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Mac向けハイパーバイザー(仮想化ソフト)を比較してみた

Last updated at Posted at 2020-02-16

プライベートではMacを使っています。ただどうしてもWindowsでしか動かないアプリケーションが有ったり、サンドボックス的な用途で、かつGUIが有る環境という場合にVMを使いたいということも有ります。その時どのハイパーバイザーを選べば良いのか、実際に使ってみた感想も含めてまとめたいと思います。

執筆の動機

  • Mac向けのハイパーバイザーを選ぶ時に巷に出回っている情報だけで選んで買い直した経験が有るため
  • 巷の比較記事とは違う視点での比較記事を書いてみようと思ったため

※ この記事は筆者の主観が多分に含まれております。予めご了承下さい。

Mac向けの主なハイパーバイザー

Macで動作するハイパーバイザーでよく知られているのはVMware社の「VMware Fusion」、Parallels社の「Parallels Desktop」、そしてOSSとしても知られているOracle社の「VirtualBox」だと思います。比較記事でもよく取り上げられます。Windowsでもほぼこの3社+Windows標準搭載のHyper-V(Win10)だと思います。

主な特徴

以下の3種類について特徴をまとめてみたいと思います。

VMware Fusion

  • 現行最新バージョン: 11.5

仮想化製品の老舗VMware製のハイパーバイザー。Windows/Linuxに対応しているWorkstationシリーズと共に販売されている。Workstationシリーズと違い無料版(Player、以降通常版と記載)は無いが、(Pro、通常版共に)30日間のお試しは可能。1ライセンスで3台までインストール可能で通常版がPrallels Desktop 通常版と1,600円程度の差というのは大変嬉しい。また、Pro版・通常版共に永続ライセンスとして販売されているのが特徴。UIは正直好みが分かれるのではないかという印象。但し、Amazonや家電量販店でのパッケージ販売はされておらず、VMwareの公式サイトでの販売のみ。因みに筆者はPrallels Desktop 14(通常版)を愛用していたが、最近後述の事情により、Fusion Proに乗り換え済。

2020/8/24追記

次期バージョンのFusion 12からStandard版は廃止され、個人利用は無料のFusion Playerが追加されます。

Prallels Desktop

  • 現行最新バージョン: 15

VMwareとは異なりMac専用のハイパーバイザーを開発しているベンダーの製品ということが特徴。様々な面でMacとの相性を最大の売りにしている印象。CoherenceモードというVM上のアプリケーションをさもMac上のアプリケーションの様に利用出来る機能は秀逸。また、FusionやVirtualBoxと比較して動作が重くなりにくい印象で、(通常版は)価格がFusionと比較して低価格で、公式通販以外にAmazonや家電量販店での取り扱いも有り、入手性も良いのも特徴。但し、無料版は無く14日間のお試し版のみ。筆者はMacを買った時のビックカメラのポイントで(通常版を)貰ったので、実質無料で愛用していた。但し、Pro版以上は永続ライセンスが無く、年額サブスクリプション契約となる。また、1ライセンスでインストール可能なのが1台のみ。

Oracle VirtualBox

  • 現行最新バージョン: 6.1.0

現在はOracleが開発を行っているハイパーバイザーOSS。最大の売りは何と言っても無料で利用出来ること。上記2つは一番安いPrallels Desktop 通常版でも8,345円程するため、VMを利用したいが出費は抑えたいと言う場合に有効な選択肢。Mac/Linux/Windowsで動作可能。無料で利用出来るため、技術書の演習環境構築を容易にするために付録としてVirtualBox用VMイメージが配布されている時が有る。但し、OSSであり、尚且つ研究開発で利用されることを想定しているため、上記2つと比較してオーバーヘッドが大きく、動作もかなり重く、GUI版のOSを動作させるのは厳しい印象。商用目的の利用の場合はオラクルからライセンスを購入。

比較サイトを探してみる

上記3種類のハイパーバイザーがどの様に比較されているのか、幾つか記事を取り上げたいと思います。

これらの記事を参照する限り、Prallels Desktop 通常版一択の様な気がします。現に筆者はこれらの記事を参照してPrallels Desktop 14通常版を入手し、愛用していました。VirtualBoxは矢張り動作が重い旨が記載されており、事実上Parallels vs Fusionの構図になっている印象です。

比較サイトに載っていないこと(使っての印象)

使ってみての印象を正直に述べたいと思います。

  • CoherenceモードはVMとMacで様々なリソース(dir含め)共有化が必要で有り、不便と感じる場面が多々有った。
  • Parallels Toolsという追加インストールするアドオンがVer14ではバグが有り、Linuxにインストール出来ないバグが有った。:rage:
  • 通常版はFusionやVirtualBoxと比較してVMの仮想ハードに関する設定事項が貧弱な印象(あまりカスタマイズ出来ない):tired_face:
  • 先述の通り、プロ版以上は永続ライセンスが無い。:confounded:
  • サブスクリプション版の場合、毎年9,000円以上するライセンス料を支払う必要が有る。:dizzy_face:
  • NestedVirtualization(後述)に通常版は対応していない。:scream:

Fusionに乗り換えた理由

筆者は最近Fusion Proに乗り換えました。理由はNested Virtualizationに通常版では対応しておらず、利用にはPro版やBusiness版が必要となるからです。

参考

Nested Virtualizationとは?

簡単に説明するとVMの中でVMを動作させること。語弊が有るかもしれませんが、「VMマトリョーシカ」が作れる機能です。ある専門書の演習環境をVM上に構築しようとした時に、一部の演習環境が既に著者によってVirtualBox用イメージとして配布されていたため、VMの中で更にVirtualBoxを実行させる必要が生じました。加えて、最近KVMの勉強をしようと考えており、LinuxのVM上で試そうと思っていたため、VMマトリョーシカ(Nested Virtualization)が必要となりました。因みにFusionやWorkstationは通常版でもNested Virtualizationに対応しています。

image.png
https://www.amazon.co.jp/Winterworm/dp/B077VK93B1/ref=sr_1_17 より

決め手となった割引販売

ParallelsはPro版以上は永続ライセンスが無いため、毎年ライセンス料を支払うサブスクリプション版一択となるため断念。Fusionを新規購入すると通常版でも9,000円以上するため諦めようかと思っていた矢先に、比較記事の項で取り上げたページ40%OFFでParrallelsから移行というページが紹介されていました。これは対応するバージョンのPrallelsのシリアルキーを持っているユーザーが割引価格でFusionを入手出来るサイトです。因みに通常版シリアルキーでFusion Proを割引価格で購入できるか試した所、問題無く40%OFFで購入できました。(支払いはクレジットカードの他、コンビニ振込にも対応)

まとめ

Mac向けのハイパーバイザーの比較を行ってみました。Nested Virtualizationというちょっと特殊な用途やライセンスの面で比較を行いました。今回の記事の内容はあくまで筆者個人の見解であり、用途や利用環境によってベストな選択肢は変わってくると思います。

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