初めまして。
今回は、デザイナーという枠を超えて、モノづくりに関わる人全てに必要な「ユーザー視点」に関するご紹介をしたいと思います。
どんな製品でも、ユーザーであれば購入時に「使い勝手」や「見た目」で購入の有無を決定するでしょう。
そんなの当たり前と言われるかもしれませんが、いざ生産者の立場になると、「ユーザー視点の重要性は分かるが、どう調査したらいいかわからない。」と言う悩みから、なかなか調査まで踏み込めない。
実は、最小限の人数と最小限のリスクでできる調査があるのです。
それが今回ご紹介する「3人でできるセルフユーザビリティテスト(以下「SUT」)」。
この手法を教えてくださった
UX DAYS TOKYO主催「セルフユーザビリティテスト検定講座」の内容を紹介します。
#こんな方におすすめ
- 今までなんとなく自己流で操作性のテストを行っていた
- 企業で実際にどういうUTが行われているかを知りたい
- UIやUXについて学んでみたい
- サイトの設計にいつも悩む
- 上司の「なんとなくこうした方が使いやすいのでは?」という意見に振り回されることが多い
- サイトを見る目を伸ばしたい
#実際にやってみましょう
##メンバー数
3名(最低人数)
##それぞれの役割
- 被験者:テストを受ける人
- 記録者:テストを記録する人
- モデレーター:テストの進行役および観察する人
####1.被験者:ユーザーの役になりきり、操作をする人(※開発に関わっている人はNG)
- 開発に関わっている人は被験者にはなれない。
- 気を使わないで思ったことを言葉にして伝える。
- 行動や次に予測されるアクションを言葉に出して伝える。
- 気を遣ってコンバージョンしようとするけど、しなくていい。
- 離脱してもいいが、離脱した理由を述べる事が必要。
####2.記録者:被験者の操作中言動や感情変化、行動を記録する。
- 全部かけばいいわけではない。ポイントだけ押さえればいい(操作が止まったところ、や戻ったりしたところなど)
####3.モデレーター:被験者の操作中言動や感情変化、行動を記録する。
- 被験者から職業/年齢/プライベート..etc. をヒアリングして被験者のざっくりとした背景を知る。
- ネットショッピングやっているか、やっているなら例えばどこのネットショッピングやっているか、などヒアリングしてある程度のネットショッピング慣れを掴む。
##全体の流れ
- 記録者がテスト対象ページのトップページを提示し、被験者にこのページを利用してどんなことをやってほしいか目的を伝える。
- 被験者はその目的を理解の上、トップページから操作を始める。
- 被験者が目的が果たせた段階でテストは終了。
##それぞれの役割
###モデレーター
- 被験者が操作しているところをカメラで撮影する。
- モデレーターは、ユーザーに精神的なプレッシャーをかけることや操作を教える行為は厳禁。
- モデレーターはユーザーの操作や感情的行為についていちいち聞く。
- モデレーターは、被験者がクリックし終えたら、考えていたものが表示されたかを質問する。
- 記録者は、手が止まったところで何を考えているのか被験者に質問する。
- 記録者は、被験者の行動や、したかったと思われる内容をメモする。
##たった5回のテストで課題抽出できます
「最低3名でテストを行えたとしても、何回行えば効果が出るの?」
という疑問が残りますよね。
なんと、5回である程度課題抽出できるのだそう。。驚きですね。
##ポイント
- UTは単独(1人)でも行えます。(その場合、斜め上からのカメラと録音が必要)
- 被験者が初めて操作をした時、どちらをクリックするか注目する。
- テスト中に被験者の手が止まった時に、モデレーターが「今何を考えていますか?」などヒアリングすること。
- 被験者は、操作時に感じたことを事細かに声に出して周りに伝える。
#やってみると、ここが発見できます
- ユーザーがほしいと思っている機能を知ることできる。
- チーム内の意識統一ができる。
- UIの操作性を検証をすることができる。
- ユーザーが思ったことや感じている心(インサイト)を全部知ることができる。
- UTテストは被験者がいれば一人でもできる。
- ウェブサイトの操作性を検証する
- ナビゲーションAよりナビゲーションBがいいかどうかわかる。
- やみくもにやればいいわけではありません。結果から学び、やる意味を掴みましょう。
- とにかく場数を増やしてからだで覚えましょう。やり方のコツがわかってきます。
#参考・協力
こちらは、UX DAYS TOKYOさん主催の「セルフユーザビリティテスト検定講座」での情報を元に紹介させて頂きました。