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Flask-JWTでトークンによる認証を実装する

Last updated at Posted at 2019-03-03

はじめに

Flaskで作ったアプリケーションにJWTによるトークンでの認証機能を実装したので、
その時に調べたことなどをまとめました。

この記事に書いてあること

  • JWTとは何か
  • JWTによる認証のメリット、注意点
  • Flask-JWTを使って、トークンによる認証機能を実装する方法

JWTとは

JSON Web Tokenの略で、「ジョット」と読みます。
JWTは署名の出来るJSONを含んだURL Safeなトークンで、
主に次の特徴があります。

  • 発行者だけが、秘密鍵を使ってトークンが正しいことを検証できる
  • JSONの中身は誰でも見ることができる
    • トークンはBase64でエンコードされただけの文字列
  • 署名により、JSONの改ざんを検知できる

JWTによる認証のメリット、注意点

メリット

ステートレス

JWTによるトークン認証における大きなメリットは、ステートレスであることです。
このことによって、以下のような恩恵を受けることができます。

  • ユーザーが増えた場合、サーバー側で認証情報を保持しないので、メモリの心配をしなくて済む
  • サーバーが複数台でもログイン状態を保持できる
  • テストの工数が減る(状態があると、状態によってテストケースが増える)
  • サービスをまたいだ認証機構として利用できる

注意点

重要な情報をJSONに含めない

冒頭でも説明した通り、JSONの中身はBase64でエンコードされただけの文字列です。改ざんはできませんが、中身を確認することは誰でもできます

Flask-JWTとは

Flask-JWTはFlaskアプリケーションでJWTの機能を使用できるライブラリです。
ドキュメントはこちら

ここからは、Flask-JWTを使って
トークンを使った認証機能を実装する手順をご紹介します。

最小構成

root
  └ app.py

インストール

まずはFlaskとFlask-JWTをインストールします。

pip install Flask Flask-JWT

アプリケーション

次はアプリケーションの中身ですが、こちらはFlask-JWTのドキュメントから。

app.py
from flask import Flask
from flask_jwt import JWT, jwt_required, current_identity
from werkzeug.security import safe_str_cmp

class User(object):
    def __init__(self, id, username, password):
        self.id = id
        self.username = username
        self.password = password

    def __str__(self):
        return "User(id='%s')" % self.id

users = [
    User(1, 'user1', 'abcxyz'),
    User(2, 'user2', 'abcxyz'),
]

username_table = {u.username: u for u in users}
userid_table = {u.id: u for u in users}

def authenticate(username, password):
    user = username_table.get(username, None)
    if user and safe_str_cmp(user.password.encode('utf-8'), password.encode('utf-8')):
        return user

def identity(payload):
    user_id = payload['identity']
    return userid_table.get(user_id, None)

app = Flask(__name__)
app.debug = True
app.config['SECRET_KEY'] = 'super-secret'

jwt = JWT(app, authenticate, identity)

@app.route('/protected')
@jwt_required()
def protected():
    return '%s' % current_identity

if __name__ == '__main__':
    app.run()

JWTの初期化

コードのこの部分で初期化しています。

jwt = JWT(app, authenticate, identity)

第1引数 (app)

アプリケーションを渡してあげます。

第2引数 (authentication_handler)

実際に認証を行う関数を渡します。
authentication_handlerは username, password の2つの引数を受け取り、
認証されたIdentityオブジェクトを返却する必要があります。

第3引数 (identity_handler)

current_identityで参照するIdentityを返却するようにします。

APIを叩いて認証してみる

サーバ起動

export FLASK_APP=app.py; flask run

リクエスト

curl http://localhost:5000/auth -X POST -H "Content-Type: application/json" -d '{ "username": "user1", "password": "abcxyz" }'

認証に成功すると、アクセストークンが返ってきます。

レスポンス
{
  "access_token": "eyJ0eXAiOiJKV1QiLCJhbGciOiJIUzI1NiJ9.eyJleHAiOjE1NTE2MDM0NzUsImlhdCI6MTU1MTYwMzE3NSwibmJmIjoxNTUxNjAzMTc1LCJpZGVudGl0eSI6MX0.Cs351X-LvACQBQYnQVIYUh2hFvYDo3YEMI1Ll_Vyo2g"
}

エンドポイントに対して認証を要求する

@jwt_required() というデコレータを使用して、
特定のエンドポイントに対して認証を要求することができます。

AuthorizationヘッダJWT <アクセストークン>の形でトークンを付与することで、
認証を行うことができます。
これはデフォルト設定ですが、プリフィックスはカスタマイズできます。

app.py の /protected を叩いてみます。

curl http://localhost:5000/protected -H "Authorization: JWT <アクセストークン>"
レスポンス
User(id='1')

トークンの有効期限が切れているなど、認証に失敗した場合は以下のようなレスポンスが返ってきます。
ログイン後のユーザーのみ使用できるAPIなどは、
このようにエンドポイントにデコレータを付けるだけで実装できます。

レスポンス
{
  "description": "Signature has expired", 
  "error": "Invalid token", 
  "status_code": 401
}

認証済みユーザーの情報を取得する

/protected では、 レスポンスの内容としてcurrent_identityを返しています。
ここで返されるcurrent_identityの内容は def identity() の返り値です。

@jwt_required() が付与された関数内では、
current_identityを使用してトークンが渡されたユーザーにアクセスすることができます。
トークンに加えて権限チェックもしたい場合などは、
current_identityにroleも持たせておくなどすると良さそうです。

カスタマイズ

さきほど触れたAuthorizationヘッダのプリフィックスや、
authentication_handlerのキー(username, password)などはカスタマイズ可能です。
カスタマイズする場合は、config等で設定してあげるとよいと思います。

カスタマイズ可能な項目は、
ドキュメントConfiguration Optionsに一覧で掲載されています。

おわりに

これまでフロントがメインで、バックエンドはまだ始めたばかりなので、
こうするともっといいよ、などのアドバイス等ありましたら
ご助言頂けますと幸いです。

よろしくお願いいたします。

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