事の起こり
筆者はQiita Engineer Festaの投稿フルマラソンの完走を目指しています。何か良いネタは無いかと探していた矢先に、TestRailの記事投稿キャンペーンを発見しました。しかも、記事の募集要項に「Excelでのテスト管理に疲れた経験が有る人」と書かれています。筆者は、昔々Excel、Wordでのテスト管理が横行している所で仕事をしたことが有ります。しかも、それにRedmineとの(手動での)連携まで有り、疲れるどころか、疲弊しました。。。 TestRailのデモを動かしてみると、良い感じにレポートやダッシュボードが作られており、Redmineとの連携まで自動で出来る様です。正に、タイトルに有る通り、「嗚呼、あの時、こういうテスト管理が出来たなら、どれだけ良かっただろう。。。」と思いました。よって、TestRail vs Excelについて筆者なりにまとめてみようと思います。
TestRailの素晴らしい点
Excelでのテスト管理に疲弊した経験の有る筆者が、TestRailがExcel管理と比較して素晴らしいと思った点を3点述べたいと思います。
非常に分かりやすいUI
Webアプリケーション形式になっているので当然と言えば当然かもしれませんが、今回初めてTestRailのデモを動かしてみましたが、項目毎にまとめられたタブを切り替えることで、所望の内容にすぐにアクセス出来ます。昔々在籍していた部署では、高度にガラパゴス化され、ゴテゴテのマクロまで用いた神Excelでテストが管理されていました。初見ではどのシートを開いて、どの項目をテストするのか?というのを把握している有識者なる人々のお導きなしではテストのテの字も始まらない有様で大変でした。当然、UIだのダッシュボードと言った小洒落た物は有りません。中にはWordで管理されている物まであり、フォーマットも不統一。疲弊しない方が不思議でしょう。
一目で分かるテスト項目とその消化率
各々のテスト項目の消化率を一目で把握することが出来ます。完了済の項目もダッシュボードから簡単に確認出来ます。消化率のバーグラフ上にマウスカーソルを合わせると各色の意味が表示されます。昔々使った神Excelは何故か消化率が表示されず、テスト実施者が項目一覧表を全部確認しなければ消化率が分からない上に、その結果をRedmineで管理しているので手動で反映しなければなりませんでした。しかも、更新者によってRedmineのチケットの書き方がバラバラな上に、更新毎に流れてしまうログ欄に書かれた日にはチケットも全部スクロールしなければ消化率が分からないというある意味注意力が試される様なシステムと比較してどれだけ素晴らしいでしょう。
項目の詳細ページでは、テスト実施時に注意する内容や実施者が実施結果についてコメントを記載することも出来ます。
結果レポートのダッシュボードでもテスト結果の詳細や現在の進捗を確認することが出来ます。Redmineとの自動連携は今回確認出来ませんでしたが、この結果ダッシュボードや後述の予実管理ダッシュボードもRedmineとの相性が良さそうです。
結果レポートと予実管理も一目瞭然
結果レポートダッシュボードで現在の進捗も一目瞭然な上に、TestRailのチケットを更新するとダッシュボードにもシームレスに反映されて一目瞭然です。神Excel+Remine手動更新では絶対に実現出来ないでしょう。。。 バーンダウンチャートで予実管理も一目瞭然なのは素晴らしいですね。神Excel+手動Redmineテスト方式ではバーンダウンチャートは最早有名無実化していました。。。
Excel管理の方が優れている点
Excelの方が優れている点も忌憚なく書いて良いとのことなので、(あくまで筆者の個人的見解とはなりますが)Excel管理の方が優れている点を3点挙げたいと思います。
技術者としての課題解決力が試される
正直な所、高度にガラパゴス化された神Excel+手動Redmineのテスト管理方式など問題山積です。その問題を解決するための課題に取り組むための技術者としての技術力(課題解決力)が試されるでしょう。TestRailの様な便利なシステムが導入されてテスト手法が確立されている組織で課題解決と言っても、すぐに解決出来る様な問題は既に駆逐されているでしょう。そういう意味で技術者としての能力は神Excelテスト部署の方が恐らく試しやすいでしょう。
組織の改善に大きく貢献できる可能性が有る
神Excelでテスト管理は改善の余地が多々有ります。寧ろ改善の余地しかないでしょう。よって、組織の改善に大きく貢献できる可能性が高くなります。大きなインパクトが有る改善点を提案できる機会に恵まれるかもしれません。TestRailでテスト管理をした場合、どうしようも無くウンザリして疲弊するようなテスト、テストの品質などへったくれも無いと言うようなとんでもなくどうしようも無いテストを実施しようもないでしょう。
技術者としての今後の生き方を問われる
改善方法を提案して採用してくれる組織、改善点の提案を求められる組織なら、仮に今現在神Excelでも将来大きく状況が好転する可能性も有るでしょうし、貢献者は技術者として大いに成長出来る可能性が有るでしょう。TestRailはある意味完成されたシステムであるため、大きく改善するチャンスというのはなかなか無いかもしれません。ただ、ここで今までの内容を否定することになりかねないことを述べますが、提案しても「今まで慣れ親しんだやり方を変えて貰っては困る」と言われるのは、しばしば有ることです。しかも、「改善のアイディアを出せ」と言われてその舌の乾かぬうちにです。。。一時は万事で、そういう組織の改善について手の施しようがないというのが正直な所です。そういう時に、その部署に居残って気長〜く不満をくすぶらせるか、先進的なアイディアに理解のある新天地を探すかで大きく生き方が変わってくるでしょう。TestRailでテスト管理をするような組織であれば、その組織のやり方を学んでいけば模範的な方法を学ぶことが出来るでしょうし、大いに成長出来るでしょう。但し、今後の生き方を問われる様な大きな選択を迫られる様な人生の岐路に立たされるようなスリリングな経験は滅多に起こらないでしょう。
と、無理矢理良い所を述べましたが、「艱難汝を玉にす」という言葉が有るとは言え、こんなことでスリリングな人生の岐路には立たされたくはないものです。
まとめ
TestRail vs Excelについて筆者なりにまとめてみました。TestRail, Excel各々の良さについて把握した上で、最善の選択が出来ると良いのではないでしょうか。