新型コロナウイルスの世界的流行により、テレワーク(リモートワーク)が当たり前となりました。筆者が入社した時は希望者が1ヶ月に1回お試しする様な状態だったため、隔世の感があります。テレワークが当たり前になって、しばしば言われる様になったことと言えば、「コミュニケーション不足」、「風通しの良い組織」、「1on1」です。風通しの良い組織のコミュニケーションとは一体どういうものなのでしょう?
そもそも風通しの良い組織とは?
風通しの良い組織と聞いて、筆者が連想するイメージが世間一般とかけ離れていては困るので調べてみました。以下の記事では風通しの良い組織のメリット・デメリットに加えて、13の施策まで紹介されています。
特徴
まず、風通しの良い組織とは以下の様な組織とのことです。以下、上記ページからの引用です。
・活発な社内間コミュニケーション
「風通しの良い職場」は社内のコミュニケーションが活発で、雰囲気も明るい。挨拶を交わしあえるのでお互いに気持ちが朗らかになれる、何か困ったことがあっても気軽に相談できる。自ずと社員同士の交流も深まるので、意見交換や情報共有がスムーズに行われる。総じて、社員のエンゲージメントも高いと言える。
・意見が言いやすい雰囲気
「風通しの良い職場」は、良い意味で上司と部下の関係がフラットである。心理的安全性が高い職場と言い換えても良い。お互いの意見をオープンに受け入れやすい風土であるため、役職や年齢・立場に関わらず、自分の意見やアイデアを言いやすい雰囲気がある。それだけに、主体性を持って伸び伸びと働くことができるだろう。
・良好な人間関係
「風通しの良い職場」では、人間関係も良好だ。その分、お互いの意見や想いを伝えやすく、自ら主体的に考え行動していきやすい。チームワークも醸成しやすいと言える。
・情報に透明性がある
「風通しの良い職場」は会社の方針やルールなどに関しても、透明性がある。そのため、社員は何をして良いのか、何をしてはいけないのかが、明確に判断できるので仕事がしやすい。良く聞かれる「暗黙の了解」に縛られることがなければ、「これをしたらまずいのでは」と心配することもない。当然ながら、働きやすさが高まると言って良い。
上記の特徴に記載されている内容は筆者が「風通しの良い組織」と聞いてイメージする物でした。筆者のイメージは世間一般とはズレていなかったということでしょう。昔々、散々「風通しが悪いから良くしなくては!コミュニケーション不足を解消せよ!!」と叫ばれている部署に居たことがありますが、上記がどれ1つとして当てはまりませんでした。コミュニケーションが活発とは言えず、エンゲージメントの調査結果はドン底で、若手が意見を言おうものなら、物知り顔の有識者なる人々があーだこーだと言ってもみ消すので、馬鹿馬鹿しくなって誰も意見を言わなくなる。なので、人間関係は良好とは決して言えない。結果として、常々コミュニケーション不足の解消を何とかの1つ覚えみたいに言い続け、挙げ句の果てにテレワークが諸悪の根源みたいな結論に達して、強制出社日まで作るので、エンゲージメントはますます低下する。を絵に描いた様な組織だったなと思い返します。寧ろ筆者が働きやすいと感じた組織は、上記の4点の特徴を兼ね備えている組織であり、なるほど総じてエンゲージメントの調査の結果は高い結果となっていました。風通しの良い組織=働きやすい、楽しく働ける組織の言い換えだと理解出来ます。
メリット・デメリット
風通しが良い組織のメリット・デメリットは以下が挙げられるとのことです。
メリット
- 意見交換の活発化
- 生産性の向上
- 離職率の低下
- 迅速なトラブル対応
デメリット
- 性格によって合う、合わないが有る
- 緊張感が失われる
- メリハリが失われる
上記のメリット、デメリットのなるほどと思われる点から見てみようと思います。まず、風通しが良くなれば、なるほど意見交換は活発化するでしょうし、トラブル時には迅速に情報共有がなされ、生産性は向上するでしょう。結果として、不満が爆発して離職したり、社内転職で異動する人も少なくなって、離職率の低下にも繋がるでしょう。デメリットとして挙げられている内容は、風通しの良い組織におけるデメリットというよりは、寧ろ無理矢理風通しの良い組織になろうとしている"なんちゃって”風通しの良い組織で発生してしまう弊害の様な物ではないかと思います。風通しを良くするために意見をドンドン言わせれば良いとばかりに、発言を”強制”されれば、自分から意見を言うのがためらわれる人にとっては居心地がとても悪くなるでしょう。他の2つも過度に風通しの良さを追求することによって生じる弊害である様なので、それは真に風通しの良い組織とは言えないでしょう。風通しの良い組織とは無理矢理透明性を強制しなくても、自然に意見交換やコミュニケーション、連携が成される組織を指すのではないかと思います。寧ろ、上記のデメリットに挙げられる様な弊害が生じているのであれば、それは風通しが良いのでは無く、”なんちゃって”風通しの良い組織と言えるでしょう。
13の施策について
13の施策の中には全社的に採用されている施策が幾つか有りました。これらの施策の意図を読んでみるとなるほどと思う点も有れば、実際に長期的な効果を見てみないと本当にここで挙げられている様な効果が出るのか?と言った施策まで、彩り緑有ります。
1on1
中でもテレワークになってから最初期に採用された施策として、1on1ミーティングが挙げられます。全社的に上司と部下が定期的に話をしましょう。という施策が実施されるようになった訳です。しかし、これも弊害が無い訳では有りません。昔々、それこそ毎月やらなければならない。これが管理職の仕事だから。という単なる義務感だけでの上司との1on1ミーティングを毎月毎月やっていたことが有ります。誰も頼みもしないのに毎月強制的に予定が入り、しかも相手はただただ義務感だけでそこに居るという人と話をして何になるんだと思いこそしても、承認実感や上司への信頼感、職場への安心感なんて100万回やっても高まらないでしょう。寧ろ下がる一方になるでしょう。おまけに自分の経験だの考えだのをクドクドとさもありがたいご高説というように語られた日にはうんざりを通り越して、マグマの様な怒りが沸々と沸き起こるでしょう。ただ、やっている管理職の方は、自分は職務に忠実な最高に素晴らしい管理職だという自己満足に酔いしれたことでしょう。こんなことなら、こちらも時間を持て余して暇な訳ではないので、その時間を業務に充てたいと思った程です。それよりは、そういうことを強制しなくても自然に程良いタイミングで程良い回数定期的に話をする場が持たれるという方がよっぽど承認実感や上司への信頼感、職場への安心感が高まるでしょう。で、そういうことが出来る組織が”真に”風通しの良い組織なのだと思います。
まとめ
とりとめも無く風通しの良い組織のコミュニケーションについて書きました。風通しの良い組織とはという記事を見つけたので、読んでみて感じたのは、今居る組織は所謂「風通しの良い組織」と世間一般に言われる組織だろうということと、今まで「なんちゃって風通しの良い組織」を沢山見てきたなということでした。今まで組織コミュニケーションというテーマの記事を読んだことが無かったので、この際独りよがりなイメージに縛られていなかったことも分かり良かったと思います。