1. テーブル定義書とは?
テーブル定義書は、データベースにおける各テーブルの仕様を詳細に記載したドキュメントです。
DBの基礎がわからない方はこちらを先に読んでいただければと思います!
目的: テーブルの構造と制約を明確にすることで、開発者や運用担当者間での認識のずれを防ぐ。
対象: データベース設計者、開発者、運用管理者、関係者など。
2. テーブル定義書の構成
テーブル定義書についてイメージしやすくなるように例をだしたいと思います。
こちらはusersテーブルについての画像になります。
(1) テーブル情報
テーブル名(論理名と物理名)
例:顧客情報テーブル(customer)
概要・目的:テーブルが何を管理するのかを説明。
例:顧客の基本情報を格納する。
(2) カラム(列)情報
項目名 物理名 型 長さ NOT NULL 主キー(PK) 備考
顧客ID customer_id INT - YES YES 自動採番
名前 name VARCHAR 50 YES NO -
電話番号 phone_number VARCHAR 15 NO NO ハイフンなし
カラム名: テーブル内の各列の名前(論理名と物理名)。
型: INT、VARCHAR、DATEなどのデータ型。
長さ: VARCHARなどの型の場合、格納できる最大文字数。
NOT NULL: 空値を許容するかどうか。
主キー(PK): 一意な識別子となるカラム。
備考: その他の仕様や注意事項。
(3) インデックスとキー
主キー(Primary Key): テーブルの一意な識別子。
例:customer_id
外部キー(Foreign Key): 他のテーブルとの参照関係。
例:order テーブルの customer_id が customer テーブルを参照する。
(4) 制約(Constraints)
NOT NULL: 必須入力のカラム。
UNIQUE: 重複を許さないカラム。
CHECK: カラムの値を制限する条件。
DEFAULT: デフォルト値を設定。
(5) テーブル間の関係(ER図などで補足)
リレーション: 外部キーを用いたテーブル間の関連性を定義。
例:customer テーブルと order テーブルが、customer_id を通じてリレーションを持つ。
3. テーブル定義書の作成手順
Step 1: テーブル構造を決定
各テーブルの役割を決定し、格納するデータを定義します。
Step 2: カラムを決定
各カラムの名前、型、長さ、制約を設定します。
Step 3: 主キー・外部キーの設定
主キーを決め、他のテーブルとの外部キーの関連を設計します。
Step 4: 制約を設定
必要に応じて、NOT NULL、UNIQUE、DEFAULT などの制約を加えます。
Step 5: テーブル間の関係を整理
ER図を使い、テーブル間のリレーションを可視化します。
4. テーブル定義書のサンプル
顧客情報テーブル定義書サンプル
項目名 物理名 データ型 長さ NOT NULL PK 備考
顧客ID customer_id INT - YES YES 自動採番
名前 name VARCHAR 50 YES NO -
メール email VARCHAR 100 YES NO UNIQUE
電話番号 phone_number VARCHAR 15 NO NO ハイフンなし
5. 作成時のポイントと注意点
一貫性のある命名ルールを使用する
テーブル名やカラム名に、一貫した命名規則を適用する(例:スネークケース、キャメルケース)。
拡張性を考慮する
将来の要件変更を見据え、柔軟に拡張できる設計にする。
制約の適切な設定
過度な制約を避け、必要な部分でのみ設定する。
リレーションの正確な設計
テーブル間の関係を明確にし、データの整合性を保つ。
ER図と併用する
テーブル定義書とER図を併用することで、全体の構造を把握しやすくする。
6. テーブル定義書作成に使えるツール
Excel/Google Sheets
テンプレートを活用してテーブル定義書を作成可能。
ER図作成ツール(Lucidchart、Draw.io)
テーブル間の関係を可視化できる。
DB設計ツール(MySQL Workbench、PgAdmin)
データベースと直接連携し、テーブル定義を反映できます。
7. まとめ
テーブル定義書は、データベース設計の基盤として、開発者や関係者間での認識共有に欠かせない重要なドキュメントです。適切なテーブル設計は、システムの性能とデータの整合性を向上させます。
テーブル定義書を作成する際は、ER図などのツールも活用しながら作業を進めましょう。
次回ER図について記事にしたいと思います。
ポイントまとめ:
テーブルの目的とカラムの詳細を明確にする。
制約やキーの設定でデータの整合性を確保する。
拡張性を考慮し、将来の変更に備える。
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