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Google マイマップとGPSロガーアプリで取得した座標情報を用いてオリジナル巡礼地図を作ってみた

Last updated at Posted at 2022-06-30

事の起こり

お遍路さんでお馴染みの四国八十八箇所巡礼は四国4県(徳島,高知,愛媛,香川)の弘法大師空海に関わりの深い88の寺院を巡礼します.元々は修行僧の修行として行われていたのが,弘法大師信仰が広まるにつれて全国から多くの人が八十八箇所遍路に訪れるようになったようです.しかし,八十八箇所巡礼は四国四県に跨がるため,誰でも気軽にすぐに挑戦という訳にはいきません.よって四国の各地には八十八箇所の札所に因んだ石仏を安置し,その石仏を巡るミニ巡礼1が行われています.筆者の出身地の愛媛県四国中央市川之江町にも「川之江新四国八十八箇所」という四国八十八箇所札所に因んだ石仏が町内各地に安置されています.GW中は町内各地に安置されている石仏を巡礼し,設置されているスタンプを専用のスタンプ帳に押印していくことでスタンプラリーのように楽しみながら巡礼できるイベントが実施されていたので,筆者も挑戦しました.1つの町内を巡るとは言っても,場所によっては急峻な山道や獣道を進む場所も有り,なかなか大変な道のりでした.加えて紙の地図では縮尺の都合で実際の場所を探し当てるのに苦労する場所も有りました.そこで巡礼中に得られた様々なディジタル情報(画像やGPSの座標情報)とICT技術を駆使して,ディジタル版札所巡礼地図を作成しました.後述しますが,完成した地図はイベントを主催している寺院に寄進することが出来ました.

  • 参考

作成方法

地図の作成には,ユーザーがオリジナルの地図を作成し,自由に公開もできるGoogleのマイマップというサービスを利用しました.マイマップサービスのトップ画面で利用を開始をクリックし,新しい地図を作成をクリックすると白地図が作成されます.作成された地図にレイヤーを追加していくことでオリジナルの地図を作成できます.

my-map.png

白地図に写真の取り込み

マイマップサービスで白地図を作成し,巡礼中に撮影した各札所(石仏)の写真を取り込んで地図を作成しました.完成した地図としては下図のような地図2となりました.

first-version.png

この地図,各札所のお地蔵様の画像がサムネイルとして見えて良さそうだと筆者は思っていたのですが,後述の問題点に直面しました.

直面した問題: 写真に紐付いている位置情報が不正確

撮影した写真に紐付いているGPS座標情報がズレてしまっていて,地図上で全く異なる地点にアイコンが表示されるということが度々発生しました.GPSの誤差(数m)による影響と考えるにはズレが大きすぎる位置情報も有り,ネットで調べているとスマートフォンのカメラで撮影した写真に紐付くGPSの位置情報はしばしばズレが発生する場合(GPSが位置情報を取得中で正確な位置情報が紐付かなかった等)が有るようです.ズレを手動で修正して正しい位置に配置し直してみたものの,Google Mapで経路情報を表示させるとズレてしまっている地点を指すという問題3が発生してしまい,この地図を公開版とすることは断念するに至りました.この問題に対処する方法として後述の方法を採用しました.

解決方法: GPSロガーで取得した座標情報に写真を紐付ける

最近のスマートフォンのGPSは近年の技術革新も有り,非常に高性能です.よって本来ならかなり正確な位置情報を取得可能な筈です.そこでGPSの座標情報保存に特化したGPSロガーアプリを探していて,使いやすそうな印象を受けて以下のアプリを使って,位置情報を保存し,それを白地図に取り込み,取り込んだ位置情報に撮影した写真を紐付けるという方法で地図を作成することにしました.これでかなり正確な地図を作成することができました.無料で利用出来ますが,筆者は有料版(¥1,100.)を購入して利用しました.

route-history.png

完成した地図

ルートヒストリーを用いて取得したGPS座標情報を白地図に取り込み,取り込んだ位置情報に写真を紐付けることで地図を作成しました.アイコンは本来はサムネイル表示を採用したかったのですが,カスタムアイコンで写真を選択した場合,上手く表示されないため,橙色に白抜きの卍のアイコンを採用することとしました.

fudasyo-map.png

左側の札所一覧から所望の札所を選択することで,札所の詳細情報を閲覧可能です.但し,写真は表示サイズの都合で上部が切れた状態で表示されるため,写真を閲覧する場合は,再度写真をクリックして表示させる必要が有ります.

map-details.png

Google Map上で詳細な経路が表示されない札所については,ルートヒストリーで取得した経路を地図に反映し,詳細な経路を確認することができるようにしました.(ルートヒストリーの情報及び航空写真とも照合し,地図に反映)

additional-maps.png

完成した地図は川之江新四国八十八箇所巡礼イベントを主催している三領山吉祥院宅善寺に寄進しました.筆者の寄進については以下のお寺のページにて紹介して頂きました.

川之江新四国霊場参り②

:cracker: 地図を投稿して1ヶ月以上が経った本日(2022/6/30)の閲覧数を確認した所,1300回を超えていました.一部は作成の過程で筆者が開いた回数も含まれていますが,超ローカルネタの地図の閲覧数としては予想以上の回数です.

今後の課題

今回数日という短期間で作成したため,解決出来なかった課題が幾つか残りました.時間を掛ければ解決する課題と,現状の環境では技術的に難しい課題が有りますが,徐々に改善していこうと思います.

スマホでの利用方法の改善

現状の地図はPCで見る場合は簡単に利用出来ます.しかし,スマホ版のGoogle MapはUIが異なるため,PC版と同様に操作できないということが判明しました.現状は以下の操作方法で対処は可能ですが,かなり煩雑な操作が必要です.

地図の見やすさの改善

現状札所のアイコンがオレンジ色の(まんじ:寺院を示す地図記号)となっています.よって地図上でどこにどの札所が有るのかを左側の一覧から選択して確認する必要が有り,操作が煩雑になっています.スマホ版ではより顕著であり,改善の余地が有ります.最初に作成した版の様にサムネイルが表示される様にするか,札所番号のアイコンをドローソフトで描いてアイコンとするという手も有ると思います.但し,1箇所に複数の札所が固まっている場合も有り,改良案を検討中です.

fudasyo-map.png

Google Map本家に反映

この度公開した地図の改良を進めつつ,スマホでも快適に利用出来る様に,Google Map本家に位置情報と写真を投稿してしまうという方法も有ります.今回投稿した地図はPC上でじっくり見る用途として利用し,実際巡礼する場合はGoogle Mapで位置を調べて巡礼出来れば,あまり不便さや煩雑さは感じません.来年以降巡礼する時に投稿を進めつつ巡礼も良いなと思っています.

まとめ

今年のGWは非常に達成感の有る充実したものになったと思える程,この地図の作成に没頭しました.作成に当たって,最低でも2回,場所によっては3回現地に足を運んで位置情報など地図作成に必要な詳細情報を収集しました.短期間で作成したため,未解決の課題も残されていますが,少しずつ改善できればと思っています.また,作成した地図を宅善寺に寄進することができ,ご住職さんが快く寺院のホームページに掲載して下さいました.この場をお借りして感謝申し上げます.そもそもこの地図を作成しようと思った切っ掛けは寺院のホームページを見たことが挙げられます.伝統を重んじつつ,積極的にICT技術を取り入れられている姿勢に感銘を受け,ICTに関わる技術者としてICTを駆使してハイテク巡礼をやってみようと思って始めた結果が今回の地図作成に繋がりました.これぞ正にDX(Digital Transformation)ではないでしょうか!?筆者自身(技術者として)良い修行となりました.また,歴史上刀剣や額を寺院や神社に寄進したり,奉納したという事例は多々有りますが,ディジタル地図を寄進したという事例は本邦初?やもしれません.また,猛暑の中,何度も現地に足を運ぶことになり,その度に協力してくれた家族にも感謝です.

:warning: 地図投稿から1ヶ月以上経ってしまっての記事投稿...なかなか筆が思う様に進まず6月も最終日に漸く投稿となりました... :scream: :scream_cat:

2019年8月から毎月1報の記事を投稿することを目標に続けてきたQiitaへの記事投稿は35ヶ月連続で達成できており,次の投稿でいよいよ100報に到達します.今後も技術者としてのOutputの一環として投稿を続けていきたいと思います.

  1. この新八十八箇所の石仏巡礼は江戸時代から続く非常に長い歴史が有ります.石仏によっては作られた年が彫り込まれているものも有り,幕末の頃から安置されていることが分かったりします.

  2. 初版の地図は後述の問題も有り,公開していません.

  3. この記事を書くために確認した所,位置情報を修正した札所を含めて全て正しい位置情報が反映されていました.位置を修正しても直ぐには地図に反映されない仕様となっている可能性が有ります.但し,後述の方法でより正確な地図を作成できたので,初版は公開しないことにしています.

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