概要
TeXで論文を執筆中に複数人の著者それぞれの所属先を記載する方法としてプリアンブル部に\author{}
で著者名を記載し、\thanks{}
で所属先を記載する方法が代表的です。この時それぞれの所属先を記号付きで表します。この記号の表示順やそもそも記号では無く数字で表記する場合の設定方法の備忘録を残しておこうと思います。
まずはデフォルトの具体例
デフォルトの状態ではどうなるのか、以下のTeXのソースをビルドしてみます。
\documentclass[a4j, 12pt]{jsarticle}
\title{
幕府という統治機構の確立とその仕組み
}
\author{
徳川 家康\thanks{江戸幕府} \and
足利 尊氏\thanks{室町幕府} \and
源 頼朝\thanks{鎌倉幕府}
}
\date{}
\begin{document}
\maketitle
\end{document}
ビルドの結果、下図の様に3種類の記号で所属の注釈表記を記述しています。
数字表記に変更
記号表記ではなく数字表記に変更してみます。以下のコードをプリアンブル部に追加しTeXのソースをビルドします。
\makeatletter
\let\@fnsymbol\@arabic
\makeatother
ビルドの結果、下図の様に数字表記に変更出来ました。
表記記号の登城順序の変更
記号表記とした場合、一番目に*
、二番目に†
、3番目に‡
表記となります。どうもバランスが悪い上に、†
は十字架のようで筆者の好みに合いません。よっていっその事、記号の登城順序を変更してみようと思います。以下のコードをプリアンブル部に追加しTeXソースをビルドします。
\makeatletter
\def\@fnsymbol#1{\ensuremath{\ifcase#1\or \ddagger\or \ddagger\ddagger\or
\mathsection\or \mathparagraph\or \|\or **\or \dagger
\or \dagger\dagger \else\@ctrerr\fi}}
\makeatother
ビルドの結果、下図の様になりました。めでたしめでたし。
まとめ
TeXの\author{}
の細かい設定を制御するためのコードについて扱いました。苦労して探し当てたので、記事としてまとめておこうと思い立ち投稿に至りました。サンプルコードの内容はもしこの3人が共著で論文を出すならという妄想が生み出した内容です。悪しからず。
Reference