11/28(現地時間)にre:Invent2018では3回目となるキーノートイベント「Keynote,Andy Jassy」(AWSのCEOによる基調講演)に参加してきましたので、その場で発表された新情報をざっくりお伝えいたします。
3時間という長丁場のKeynoteでしたが、それを感じさせない怒涛の新サービスラッシュでした!
「あんなこといいな できたらいいな」と思っていたことをどんどん実現していくAWSの凄さを痛感しました。
8:00開始のKeynoteでしたが、6:00の時点でこれだけ並んでいました……。
私は5:30に部屋を出ました……-_-;
(並んでいる半数くらいが日本人です)
前日のKeynote(基調講演)Global Partner Summitとは参加者の意気込みが全く違います!
7:00の時点(開演1時間前)での私の後ろの列の状況です。
コミケか?と。
発表された新サービス
新サービスラッシュです!
ストレージ、DB、ブロックチェーン、AI……などなど多岐にわたる新サービスが20以上発表されました。
特にAI系サービスへの力の入れ方がすごかった印象です。
また、前日のGlobalPertnerSummitに引き続き、Andyは「既存DBからの脱却」のメッセージを強く打ち出していたように感じました。
まずはざっくり概要だけ!
ちなみに私が惹かれたサービスは「Amazon FSx for Windows File Server」「DynamoDB Read/Write Capacity On Demand」「Amazon Managed Blockchain」「Amazon Textract」「AWS Outposts」です。
【ストレージ】Glacier Deep Archive
今までテープストレージに変わるサービスとして提供されていたGlacierを、さらにテープの使い方に特化させてその分お安くしたサービス。
月額1TB/$1です。テープより安い!
【ストレージ】Amazon FSx for Windows File Server
共有ストレージサービスAmazon EFSはNFSプロトコルしか対応していなかったため、今まではWindows向けファイル共有サーバを構築するにはEC2を使うしかありませんでした。
FSx for Windows File Serverを使うことで、マネージドかつWindowsフル対応のファイル共有サーバを利用できます!
【ストレージ】Amazon FSx for Lustre
機械学習(AI)用途でよく使われるストレージ形式であるLustreに対応したストレージサービスです。
前述のFSx for Windows、既存のEFSと合わせて、これでほとんどの利用形態に対応できるのでは?とのこと。
【AWS制御】AWS Control Tower
AWSのアカウント制御などを行えるサービスです。
企業内アカウント制御などに活用できそう。
【AWS制御】AWS Lake Formation
データレイク構築には様々な手順が必要であり、これまでは長期間かかっていました。
Lake Formationを使うことで、数日でデータレイク環境を構築できるようになります。
【DB】DynamoDB Read/Write Capacity On Demand
DynamoDBは確保する性能(キャパシティ)に対する課金のため、新システムのような必要とされる性能が不明な場合には過剰なキャパシティを確保してしまうことがありました。
このサービスではDynamoDBをアクセス課金で利用でき、キャパシティ確保(スケール)はAWS側で自動で行ってくれます。
性能の需要予測をもとにした従来のキャパシティ課金形態に比べると費用は高くなりますが、新システムローンチ時の実績/予測に基づかない過剰な性能確保に伴う費用を抑制できます。
【DB】Amazon Timestream
「時系列」をメインターゲットとした、新しい考え方のDBです。
リレーショナルデータベースが適合しない要件に利用できます。
【DB/ブロックチェーン】Amazon Quantum Ledger Database(QLDB)
「顧客はブロックチェーンで何を実現したいのか?」を検討した結果生み出した台帳管理用のDBです。
【ブロックチェーン】Amazon Managed Blockchain
AWSが管理する、フルマネージドなブロックチェーン環境です。
HyperLedgerFablicとEtheriumから選択することができます。
【AI向け】Amazon Elastic Inference
EC2インスタンスに対して、GPUを自由に拡張できるサービスです。
動作している機械学習のフレームワークを自動で検出し、効率よくGPUを使うようにチューニングされているそうです。
【AI向け】AWS Inferentia
AWS製のAI用GPUです!
機械学習の推論処理にフォーカスしたGPUとのこと。
【AI】Amazon SageMaker Ground Truth
これまで、AI用の教師データは人力で作成していました。
このサービスを使うことで、ある程度の教師データ作成(ラベル付け)を自動化することができます。
【AI】AWS Marketplace for machine learning
機械学習アルゴリズムのマーケットプレイスです!
購入して、すぐにSageMakerに組み込んで利用することができます!これで様々なモデルを使って機械学習が行えます!
【AI】Amazon SageMaker RL
【AI】AWS DeepRacer
1/18スケールのレースカーです。今ならAmazon.comで$249で買えるみたいです。
強化学習データをもとに走行させることができます。
【その他】AWS DeepRacer League
DeepRacerを社内で用意しているときに、開発者が自然と競い合うようになっていたとのこと。
じゃ、レースにしちゃおう、ということでレースリーグになりました。
来年のAWS Summitやre:Inventで実際にリーグを開催し、優勝者には賞金も出るらしいです!
【AI】Amazon Textract
OCR++です!ドキュメントデータの読み取りを行うサービスです。
これまでのOCRでは横一列のデータを単純に読み取るため、表形式などは崩れてしまっていました。
また、ドキュメントの書式(フォーマット)が変わった際は再定義が必要でした。
このサービスでは表形式のデータ維持や、書式変更時の自動対応などが可能です!
【AI】Amazon Personalize
リアルタイムに個人向けにレコメンデーション(おすすめ提示)を行うサービスです。
Amazon.comで使われているものと同じテクノロジーを使用します!
→これまで「Amazon.comで蓄積したノウハウをサービスで提供してほしい」との要望がかなりあったそうです。
【AI】Amazon Forecast
今後の需要予測などを行えるサービスです。
これもAmazon.comで使われているものと同じテクノロジーを使用します!
【その他】AWS Outposts
Azure StakのAWS版、みたいなサービスです。
AWS指定のハードウェアを導入することで、オンプレ環境内にAWS環境を構築できます!
また、オンプレ環境内にVMware on AWS環境を構築することも可能です。