5
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

情報処理技術者試験の2024年秋期試験はデータベーススペシャリスト試験(DB)を受験することにしました。ところで、高度試験は合格率の低さで知られていますが、漠然と低いというイメージが有るだけでした。よって、IPAが公開している情報から調べてみることにしました。

参考資料

令和6年春期時点の(つまり最新の)統計情報を参考にしました。

過去5回の合格率を見てみる

高度試験の各試験区分の過去5回分の合格率です。通年実施の情報処理安全確保支援士試験(SC)は過去5回分、それ以外の試験区分は5年分のデータです。(単位:%)

試験区分 ST SA PM NW DB ES SM AU SC
1 15.4 15.3 14.1 14.4 14.4 16.0 14.7 14.6 19.2
2 15.3 16.5 15.1 12.8 15.8 16.4 15.0 15.3 21.1
3 14.8 15.0 14.4 17.4 17.1 18.3 14.8 16.0 19.7
4 15.5 15.8 14.1 14.3 17.6 19.7 15.2 15.9 21.9
5(最新) 15.8 15.0 13.5 15.4 18.5 16.6 15.0 16.4 18.3
平均合格率 15.3 15.5 14.2 14.8 16.6 17.4 14.9 15.6 20.0
標準偏差 0.29 0.52 0.47 1.38 1.31 1.27 0.15 0.57 1.18

略称一覧

  • ST(ITストラテジスト試験)
  • SA(システムアーキテクト試験)
  • PM(プロジェクトマネージャ試験)
  • NW(ネットワークスペシャリスト試験)
  • DB(データベーススペシャリスト試験)
  • ES(エンベデッドシステムスペシャリスト試験)
  • SM(ITサービスマネージャ試験)
  • AU(システム監査技術者試験)
  • SC(情報処理安全確保支援士試験)

全区分の合格率分布

全区分の合格率の分布をプロットすると、12%~22%の間に分布していることが分かります。しかし、折り重なって見にくいため、スペシャリスト系試験と論文試験に分けてプロットしてみます。

image.png

スペシャリスト系試験の合格率分布

所謂記述系の試験です。但し、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)は2023年度から論文試験に移行したため、合格率の数字は参考値です。安全支援士試験(SC)は、2023年10月から合格率を高めるために問題数を減らし、午後試験を午後Ⅰ、午後Ⅱと2つ実施していたのを午後試験1つに統合しましたが、大きく合格率が高まってはいないようです。ネットワークスペシャリスト試験(NW)は12%台まで合格率が下がったこともありますが、ここ数年は15%前後の合格率です。データベーススペシャリスト試験(DB)は近年の合格率が唯一右肩上がりの分布を示しています。

image.png

論文試験の合格率分布

論文試験は、プロジェクトマネージャ試験(PM)の合格率が年々下がっている以外は、どの試験区分も合格率が16%弱となっていることが分かります。

image.png

平均受験者数を見てみると

各試験の過去5回の平均受験者数を見てみます。(単位:1万人)

試験区分 ST SA PM NW DB ES SM AU SC
1 0.75 0.83 1.75 1.83 1.68 0.48 0.51 0.41 1.60
2 0.56 0.54 0.96 1.26 0.94 0.25 0.30 0.23 1.87
3 0.63 0.53 1.01 1.38 1.06 0.27 0.28 0.25 1.72
4 0.70 0.56 1.17 1.52 1.23 0.31 0.28 0.27 2.04
5(最新) 0.74 0.56 1.21 1.60 1.31 0.25 0.28 0.28 1.95
平均受験者数 0.68 0.61 1.22 1.52 1.24 0.31 0.33 0.29 1.84
標準偏差 0.064 0.10 0.25 0.17 0.23 0.079 0.080 0.058 0.14

image.png

最も受験者が多いのはSCであり、ここ数年は2万人弱の受験者です。2番手がNW、3番手がDBと続き、1万数千人の受験者が毎回受験していることが分かります。それに対して、論文試験はPMがDBと同じぐらいの受験者数であることを除けば、ほぼ全ての試験が1万人を割る受験者数であることが分かります。従来高度試験最難関と言われているSTの受験者はSCの約3分の1、NWの約半分であることが分かります。試験形式が記述式、論文式と異なっているため、単純に比較は出来ませんが、合格率、受験者数のデータを鑑みると、高度試験最難関は寧ろNWの方かもしれません。。。:scream: :scream_cat:

まとめ

高度試験を久方振りに受験するため、近年の合格率の傾向はどうなっているのかと興味を持ち調べてみました。流石は高度試験、合格率は一般に難関試験と言われるレベルの20%前後で推移しており、一筋縄では行かないことがこのデータを見るだけでもよく分かります。心してDBの受験に臨もうと思います。

5
1
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
5
1

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?