はじめに
株式会社TechoesのTです、
今回はAWSブロックチェーンについて調べたことをまとめていきたいと思います。
ブロックチェーンについて
そもそもブロックチェーンって何?
ブロックチェーン技術とは
分散型台帳とも呼ばれていて取引データ(トランザクション)をブロックという単位で分割し、それを鎖のように時系列でつなぎ合わせて管理する技術です。特定のサーバーなどを持たずにネットワーク参加者全員で情報を共有・検証するのが特徴
ブロックチェーンのしくみ
ブロックチェーンは、取引データの集まり(トランザクション)を「ブロック」という単位でまとめる構造です。
それぞれのブロックは「前のブロックのハッシュ値」を含むことで、鎖のように連結されています。
各ブロックには以下の要素があります。
項目 | 内容 |
---|---|
トランザクション | このブロックで記録される取引 |
タイムスタンプ | ブロックが作成された日時 |
ハッシュ値 | このブロックのデータをもとに生成された固定長の値(SHA-256など) |
前ブロックのハッシュ | 1つ前のブロックのハッシュ値(これでチェーン化) |
前のブロックのハッシュ値を含むことにより後続ブロックとの整合性が担保されるため 改ざん防止 になります。
ブロックチェーンのメリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
改ざん耐性 | 各ブロックが暗号化されてつながっており、改ざんが極めて困難 | 一度記録された情報を削除・修正できない(可逆性がない) |
透明性 | 取引履歴がすべてのノードに公開されているため信頼性が高い | 公開性が高すぎると、プライバシーの確保が難しくなる場合がある |
分散管理 | 特定の中央機関に依存せず、単一障害点がない | ネットワーク全体での合意形成に時間と計算コストがかかる |
トレーサビリティ | すべての取引履歴が記録・追跡可能 | 情報が残り続けるため、削除が必要なケースに向かない |
自動化(スマートコントラクト) | 条件に応じた自動処理が可能で、業務効率化ができる | 実装ミスや脆弱性があると、取り返しのつかない動作をする可能性がある |
可用性 | ノードが複数存在するため、1つの障害で全体が停止しない | ノードを多数運用するためのインフラコストが増加することも |
信頼性の高い共有台帳 | 複数企業間での正確な情報共有が可能 | 複数企業の合意やガバナンス整備が必要になる |
AWSブロックチェーンについて
Amazon Managed Blockchain(AMB)
概要
Ethereum、Polygon、Bitcoin、Hyperledger Fabric のネットワークをフルマネージドで構築・管理できるサービスです。
特徴としては、ネットワークの作成、ピアノードの追加・削除、証明書管理などをAWSがマネージドで提供している他
IAMでのアクセス制御やほかのAWSサービスとの連携がしやすいなどがあります。
料金
ピアノード、ピアノードストレージ、および行ったリクエストの数に応じて課金されます。
東京リージョンでの料金
オンデマンドのピアノードの料金
インスタンスタイプ | 1 時間あたりの料金 (USD) |
---|---|
bc.c5.2xlarge | USD 0.685 |
bc.c5.4xlarge | USD 1.37 |
bc.c5.xlarge | USD 0.342 |
bc.m5.2xlarge | USD 0.794 |
bc.m5.4xlarge | USD 1.587 |
bc.m5.large | USD 0.198 |
bc.m5.xlarge | USD 0.397 |
bc.t3.large | USD 0.174 |
bc.t3.xlarge | USD 0.348 |
ピアノードのストレージ
ピアノードストレージは、ネットワーク上のすべてのトランザクションの履歴を保存する。GB 単位で課金される。
USD 0.12 GB-月毎
リクエスト数
100万リクエストあたり
USD 4.88
構築方法
Ethereumのパブリックネットワークに接続するにはAMBのコンソールからノード作成ボタン1つで接続できます。
プライベートネットワークを作成する場合は、ネットワーク名とフレームワークバージョンを指定すれば構築可能です。
TerraformなどのIacツールからでも操作可能なようですがAMBへのフルサポートはしていないようです。
実際に作成する際はコンソール上やCFNを使用して作成するのが良いようです。
所感
今回はAWSのブロックチェーンのAMBについて調べてみました。
正直、調べる前はブロックチェーン = 仮想通貨のイメージが強かったのですがAMBを使用することで企業内外のデータ連携にも活用できそうな技術だと理解しました。
AWSを使えばゼロから構築せずにブロックチェーンの世界に足を踏み入れられるので今後、活用できそうなシーンを今回調べた知識を基に探していきたいと思います。
参考記事