はじめに
人にCiscoコマンドを教えることになり学習をしている。
私はネットワークの知識は多少あるが、Ciscoについては見たこともなければ触ったこともない。
そんな私が学習したCiscoコマンド等を備忘録として残しておく。
必要ソフト
Ciscoのルーターを実際に買うと高価なので、学習目的の場合はこのソフトを利用する
- Cisco Packet Tracer
Cisco製のネットワーク機器をソフトウェア上で操作できるシミュレーターツール
こちらから無料でダウンロードできる
https://www.netacad.com/ja/courses/packet-tracer
行うこと
PCとルーターを接続して、スタティックルーティングを行う。
スタティックルーティングとは、ルーター内に保存されているルーティングテーブル情報を、管理者が手動で登録する方法である。
構成図
- 192.168.0.0/24にはPC1とROUTER1が接続されている
- 192.168.1.0/24にはROUTER1とROUTER2が接続されている
- 192.168.2.0/24にはROUTER2とPC2が接続されている
- PC1とPC2間でping通信を通すことをゴールとする
実践
Cisco Packet Tracerで以下のような構成を作成する。
- PCは画面下部から「PC-PT」というのを選択してドラッグ&ドロップする
- Routerは画面下部から「1841」というのを選択してドラッグ&ドロップする
- 各デバイス間は「Copper Cross-Over」という線で繋ぐ
PC1での設定
「Desktop」タブの「IP Configuration」を選択して開く画面から、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを設定する
IPアドレスには自身のIPアドレスである「192.168.0.10」、サブネットマスクは「/24」を現す「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイはROUTER1のインタフェースを指定する
PC2での設定
「Desktop」タブの「IP Configuration」を選択して開く画面から、IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを設定する
IPアドレスには自身のIPアドレスである「192.168.2.10」、サブネットマスクは「/24」を現す「255.255.255.0」、デフォルトゲートウェイはROUTER2のインタフェースを指定する
ROUTER1での設定コマンド
IPアドレスの付与
以下のコマンドを実行することでFastEthernet 0/0には「192.168.0.1」、FastEthernet 0/1には「192.168.1.1」がセットされる
Router>ena
Router#conf t
Router(config)#interface FastEthernet 0/0
Router(config-if)#ip address 192.168.0.1 255.255.255.0
Router(config-if)#no shutdown
Router(config-if)#exit
Router(config)#interface FastEthernet 0/1
Router(config-if)#ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
Router(config-if)#no shutdown
Router(config-if)#exit
スタティックルーティング設定
IPアドレスを付与しただけではパケットを受信できても転送はされないのでルーティングを行う。
以下のコマンドを実行することで「192.168.2.0/24」宛のパケットを「192.168.1.2」に転送する
Router(config)#ip route 192.168.2.0 255.255.255.0 192.168.1.2
ルーター名設定
ルーターに名前を付けるのを忘れていたのでROUTER1という名前を付ける
Router(config)#hostname ROUTER1
ROUTER1(config)#
ルーティング情報を確認する
「192.168.2.0/24」宛の通信が「192.168.1.2」に転送される設定がされていることを確認する
ROUTER1#show ip route
Codes: C - connected, S - static, I - IGRP, R - RIP, M - mobile, B - BGP
D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2, E - EGP
i - IS-IS, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2, ia - IS-IS inter area
* - candidate default, U - per-user static route, o - ODR
P - periodic downloaded static route
Gateway of last resort is not set
C 192.168.0.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1
S 192.168.2.0/24 [1/0] via 192.168.1.2
ROUTER1#
ROUTER2での設定コマンド
ルーター名設定
ルーターにROUTER2という名前を付ける
Router>ena
Router#conf t
Router(config)#hostname ROUTER2
ROUTER2(config)#
IPアドレスの付与
以下のコマンドを実行することでFastEthernet 0/0には「192.168.1.2」、FastEthernet 0/1には「192.168.2.1」がセットされる
ROUTER2(config)#interface FastEthernet 0/0
ROUTER2(config-if)#ip address 192.168.1.2 255.255.255.0
ROUTER2(config-if)#no shutdown
ROUTER2(config-if)#exit
ROUTER2(config)#interface FastEthernet 0/1
ROUTER2(config-if)#ip address 192.168.2.1 255.255.255.0
ROUTER2(config-if)#no shutdown
ROUTER2(config-if)#exit
スタティックルーティング設定
以下のコマンドを実行することで「192.168.0.0/24」宛のパケットを「192.168.1.1」に転送する
ROUTER2(config)#ip route 192.168.0.0 255.255.255.0 192.168.1.1
ルーティング情報を確認する
「192.168.0.0/24」宛の通信が「192.168.1.1」に転送される設定がされていることを確認する
ROUTER2#show ip route
Codes: C - connected, S - static, I - IGRP, R - RIP, M - mobile, B - BGP
D - EIGRP, EX - EIGRP external, O - OSPF, IA - OSPF inter area
N1 - OSPF NSSA external type 1, N2 - OSPF NSSA external type 2
E1 - OSPF external type 1, E2 - OSPF external type 2, E - EGP
i - IS-IS, L1 - IS-IS level-1, L2 - IS-IS level-2, ia - IS-IS inter area
* - candidate default, U - per-user static route, o - ODR
P - periodic downloaded static route
Gateway of last resort is not set
S 192.168.0.0/24 [1/0] via 192.168.1.1
C 192.168.1.0/24 is directly connected, FastEthernet0/0
C 192.168.2.0/24 is directly connected, FastEthernet0/1
ROUTER2#
接続確認
PC1の「Desktop」タブから「Command Prompt」を選択してコマンドプロンプトを起動し、ping通信を行う。
1回目はARP通信による遅延?で失敗したが、2回目は成功した。
現場からは以上です