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[JavaScript] 負数の四捨五入がExcelと合わない問題

Last updated at Posted at 2017-06-14

はじめに

背景と概要

  • 要件
    • JavaScriptを使用して小数n桁の四捨五入を行う
    • 計算結果はExcelと合わせること

JavaScriptのMathオブジェクトでは小数n桁の指定ができません。
JavaScriptライブラリを使用できない事情があり、関数を作ることにしました。

この際、負数の計算で、JavaScriptとExcelの結果に差異が発生してしまいました。
この問題を解決するまでの知見を共有します。

前提バージョン

  • ECMA Script 2015

問題点

まずは、こんなコーディングをしてみました。
数値と端数処理桁数を受け取り、四捨五入した結果を返す関数です。

JavaScript
function myRound(number, pricision) {
    var _pow = Math.pow(10, pricision);
    return Math.round(number * _pow) / _pow;
};

正の数値では期待どおり動作しましたが、負数の場合には以下のような計算結果となりました。

元の値 JavaScript Excel
-5.4 -5 -5
-5.5 -5 -6
-5.9 -6 -6

Excelの計算と異なってしまっており、要件を満たせません。

解決策と得られた知見

JavaScript(Math)とExcelでは、負数の四捨五入の仕様が異なりました。
MDN - Math.round()

すなわち0.5を丸める「向き」が、マイナス方向か、ゼロ方向かの違いです。

  • Excelはマイナス方向に丸め処理するため、-5.5 → -6
  • JavaScriptはゼロ方向に丸め処理するため、-5.5 → -5

という訳です。

コードを以下のように修正したところ、Excelと同じ計算結果となりました。

JavaScript
function myRound(number, pricision) {
    var _sign = (number < 0) ? -1 : 1;
    var _pow = Math.pow(10, pricision);
    return Math.round((number * _sign) * _pow) / _pow * _sign;
};     

負数の切り捨て・切り上げの場合も同じ原理で、JavaScriptとExcel関数では結果が異なります。
MDN - Math.floor()
MDN - Math.ceil()

なお、Javaの場合も、MathクラスとBigDecimalクラスでは負数の端数処理の向きが逆になります。
Javaの負の数の切り捨て・四捨五入にはご注意!

ということで、負数の端数処理については、「向き」に気をつけましょう!

参考にさせていただいた記事

JavaScript Math.roundをオーバーロードして小数点以下X桁を指定して四捨五入する

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