1. 画面要件とは?
画面要件は、ユーザーとシステムの接点となる画面の詳細な仕様を示したものです。具体的には、画面上で表示する項目・レイアウト・操作方法、および画面間の遷移などが含まれます。
目的: ユーザーがどのようにシステムと対話するかを明確にする。
**対象: 開発者、UI/UXデザイナー、プロジェクトマネージャーなど。
2. 画面要件に含まれる項目
(1) 画面構成・レイアウト
表示する項目: 各画面でどのデータや情報が表示されるか(例:ユーザー名、商品価格など)。
レイアウト: ボタンやテキストの配置、入力フォームの位置など。
例: ヘッダー、サイドメニュー、メインコンテンツ、フッター。
(2) ユーザー操作の仕様
操作方法: 各画面での操作(クリック、タップ、ドラッグ、入力など)。
イベント: ボタンを押したときの挙動や、エラー時のアラート表示。
例: 「送信」ボタンを押すと、確認ダイアログが表示される。
(3) 画面間の遷移
遷移フロー: 画面から画面への遷移の流れ(例:ログイン画面 → ホーム画面 → 設定画面)。
条件付き遷移: 特定の条件が満たされたときにのみ、次の画面へ遷移する。
例: パスワードが正しくない場合は、エラーメッセージを表示して遷移しない。
(4) デザイン要件
配色・フォント: ブランドカラーや標準フォントの指定。
アイコンと画像: 使用するアイコンや画像の規定(解像度や形式など)。
(5) 入力チェックとエラーメッセージ
入力バリデーション: 必須項目や文字数制限、メールアドレスの形式チェックなど。
エラーメッセージ: 入力ミスやエラー発生時に表示されるメッセージの内容。
3. 画面要件の作成手順
Step 1: 必要な画面の洗い出し
プロジェクトの仕様に基づき、どの画面が必要かをリストアップします。
例: ログイン画面、ダッシュボード画面、設定画面。
Step 2: 各画面の要素を定義
画面ごとに、必要な入力項目、ボタン、表示内容を具体的に整理します。
例: ログイン画面には「ユーザー名」「パスワード」「ログインボタン」を配置。
Step 3: 画面遷移図を作成
画面遷移図(フロー図)を作成し、ユーザーがどのように画面を移動するかを視覚化します。
ツール例: Lucidchart、Figma、Draw.io。
Step 4: デザイン要件を決定
カラーやフォントなど、デザインに関する要件を定義します。
例: メインカラーは青 (#007BFF)、フォントは「Roboto」。
Step 5: 入力チェックとエラー仕様を定義
どの項目が必須か、どのような形式が必要かを決めます。
例: メールアドレスは「@」と「.」を含む形式。
4. 画面要件書のサンプルフォーマット
画面名 ログイン画面
目的 ユーザーがシステムにログインするための画面
表示項目 ユーザー名、パスワード、ログインボタン
操作 ユーザー名とパスワードを入力し、ログインボタンを押す
遷移先 ホーム画面(ログイン成功時)
エラー画面(ログイン失敗時)
エラーメッセージ 「ユーザー名またはパスワードが正しくありません」
5. 画面要件を作成する際の注意点
ユーザー視点で設計する
操作が直感的でわかりやすいか、ユーザー体験を重視しましょう。
開発とデザインの連携を取る
開発者とデザイナーが協力して、画面要件が実現可能であることを確認します。
要件の変更に柔軟に対応する
開発中に要件が変更される場合もあるため、バージョン管理をしっかり行いましょう。
6. ツールを使った画面要件の管理
Figma: UIデザインと要件整理に使えるクラウドベースのツール。
Lucidchart: 画面遷移図やフロー図の作成に便利。
Jira: 開発プロジェクトの管理と連携に適したツール。
ポイントのまとめ:
画面構成や操作方法を明確にする。
画面遷移を視覚化して整理する。
入力チェックやエラーメッセージも事前に設計する。
このようにしっかりと設計された画面要件書は、開発の基盤となり、システムの品質向上に大きく貢献します。
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