースの確保や管理が大変
  4. トラブルシューティングの難易度
    • 問題解決には高度な知識や対応が必要になる場合がある

4. 実践: 自前でE2Eテストを実行する

CodeceptJSのセットアップ手順

1. プロジェクト作成とCodeceptJSインストール

mkdir codeceptjs-sample
cd codeceptjs-sample
npm init -y
npm install codeceptjs puppeteer --save-dev

2.初期設定

    npx codeceptjs init

3. テスト作成

tests/example_test.js に以下を追加:

Feature('Example Test');
Scenario('check Example.com title', ({ I }) => {
  I.amOnPage('/');
  I.see('Example Domain');
});

テスト実行

npx codeceptjs run --steps
  • Playwrightでの並列テスト実行: 複数ブラウザでのテスト実行方法。
  • Docker環境の構築: テスト用コンテナのセットアップとDocker Composeの設定例。

5. 運用のポイントと改善点

E2Eテストを運用していく中での注意点や改善方法を紹介します。

  • テストの保守性を高める: 定期的なコードレビューやリファクタリングを実施し、テストコードの保守性を高める方法。
  • CI/CDパイプラインへの統合: 自動化したテストをCI/CD環境に組み込んで、継続的にテストを実行する方法。

6. まとめ

自前でE2Eテスト環境を構築することには多くのメリットがある一方で、運用に関する負担や初期設定の手間も存在します。自社の状況に応じて、どの方法が最適かを検討し、最終的に高効率なテスト運用を目指しましょう。

参考

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?