概要
筆者はこれまでXcodeはCLI1の方にはお世話になってきましたが、GUIアプリ版にお世話になることは有りませんでした。しかし、最近Unityの勉強に凝ってしまいました。ところが、Unityで実装したアプリをiPad(iOS)用にビルドする場合、仕上げの段階でXcodeが必要なことが分かりました。迷わずApp Storeからインストールしようと思った矢先、Xcodes
なるアプリケーションに出会いました。これを用いることで、App Storeからインストールした場合は1バージョン(つまり最新版)しかインストール出来ないXcodeが複数バージョンインストール可能とのこと。*env
(*はrb, py, go,...)と同様のことが出来る様です。よってCLI/GUI両バージョンをインストールして使ってみることにしました。
環境情報
- macOS 12.6.7 Monterey
Xcodes CLI版のインストール
Homebrewを用いてインストールします。以下のコマンドを実行します。
brew install xcodesorg/made/xcodes
Xcodes GUI版(Xcodes.app)のインストール
こちらもHomebrewを用いてインストールします。以下のコマンドを実行します。本来は片方だけインストールすれば良いのですが、CLI版でインストールした結果をGUI版で確認出来るのと便利だと思ったため、筆者は両方インストールしました。
brew install --cask xcodes
Xcodesを実際に使ってみる
実際にXcodesを使ってみます。まず、現状インストール可能なバージョンを確認します。
xcodes list
現状バージョン14.2
がMontereyにインストール可能なリリース版としては最も最新の様です。よってバージョン14.2をインストールします。初回のみApple IDのアカウント情報の入力が求められます。また、インストール最終段階でユーザーパスワードの入力が毎回求められます。
xcodes install 14.2
ここで気になるメッセージが表示されていることに気付きました。XcodeのソースのダウンロードにurlSessionを利用しているが、より早くダウンロードしたいのであればaria2をインストールした方が良いことを示唆しています。
Downloading with urlSession - for faster downloads install aria2 (`brew install aria2`)
双方ともダウンロードマネージャですが、aria2は複数のサーバーから分割ダウンロードすることで高速化を図る特徴が有る様です。
urlSessionを利用した場合
折角なので、urlSession利用してダウンロードした場合とaria2を利用してダウンロードした場合の時間を計測してみたいと思います。測定にはtime
コマンドを利用します。
time xcodes install 14.2
結果として54分掛かりました。回線の状況によって上下するとは思いますが、約1時間近く掛かっています。
real 54m20.806s
user 11m33.712s
sys 5m38.195s
それでは、一旦インストールしたXcodeをアンインストールします。/Applications/Xcode-14.2.0.appがゴミ箱に移動します。
xcodes uninstall 14.2
aria2を利用した場合
aria2をHomebrewを用いてインストールします。
brew install aria2
aria2のインストールが完了したら、再度timeコマンドを用いてインストールに要する時間を計測します。
time xcodes install 14.2
インストール開始時に以下のメッセージが表示される様になりました。無事ダウンロードマネージャが切り替わった様です。
Downloading with aria2 (/opt/homebrew/bin/aria2c)
今度は20分でインストール出来ました。約1/3の時間でインストール出来る様になりました。矢張り、aria2をインストールしたことで大幅に高速化出来ました。
real 20m5.613s
user 10m30.760s
sys 4m57.019s
CLI/GUI双方利用を試す
ここから検証したOSが異なります。
- macOS 13.4.1(c) Ventura
Ventura向けリリース版としては最も最新の14.3.1をインストールします。
xcodes install 14.3.1
インストール後にxcodes list
コマンドを実行します。リリース版がInstalled
になっていることが分かります。
$ xcodes list | grep 14.3.1
14.3.1 Release Candidate (14E300b)
14.3.1 (14E300c) (Installed)
GUI版で確認してみます。14.3.1がインストール済バージョンとして表示されます。
まとめ
Xcodeのバージョン管理ツールとしてXcodesのインストールし、実際に利用する方法、ダウンロードマネージャの変更による高速化を扱いました。折角Xcodeをインストールしたので余裕が有れば、Swiftの勉強も始めてみようかと思った次第です。
Reference
-
xcode-selectコマンド ↩