以前所属していた部門で、Kubernetes(以下K8S)関連の資格取得に向けた講座の受講と試験の受験がセットになったバウチャーが利用期限間近ということで利用希望者を募っていました。K8Sを将来的に使うかもしれないと思い、バウチャーを入手しました。それが昨年の今頃でした。さて、それから月日がバウチャーを利用して登録した講座の受講期限、試験の受験期限が迫ってきました。そこで、先日、国民の休日である海の日の午後からKCNA(Kubernetes and Cloud Native Associate)を受験することとし、無事
合格
しました。しかし、受験当日に、思いも掛けないハプニングに見舞われたため、合格と分かって本当に安堵しました。よって、記憶が薄れないうちに、今回のことをdumpしておこうと思います。
本記事執筆の動機
- K8S資格受験を考えている友人から詳しく聞きたいと言われたため
- 今後、CKA等のK8S関連の資格試験を受験する時の備忘録として残しておきたかったため
- 2年後の更新は今の所未定だが、もし更新する時の備忘録を残しておきたかったため
KCNAとは?
Linux Foundationが実施しているKubernetesとCloud Nativeに関する認定試験です。このシリーズの認定試験としては珍しく、4択の選択式問題60問を試験時間90分で解答します。100点満点で75点以上で合格です。(つまり45/60で合格)受験は専用のセキュアブラウザ(PSIセキュアブラウザ)をインストールし、そのブラウザ経由で試験問題に解答します。詳細は以下の公式ページを参照して下さい。
試験対策
筆者は受験対策講座付きのバウチャーを入手していたため、Linux Foundationの以下の講座を試験対策に受講しました。
この講座に加えて、最後の問題演習として、以下のUdemyの講座を受講しました。
新しい技術が次々に出て来る分野のため、本番の試験では初見の用語問題にぶつかることも有ります。しかし、上記模擬試験5回分で高得点が取れるぐらいまで問題演習しておけば、この模擬試験と似た問題も多数出題されるため、安心して試験問題に解答出来ると思います。kubectl
コマンド関連の問題も多数出題されますが、こちらは基本的な内容です。この模試でしっかり練習しておけば試験問題が全く解けないということは起こらないでしょう。
当日までの流れ
Linux Foundationが提供する教育講座や認定試験は以下の登録ユーザー毎のダッシュボードで管理されています。(受講、受験申込時にユーザー登録を実施することで利用可能)
ダッシュボード上のKCNAの項目を開くと下図の様なページに遷移します。下図は試験結果が出た後の状態であるため、試験前の状態とは少し異なりますが、Exam Preparatioon ChecklistのRead the Important Instructions
項目までは同じです。Take Exam
項目以外の項目は試験日当日までに全て完了しておく必要が有ります。Schedule an Exam
の項目で受験予約を実施します。
因みに、受験前のTake Exam
項目の状態は下図の様になっています。
右端のTake Examボタンは試験開始30分前にならなければ、アクティブになりません。アクティブになるとPSIセキュアブラウザのダウンロードページに遷移します。そこからインストーラーをダウンロードしてインストール後、そのブラウザ経由で試験ページにアクセスします。しかし。。。
当日のハプニング
記憶を頼りに記載していますが、詳細部分は当日の緊張で抜け落ちている部分や記憶が曖昧になっている可能性が有ります。
試験開始30分前に、Take Examボタンがアクティブになります。クリックすると、PSIセキュアブラウザのダウンロードが開始されます。ダウンロードされたインストーラーを起動し、セキュアブラウザのインストールを実施します。インストール完了後、ブラウザが起動し、試験の注意事項、本人確認手続きへの同意等々が次々に求められます。それも完了し、さて後は試験監督がやって来て、本人確認や部屋の確認を実施して、実際に試験問題にぶつかるだけです。ところが、待てど暮らせども試験官のやって来る気配が有りません。試験予約した15時は刻一刻と迫っています。よく見ると画面上部にこれはチュートリアルのみです。と表記されています。続けるには試験提供元の詳細情報を参照することとも記載が有ります。。。数分放置しておくと自動でセッションが切断され、アンケートのページに遷移します。このアンケートページの最初のページの内容が、「もし何らかのトラブルが有った場合はサポートまで連絡せよ」という内容でした。。。何度Take Examボタンの所からやり直しても試験に遷移しません。。。万事休すの感。。。試験開始予定時刻から既に20分が経過していました。
その間、ネットで検索するも、解決策は見つからず。。。数回セキュアブラウザのダウンロードからチュートリアルまでを行ったり、来たりしましたが、解決出来ず、諦めて受験を取りやめる前に、アンケートに回答をして、遷移するページをじっくり見てみることにしました。遷移するのは以下のテスト管理ページです。すると。。。
チュートリアルテストとオンライン監督(ライブ)の2つの項目が有ります。しかも説明書きをよく読むと、completing the tutorial 1-3 days prior to your exam dateと記載が有ります。30分前にアクティブとなるボタンをクリックして辿り着いたページに有るチュートリアルをどうやって数日前に受講することが出来るのかと思いましたが、このページ自体はいつでもアクセス出来ます。つまり、上記管理ページのことを把握しておけば、チュートリアル完了後はセッションの切断をさっさと実施し、遷移するアンケートに速やかに回答し、この管理ページのオンライン監督(ライブ)
項目の開始
ボタンをクリックすれば、オンライン監督付き試験がPSIセキュアブラウザで起動します。ここに気付くまでに部位分時間が掛かってしまい、予約時間から20分も遅れてオンライン監督と接続されました。 ただ、最初見た時は開始ボタンがアクティブになっていませんでした。。。(筆者が焦りで見間違えた可能性も有ります。。。
)
無事オンライン監督と接続された後がまた大変でした。まずはパスポートを提示しての本人確認。そして部屋の中のどこどこをカメラで写せ、床の上の✕✕は何だ?壁のクリップボードにメモが貼り付いているから何とかしろ、携帯電話を手の届かない位置に持って行けといった指示が英語で怒濤の様にチャットで送られてきます。昔々は試験を日本語で受験する受験者には日本語が出来る監督が対応することになっていましたが、ある時から英語に統一されました。注文の多い料理店なみに注文の多い試験官の要望に応え、何とか試験問題に辿り着き、ここまでで予約時間から30分ぐらい経過していました。試験時間は90分でしたが、実際には30分ぐらいで回答を終えました。初見の問題は用語の英語の綴りから意味を推察して回答するなどして乗り切りました。この分野は発展著しいので初見の問題が出るのは致し方無いでしょう。よって初見の問題が出ても焦らないようにしっかり、上記試験対策教材などを用いて準備しておくことが必要でしょう。
試験後
回答を終えた後、普段の筆者ならば、残りの時間を全部使って念入りに見直しをして解答を提出します。しかし、慣れない試験形式の上に、ハプニング、試験監督の怒濤の英語チャットに疲労困憊してしまったため、解答後は速やかに提出して試験システムから退出しました。退出する時に試験官がHave a nice day.
と言ってくれたのがせめてもの慰めかもしれません。不合格でも1年以内の再受験だと無料とのことですが、この独特のシステムに辟易としたため、不合格だったら再受験はしないでおこうかなと思っていました。ところが、その晩、試験システムに合否結果は出ていないかと思ってアクセスしてみると、何と認定証が表示されました。ところが、スコアは試験履歴のページにも出ていません。受験前に受け取ったメールには24時間以内にメールで結果を連絡すると記載されていたことを思い出し、メールに結果が記載されているのかな?と考えると同時に、このスコアを見るまでは安心できないなと思い。この認定証は受験が完了した証明書なのではと疑っていました。(∵ 講座受講終了時にも似たような認定証が発行されたため)結果のメールは会社のメールに届くので、次の日早速メールを見てみることにしました。すると。。。何と実際には受験完了の10分後に認定証発行通知のメールが来ていました。4択なので解答後採点は一瞬ということでしょう。ところが、スコアはどこにも記載されていません。散々探した結果、ネットの情報で受験ページから見えるという情報を入手し、受験ページにスコアが出ていました。80点(48/60)ということで、散々な目に遭いながら受験したとしては上出来なスコアだったと思います。
まとめ
KCNA受験で初めてセキュアブラウザを用いたオンライン監督付試験を受験しました。後で分かったことですが、予約時間から試験時間90分ではなく、諸々の儀式を終えて、試験問題に辿り着いてから90分の試験時間と分かりました。恐らくどこかに英語で長々と注意書きとして書かれていたのかもしれませんが、この試験に至るプロセスは煩雑かつややこしい印象です。受験者の経験談の記事で、このプロセスについて詳細に記載している記事は筆者が探した範囲では見つけられませんでした。初めてこのプロセスの洗礼を受ける時は間違い無く焦ることでしょう。(延々と英語で書かれた注意事項を1つ1つ細々と読んで理解出来る方を除けば)無事合格して終えることが出来たので、終わりよければすべてよしということでこの記事を締め括りたいと思います。今回Macのウェブカメラで試験監督に部屋を撮影して見せましたが、14inchのMacBook Proの重い本体を持ち上げて撮影するのは大変でした。。。軽量のノートパソコンでも持ち上げて撮影しながら注文の多い試験官の要望に応えるのは大変だと思います。このシリーズを受験される方は外付けタイプのWebカメラの購入を強くお勧めします!!